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弁護士ブログ

2009/06/09

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 僭越ながら僕は,数日前から司法修習生N君の指導弁護士として弁護実務修習を担当している。司法修習生というのは司法試験に合格し,ごく近い将来,裁判官,検察官,弁護士のいずれかになる法律家の卵である。先日,弁護士志望のN修習生の歓迎昼食会をしようと,本降りの雨だったが僕とN修習生,2人の事務員さんとで近くのうなぎ屋さんに出向いた。

 

 たたみの部屋(和室)に案内され,そこには床の間があり,掛け軸と一輪挿しが置かれていた。決して華美でなく,質素ではあるが,正に日本の美を感じた。それと,たたみにはやはり魅力がある。僕はマンション住まいで,実はたたみの部屋が一つもないのである。最近特にたたみの部屋が欲しいと思うようになり,一つくらいたたみの部屋にリフォームしたいなと本気で考えている。たたみの部屋はやはり何となく精神的に落ち着く。温泉旅行などに行くたびにそう思っていたのだが,これまでなかなか実現できないでいた。

 

 雨の日で,しかもたたみと言えば,僕はこんなことに憧れている。つまりこうだ。窓を開けっぱなしにして,たたみの上に大の字になって寝転がり,涼しげな外気を感じながら降りしきる雨を眺めているという状況である。みんなでうなぎを食べている最中に,ある愛読書の中の一節がふっと思い浮かんだ。その愛読書というのは,「逝きし世の面影」(渡辺京二著,平凡社ライブラリー)である。この本は至る所に印象的な表現があるのだが,このうなぎの昼食会の際に,次のような箇所がふっと思い浮かんだのである。ヒューブナーという人は明治維新の頃に日本に滞在したオーストリアの外交官であるが,この人の文章の一部を先の本から引用してみる(453~454頁)。

 

 「ヒューブナーは箱根の畑村の宿で、雨の一日を過す経験を持った。畑村はオランダ商館員の参府旅行記にもしばしば登場する集落で、ヒューブナーによれば『風光明媚と茶屋とその庭で有名な所』である。『読者諸氏にはこういう言いがたい幸福感を思い描くことがおできになるだろうか。つまり、篠つく雨が絶え間なく朝から晩までどしゃぶりに降って、快い涼しさをふりまいているなかで、・・・・・・庭に向かってぱっと開け放たれた瀟洒な部屋で、とても綺麗な畳に寝ころがっているという幸せを。』」

 

 僕も何とかこれをやってみたいのだ。まあ,リフォームしたところでマンションの一部屋なので,庭もないし瀟洒という訳にもいかないけれども。

2009/05/26

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 つい先日のブログで,自分や身内の財布が戻ってきたこと,日本人の民度の高さについて述べた。しかも,日本や日本人に対する外国人の賛辞に関する書籍まで引用して。でも,何か,なぁ・・・。ここ数日でため息の出るような光景を見てしまうこともまた事実なのであります。いくつか上げてみると・・・・・。

 

 すがすがしい朝,歩いて通勤中に,反対側からタバコを吸いながら歩いてきた髪の薄い中年男性がいた。僕とすれ違いざまに,その人は手にしていた火の付いたままのタバコを,綺麗に手入れされた歩道の美しい植え込みの中に投げ捨てたのである。何とモラルの低いこと。もっと自然を愛でなさい!このハゲ頭のせいで,美しい植物は非常に熱い思いをしただろうし,このハゲ頭のせいで数分間は受動喫煙を余儀なくされたのだ。喫煙は頭皮の毛細血管をさらに収縮させるから,育毛には良くないんだぞ!あっ,これは余計なお世話か。でも,こういうことを何の躊躇もなくすることのできるメンタリティーとは・・・。

 

 次だ,次っ。銀行の無人ATMの所に通帳記入しに行ったら,機械の周りには取引明細書の小さい白っぽい紙が散乱していた。そのままの姿のものもあるし,クシャクシャと丸められた姿のものもあるし,手で細かく破られたものもあった。一体全体,何を食って生活すればこんなことが平気でできるのだろう・・・。

 

 そして次だ,次っ。昨日の夕方,被疑者の国選弁護人として郊外の警察署に車で接見に行き,その帰り道での出来事。その道路は片側2車線,対面信号機はセパレート式で矢印の出るやつだった。直進用の矢印しか出ていなかったので,僕は左折のために左側の車線で車を停止させていた。やがて歩行者用信号機が赤色となり,左折用の矢印が出たため,僕はゆっくりと左折を開始しようとした。その直後に,右側の車線(指定方向外進行禁止,車線変更禁止の黄色の線が引いてある)を直進するかと思われた軽自動車が,急に僕の車を制するように,あろうことか右側車線(第2車線)から猛スピードで左折したのである。非常に危険な運転である。歩行者用信号機は赤色ではあったものの,とても不測の事態に対応できるような行動ではないし,こういうバカ者が悲惨な交通事故の加害者になるのであろう。

 

 さらに次だ,次っ。マナーの悪い自転車乗りのことはこのブログでも取り上げているが,おとといの朝の通勤時,横着そうな面構え(これは生まれつきでもあろうが,多分に後天的,すなわち横着な人生を送ってきたかのような風情もある。)の30歳前後の女が,自転車に乗って猛スピードで交差点を通過した。比較的大きな交差点で,歩行者を含め非常に交通量が多い。歩行者用信号が点滅し始めると対面信号機が赤色に変わってしまうので,彼らはスピードを上げて何とか道路を渡りきろうと必死になるのだ。その時は,周辺の歩行者や交差する歩道からの自転車,歩行者の存在など視界に入っていない。一番危険な状態だ。黄色い帽子をかぶったかわいい小学1年生と衝突したらどうなるというのだ!バカも休み休みなりなさい!

 

 以上の行動はいずれも大人がなした行動だ(子どもがATMで操作するとも思えない。)。このような大人になってはいけないし,してもいけない。ちゃんと躾をしなければならない。もう,今はそれしか言いようがない(泣)。

 

(追伸)ぜんまいざむらいの中には,「わたあめひめ」が登場することもある。「わたあめひめ」は,空気が読めないことの方が多いが,かわいらしいし,基本的には良い子なのである。その「わたあめひめ」は,人のため息を綿飴にしてくれる。僕のため息も綿飴にして欲しい(笑)。

2009/05/18

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 一応分別盛りと言われるくらいの年齢になった僕が,改めて「ぜんまいざむらい」を考えるまでのことはないのだろう。でも,「ぜんまいざむらい」に好意を寄せているというか,これに首っ丈になってしまっているので,今日もブログに書いてしまう。「ぜんまいざむらい」というのは,NHK教育テレビでやっている10分番組のアニメ。時間の関係で朝食後にしか見られないので,僕は,毎朝食事の後に,午前7時14分ころにはテレビの前にイスを置き,そこに坐って15分からのオープニングを待ち,僅か10分間の癒しの時を過ごす。僅かな時間とはいえ,「幼児番組に熱中している弁護士に困難な事件処理を任せておいてよいものか?」と不安に思う人もいるかと思うが,仕事はちゃんとやっているのでご心配なく(笑)。

 

 ぜんまいざむらいが何故これほど好きなのかについて考察するに,ぜんまい様の外見(ヴィジュアル面)と,内面(メンタリティー)の2つに分けて述べてみたい。

 

 第一に,外見(ヴィジュアル面)である。まずは,目が黒目勝ちで可愛い。それだけで人を惹きつける魅力がある。次に,袴の右膝の部分のつぎはぎの存在も好感が持てる。「武士は食わねど高楊枝」の言葉があるように,武士はお金や商売とは一線を画し,貧しさを決して恥ずかしいと思わない。右膝のつぎはぎはその象徴である(「武士は食わねど・・・」とはいったが,ぜんまい様は居候先の団子屋「いっぷく」では結構団子を食べているようだ(笑))。ついでに言うと,ぜんまい様の服装は上下とも地味な色合いであり,これも質素・倹約を美徳とした武士らしい。好感が持てる。その服装の地味さと,「必笑だんご剣」のだんご三色(時には「増量」と称して七色に増える時もある)のカラフルさとのバランスがとれている。さらに,ぜんまい様は寝るときはきちんとした白装束で寝ており,清潔感と礼儀正しさがある。加えて,ぜんまい様の歩き方は,胸を張り,まっすぐ前を見据えた堂々としたものであり,これも武士らしくてよい。その歩きっぷりの良さについては,オープニングテーマの冒頭に,豆丸やずきんちゃんと一緒に歩いている姿を参照すれば一目瞭然。余談であるが,この時のずきんちゃんの小走りのような歩き方も非常に可愛い(笑)。

 

 第二に,内面(メンタリティー)の点についてである。ぜんまい様がいつも善を施していることからも分かるとおり,相手に対する思いやりや優しさに満ちているのが非常に良い。正に,武士道でいうところの惻隠の情で満ちあふれている。ぜんまい様の頭は風変わりなぜんまいであるのに比べ,好みはあるがなめざえもんの髷(まげ)は非常に立派である。にもかかわらず,ずきんちゃんがぜんまい様の方に好意を寄せているのは,彼の内面(メンタリティー)を評価しているからであろう。その他に気づいたぜんまい様の美点は,寛容なところである。ある回の話の中で,「わたあめひめ」が掃除を手伝うシーンがあり,彼女としては全く悪気はないのだがぜんまい様の部屋の道具をめちゃめちゃにしてしまっても,ぜんまい様は決して「キレ」たりはしないのである。惻隠の情に満ちあふれているところ,寛容なところなどは,僕も見習わなくてはならない。

 

 あぁ,もうそろそろ仕事を始めなければならない。ぜんまいざむらいのように,「今日もキリッとまいります。」(笑)

2009/05/12

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 日本の話芸にもいろいろのものがあり,それぞれ極めて魅力的だが,とりわけ落語が好きである。先日の東京旅行でも,落語だけは必ず鑑賞しようと意気込んでいたんだけど,お客が満員で「立ち見」となればしぶしぶ断念せざるを得なかった。

 

 東京勤務時代も,司法修習生だった頃も,暇があれば鈴本演芸場や末廣亭に足を運んでいた。落語は日本の素晴らしい伝統文化の一つだとつくづく思う。是非またその芸を見たいなと思う落語家の一人に,柳亭燕路(七代目)がいる。少し前に,鈴本演芸場に行ったときに,たまたま柳亭燕路の「やかんなめ」に遭遇した。「腹を抱えて笑う」という言葉があるが,このときは本当に腹が痛くなるほど笑った。本当に腹筋がつりそうになったほどだ。役者で言うなら「はまり役」という言葉があるが,この「やかんなめ」という演目と柳亭燕路とは正にピッタリである。失礼を承知でいうと,柳亭燕路の首から上は,正に「やかん」風である。それに,この柳亭燕路の武士言葉も小気味がいいし,何より表情が豊かである。話の中で,徐々に自分に期待されていることがら(状況)・・・・・すなわち,癪もちの大家の女房の苦痛を和らげるためにやかんのような自分の頭をなめさせること・・・を自覚していき,それを実行させるまでの非常に困惑した表情が例えようもなく面白いのである。あぁ,もう一度,柳亭燕路の「やかんなめ」が見てみたい!

 

 それにしても,本当に残念なのは落語の番組が極めて少ないことである。本格的なのは,せいぜいNHKの「日本の話芸」くらいのものであろう。もっと落語番組が増えていくことを切に願っている。先日テレビを見ていたら,スーパーマリオか何かのゲームに若手のお笑い芸人等が次から次に挑戦し,順位を競うという内容の番組が民放で放送されていた。「おいおい,ここはゲームセンターか!」と思った。何やら,ゲームセンターで友達同士が自分の腕前を見せっこするかのような状況を,日本全国に電波で流しているような感じがして,情けなくなった。せめて,そのような時間帯のごく一部でも落語番組に譲ってよー。

2009/05/08

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 「いい大人が」と言われそうで恥ずかしいのだけれど,告白する・・・・・。「ぜんまいざむらい」が非常に好きになってしまったのだ。これはNHK教育テレビでやっている10分番組のアニメ。ぜんまいざむらいの全てがいい(笑)。

 

 ぜんまいざむらいのあらすじや,登場キャラクターなどの詳細は,ウィキペディアに過不足なく書かれているので,それを参照してもらいたい。それに,ぜんまいざむらいの魅力は,何よりも実際にこの番組を見てみなければ分からないであろう。見てくれも可愛くて癒されるし(袴のつぎはぎも魅力的),「必笑だんご剣」を使って悪人や争いごとをしている人,元気のない人などにだんごを食べさせ,改心させたり,和解させたり,勇気づけたりするのである。ぜんまいざむらいは,「善いこと」をすると頭のぜんまいが巻かれて命が延び,「108の善いことをすると人間に戻れる」との言葉を信じて今日も善行を積んでいく。

 

 「拙者」,「・・・でござる」を連発する豆丸も欠かせない登場人物(おねしょ癖はあるが・・・)。ずきんちゃんも非常に可愛い(ずきんちゃんは,年上の人には律儀に「ぜんまい様」とか「なめざえもん様」というように「様」を付ける)。ぜんまいざむらいのライバルともいうべき,なめざえもんも憎めない。

 

 オープニングテーマにも勇気づけられる面がある。歌詞の一部を引用すると,「ぜんぜんぜんまいまわるかぎり この世をうんと楽しもう お日さましずんでもお月さまはでてくる これはぜいたくパラダイス ぜんまいざむらい今日もキリッとまいります ぜんぜんいくさにゃむいてないけど 一日一善でぜんまい巻き上がる これはぜいたくパラダイス」という感じ。特に「ぜんまいざむらい今日もキリッとまいります」のフレーズが好きで,自分で自分を何とか激励しているか,激励されている感じがする。知らぬ間に自分の人生をぜんまいざむらいに投影させてしまうのである。僕は昔から,NHK教育テレビの子供向け番組の愛好者でもあった。少し前までは,「ざわざわ森のがんこちゃん」なんかが好きだった。でも,「がんこちゃん」もそうだし,僕が完全に惚れきってしまっている「ぜんまいざむらい」だって,子供向けとはいえ,設定や脚本,セリフを含めた話の展開などは非常に完成度が高いと思う。複数の脚本家がいて,回によっては,アレッ?というような安直な展開もあるが・・・。その他に好きな理由としては,僕はもともとさむらい言葉が好きだということもあるし,確かに明治維新は日本の近代化のためには偉大な出来事であったが,その前に存在した「逝きし世の面影」を残す,愛すべき文明(江戸文化など)に対する憧れがあるという点も指摘できる。

 

 とうとう,ぜんまいざむらいのDVDまで購入してしまった。毎日10分間だけでは物足りなく,ぜんまいざむらいの世界にどっぷりとつかりたいと思ったからである。昨日のブログでは,連休中の東京旅行が充実したものになったと述べたが,東京駅八重洲地下にあるNHKキャラクターグッズの店で,ぜんまいざむらいの弁当箱を買えたこともその理由の一つである。標準体重を僅かながら超えそうになっているので,当分の間はダイエットのために,ぜんまいざむらいの弁当箱で昼飯を食べることにする(笑)。

2009/04/27

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 ジャイアンツの快進撃中に見舞われたギックリ腰の方は,おかげさまで数日の間に自然に治っていった。その最中は,本当に変な格好で歩いていたと思うが,今では普通に歩けるようになった。さて,僕は公務員時代も,そして今も,これまで仕事中はずっとネクタイをしてきた。仕事柄これからもネクタイはしていくと思うが,最近,長年の研究の結果(笑),「ネクタイ緩め」が健康に良いということを認識した。

 

 ネクタイ緩めというのは,文字通りの意味で,ワイシャツの一番上のボタンを外し,ネクタイを緩めて開襟状態にすることである。考えてみれば,僕の仕事は一日中ネクタイを締めていなければならない訳ではない。裁判所での活動,依頼者との打合せ,法律相談,交渉などの場面では確かにネクタイを締めているが,それ以外の時,例えば事務所で文書を作成しているような時などは,ネクタイを緩めておけばよいのである。

 

 さきほど,長年の研究の結果といったが,正直なところはここ1,2年のうちに情報誌やインターネットなどで仕入れた情報である。それらの様々な情報を総合すると,ネクタイ緩めの健康上の効用として,僕が「(少なくとも)確かにこれはあるな!」と思ったのは,次の2つの点である。第1は,昼間の時間帯の自律神経のバランス維持に少なからぬ意味があるということ,第2は,血行促進による育毛に少なからぬ意味があるということ(笑い),の2つである。

 

 まず第1の効用について。僕たちの自律神経は,交感神経(戦闘モードというか「仕事やらなければ」モード)と副交感神経(リラックスモード)のバランスが保たれてはじめて維持されている。昼間といえども,絶えず交感神経優位では体とメンタル面がもたない。ストレスがかかり過ぎる。この状態は育毛にも良くない(笑)。それで,実際に昼間にネクタイを緩め,開襟状態にしてみると,本当に楽だし,リラックスできるのである。特に僕はこれまで,ワイシャツの首回りがあまり余裕のないタイプのものを身につけていたし,性格なのかしらネクタイもきつめに結んでいた。昼間のネクタイ緩めは本当にいいわぁ・・・・・。

 

 次に第2の効用について。人間の首の左右には,太い頸動脈が通っている。心臓のポンプから頭部に送られる大切な血液の,大切な通路なのである。また,毛髪を作る毛母細胞に対して,髪の成長に必要な栄養素や酵素を送り出す毛乳頭はとても大切で,その毛乳頭の栄養の元になっているのが血液なのである。フッ,フッ,フッ。もうお分りだと思うが,ネクタイをきつく締めて,大切な血液を毛乳頭に送り出す邪魔をしてはいけないのである。特に頭皮は心臓より上にあり,重力的にもただでさえ血液が行きにくいのだし,しかも毛乳頭へ血液を運ぶのは毛細血管なのである。ネクタイを強くしめて頸動脈を圧迫することは,育毛のためには,ぜ,ぜ,ぜったいに良くないのである(怒)。

 

 ・・・・・・・・。結局は,育毛ネタになってしまった。最近,僕の後輩の弁護士は,鬼の首をとったように僕の毛髪のことを揶揄する。しかしながら,僕だって年齢の割には非常に「善戦」していると思う(笑)。それに僕を揶揄する後輩弁護士だって,お見受けしたところ,どうひいき目に見ても毛髪的にはとても安泰であるとも思えない(笑)。彼らだって,決して枕を高くして寝られないのである。いずれにしても,ネクタイ緩めは良いと思う。

2009/04/17

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 済州島第一日目の夜が明けた。二日目はこの旅行の目的でもあったゴルフである。今回の旅行プランではホテルでの食事が全くなかったので,ゴルフ組も観光組も,二日目の朝食はホテルのすぐ近くにある料理店でとった。その朝食は,「アワビのおかゆ」であった。済州島は海産物が美味しく,特にアワビが名物らしい。アワビのおかゆは初めて食べたが,味付けも,それからアワビのコリコリした食感も良く,美味しかった。より刺激を求めたいのなら,キムチをそのおかゆの上にのせて食べてもいい。僕もそうしちゃいました。

 

 約30分ほど車に乗って到着したゴルフ場はほとんど日本のものと変わらない雰囲気で,割と面白いホールが多かった。3人ずつの2パーティーでラウンドし,僕のパーティーには,前夜見事に「亀」になりきっていたA弁護士もいた。キャディさんは日本語が上手で,親切,運動量も豊富であり,楽しくプレーできた。でもスコアはねぇ・・・・・。これは自分の技術と精神面の問題だから,誰のせいでもない。今回のゴルフでつくづく思ったのは,もう一回練習に励んで往年の輝きを是非取り戻さなければということだ(こう見えてもほんの一瞬だったが,80台で回ったこともあったのだ・・・・)。僕にも誇り(矜持)というものはある。今回は屈辱的なスコアであった。よしっ,がんばるぞォー。

 

 ゴルフを終えて風呂に入り,クラブハウスで食事をした後は,この日の第二の人生を歩むべく,この日最初から観光をしていた観光組と合流し,全員で「民俗村」という所に行った。ここでは,乗馬とバギーを楽しんだ。これは本当に面白かった。実は僕は,今まで一度も馬に乗ったことはなかったのだが,馬に乗って駆け回るなど初めてで貴重な体験をすることができた。馬上の僕は,「燃えよ剣」の土方歳三か,「坂の上の雲」の秋山好古になったような得意の気分であった。バギーも初体験。みんなも全員これらを体験したが,みんな完全に子供になりきっていた。

 

 「民俗村」では,缶ジュースをめぐって,ちょっとした超常現象があった。みんな遊びまくってのどが渇いたもんだから,I弁護士が「おっ,梨のジュースか,珍しいな。飲んでみよう。」といって硬貨を入れ,梨の絵の付いた缶の下のボタンを押した。ところが,出て来たジュースは何とリンゴのジュースなのであった(笑)。その時のI弁護士の落胆振りにはひとかたならぬものがあった。確かにその梨の絵は,洋梨(ラ・フランス)ではなく日本でも見られるようなまん丸の梨だったから,そういうジュースは珍しいと思った。その状況を見ていたH弁護士は,「僕も梨のジュースが飲みたいなぁ・・・。今度は大丈夫だろう。」と彼も硬貨を入れ,その梨の絵の付いた缶の下のボタンを押した。と,ところが,出て来たジュースは何とまたしてもリンゴのジュースなのであった(笑)。それを見ていた僕は,「二度あることは三度ある」と思い,その梨のジュースは断念し,パイナップルの絵の付いた缶の下のボタンを押した。と,ところが,出て来たジュースはマンゴーのような果物のジュースなのであった(笑)。3人とも飲んだジュース自体は甘かったが,それぞれの表情はいずれも苦笑い。

 

 大いに遊んだ後,二日目の夕食は「キジのしゃぶしゃぶ」であった。これも初めての体験だったが,キジ肉が薄くスライスされたものを,いかにもダシがよく利いたコラーゲンたっぷり風の鍋にしゃぶしゃぶして食べるのである。これがとてつもなく美味であった。翌日は比較的早い時間帯のフライト(帰途)だったから,おみやげに韓国海苔(ごま油風味とキムチ風味の2種類が入ったやつ)を買った。このようにして第二日目(最後)の夜も平和のうちに更けていったのである。この旅行の記事のタイトルを「○○○紀行」としたのは,東洋文庫から出版されているイザベラ・バード女史の著作タイトルを参考にしたのである。とにかく今回の済州島旅行は,食事も行事(アカスリ,「亀の甲羅風蒸しタオル責め」,乗馬,バギー)も超常現象も初体験のことが多く,とても楽しい旅行となった(終)。

2009/04/15

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 さて,この紀行文も済州島第一日目の夜の「アカスリ」まで到達した。実はこのアカスリについては,僕とA弁護士は共にアカスリ+マッサージの総合的なコースを選択したので,この夜のしめくくりはアカスリに続くマッサージであった。

 

 アカスリ後,僕は優しい手つきで髪まで洗ってくれたミニ青龍に丁寧なお礼とお辞儀をし,シャワーを浴びた後に浴室を出た。するとそこには,その後の消息が分からなかったA弁護士のいつもと変わらぬ姿があった。相好を崩してお互いの健闘をたたえ合い,再会を喜び合った。A弁護士の少し弛緩した,無邪気な表情に接し,何かしら戦友のように思えてきた。我々はようやく人間ドックの検査着のようなものを身につけることができ,早口の担当者にマッサージ室まで案内された。

 

 マッサージ担当はいずれも女性であり,今度は間仕切りも何もなく,僕はA弁護士の隣のベッドでマッサージの施術を受け始めた。これだとA弁護士が何をされているのかもよく分かるし,互いの有様を見て次のメニューを推測することができるのである。ただマッサージ自体は,ある一点を除けば,日本で受けるのとそれほど変わらないオーソドックスなものであり,結構心地よかった。そのある一点というのは,いわば「亀の甲羅風蒸しタオル責め」とでもいうべきものだった。要するに,上着をとって上半身裸のうつ伏せになり,背面全体に,すごく熱い蒸しタオルを「これでもか,これでもか」という感じで何枚も何枚も際限ないほどに重ねていくのである。その結果,見事な「亀」が出来上がる。見たら一足先にA弁護士が見事な「亀」になっていた。そうなる前にA弁護士は「熱いー。熱いー。」を連発していたのだけれど・・・。それにしても,A弁護士のその見事な「亀」の艶姿は,「本当のところは,この人,性別はともかくとして,前世では亀だったんじゃないか。」と思わせるほど,「亀」そのものだったのである。

 

 僕も少し遅れて「亀」になり始めた。この時点で僕は,例の笑い上戸が顕在化し,A弁護士の「亀」の晴れ姿を見て,相当に押し殺し気味に笑っていた。でも,うつ伏せで笑うと,いくら押し殺していても体が上下してしまうので,これが僕のマッサージ担当者が察知するところとなり,割りと流ちょうな日本語で「クスグッタイデスカー?」と訊いてきた。僕は「大丈夫です。」と答えた(本当はくすぐったいのではなく,熱いんだけど・・・(笑)・・・)。その後僕の担当者は,「アツクナイデスカー」と何度も訊いてきた。僕としては,A弁護士があれほど「熱いー。熱いー。」を連発していたにもかかわらず,結局は見事な「亀」の晴れ姿に仕上げられてしまったのだから,自分もどっちみちそうなる運命だと思ったし,無用の軋轢を避けようと考え,やせ我慢(太り我慢か?)して「大丈夫ですよ。」と答えた。恐らく僕も見事な「亀」に仕上がったのだと思う。

 

 でも,件のアカスリとこのマッサージ等のおかげで,肌はツヤツヤ,スベスベになったし,体が軽くなり血行も良くなったようだった。確かに,体を温めることは健康に良いのだと思う。僕とA弁護士は,約束どおりこの店の担当者にホテルまで送ってもらった。これでようやく第一日目の締めくくりとなった。僕は,ヒゲも剃らなきゃならなかったので,ホテルの風呂に入り,ようやく床についた。床に入ってしみじみと思った。「長いこと生きてると,いろんなことがあるもんだなぁー・・・。でも,人生って面白いなー。」

 

 このようにして,済州島の第一日目の夜は,今度こそ更けていったのである(続く)。
 

2009/04/14

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 さて,済州島第一日目の夜に初体験した「アカスリ」のことである。そのアカスリの店は,現地添乗員さん(35~40歳くらいの女性)が勧めてくれたし,終わったらホテルまで車で送ってくれるということだったので,僕とA弁護士は安心してその店に向かった(実際に安心な店であった)。その店のあるビルは7階建で,男性用は6階,女性用は5階か7階になっていたと思う。

 

 店のカウンターで受付と代金の支払,貴重品の預けを済ませ,係の人の早口のかたこと日本語による説明を受け,僕とA弁護士はロッカー室で生まれたままの姿になった(笑)。ロッカーのキーバンドを左手首にはめ,恐る恐る浴室に入った。日本でいうスーパー銭湯,健康ランドみたいな風情でゆったりしていた。お客さんは,お風呂やサウナに入ったりだけの人も結構いたので,そこは必ずしも全てのお客さんがアカスリを受けるというものではなかったようだ。僕とA弁護士は湯船につかり,シャワーを浴びたりして体を温め,僕は一旦その広い浴室から出て,予め用意されていた上下の衣類(人間ドックで着るような検査着みたいなやつ)を身に付けた。そうしたら,その店の担当者が細い目を可能な限り丸くして,「チョトー,オキャクサンー,アカスリワー,アカスリ?」と言ってきたのである。そうそう,僕としては,てっきり下履きぐらいは身につけてアカスリを受けるものと誤解していたのだが,そうではなかったようだ。

 

 再び僕は生まれたままの姿になり,A弁護士と一緒に,広い浴室の奥にある「アカスリ室」に導かれた。そこは簡易の間仕切りがあって,その後のA弁護士の消息(姿)は,アカスリが終わって無事に再会するまでは分からなかった。さて,僕を担当する人は,いかつい屈強な男性で,朝青龍を全体的に小型化し,しかもその腹の脂肪を落としたような感じの人だった(以下,この担当者を「ミニ青龍」という。)(笑)。

 

 ミ,ミニ青龍は非常に無口で,無表情。入国手続の際の担当官のような見事な三白眼であった。彼は手術台のようなベッドに洗面器でお湯をかけて温め,僕に「アオミュケ」とポツリと言った。恐らく「仰向け」のことに違いないと思い,極度に低い枕に頭を乗せ,僕は仰向けに寝た(そ,そうか。結局生まれたままの姿でアカスリを受けるんだ・・・とこの時始めて覚悟を決めた)。この段階で,仁王立ちになったミニ青龍と,手術台風のベットに生まれたままの姿で仰向けになった僕が,完全に対峙する形になった。ミニ青龍は僕を見ていたようだが,僕はとても彼と目を合わせることはできず,僕自身はうつろな視線を白っぽい天井に投げかけていた。僕も長いこと生きているが,これまでの自分の人生の中でも,最も緊迫した場面の一つであった。とても笑えなかった(笑)。

 

 ミニ青龍は,やはり洗面器で僕の体全体に無造作にお湯をかけた。いよいよアカスリの開始である。人間,覚悟することが大事である。「散る桜 残る桜も 散る桜」(笑) ミニ青龍は僕の左足を持ち上げ,ヘチマのような肌触りのタオルでアカスリを始めてくれた。左足,左太もも,左の腹,左の胸,左の首,という風に・・・容赦なく・・・。結構痛かった。今度は,右足,右太もも,右の腹,右の胸,右の首・・・。右足をこすられている時などは,自分の足先や膝がミニ青龍の腹に触れたり,当たったりするのだ。何なのだ,この極めて特異な,形容しがたい,筆舌に尽くしがたい,何となく滑稽なシテュエーションと雰囲気は(泣)(笑)。

 

 ミニ青龍は,今度は僕に「ヨコ」とはっきりした口調で言った。これは正に「横」のことだから,僕は左を下にして横になった。僕の足先から首までの右側面部分のアカスリが始まった。僕は目をつぶっていた(笑)。ミニ青龍は今度は「コッチヨコ」と言った。彼なりに工夫した日本語だろう。僕は右を下にして横になった。やはり,僕の左側面部分のアカスリをやってもらった。

 

 次にミニ青龍は,「ウチュブセ」と言った。そりゃ,時間の流れからして次は「うつ伏せ」のことだろう。笑っちゃいけない時にはことごとく笑ってきてしまった笑い上戸の僕だから,「ウチュブセ」などと言われたら,普段の僕なら吹き出して笑ってしまうところだが,この時も笑えなかった(笑)。うつ伏せスタイルでのアカスリも無事終了した。

 

 これで終わりかと思ったら,今度は極度に低かった枕が撤去され,手術台風のベッドの先から頭を出すようにジェスチャーで示された。僕は仰向けの状態で頭だけを自分の首の力で支える形で出した。ミニ青龍は,やおら僕の頭に手を添え,髪を洗い始めてくれたのである。シャンプーだか,トリートメントなんだか分からない物質を使って,それでも結構優しい手つきで・・・(笑)。極東の小島で,夜間,手術台風のベッドの先から頭を出し,朝青龍似の気は優しくて力持ちの男性に,優しく髪を洗ってもらいながら,僕は,「長いこと生きてると,いろんなことがあるなぁ・・・。こんな経験はごく一部の選ばれた人間しかとても体験できないぞ。俺も,そして消息の分からないA弁護士も,ひょっとすると一握りのエリートなのかもしれない・・・・・。それにしても異様な雰囲気だなあ。」などと,感慨にふけりながら身を委ねていたのである。

 

 このようにして,済州島第一日目の夜は更け,悠久の時間が過ぎていったのである・・・(続く)。

2009/04/13

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 先週末に2泊3日で韓国の済州島に旅行した。同行したのは同業の弁護士6名(僕を含む),事務員さん2名の合計8名だ。中部国際空港(セントレア)を金曜日の午後3時20分の離陸,済州空港を日曜日の午後0時30分の離陸だから,内容的にはほとんどゴルフ旅行といってもいい。でも,本来のゴルフ以外でも大変楽しいこともあったので,このブログでもご紹介したい。

 

 僕自身,韓国に旅行するのも,そして当然済州島に旅行するのも生まれて初めてなので,若干の不安と少なからぬ興味が交錯する心理状態。ただ,今回の同行者の中には既に複数回済州島を訪れている人達も数人いたので,大船に乗った気持ちでもあった。搭乗手続を終えたら,早速いつものとおりの「結団式」。セントレアの中華料理店で小宴会が始まり,「太るの嫌だな」と思いつつも,もう絶対に楽しいもんだからついビールとおつまみをたくさん・・・・。フライト時間は約2時間。大韓航空の客室乗務員さんは親切で,そういえば行きも帰りも皆さん美人でスリムであった。やっぱり僕もブクブク太っちゃいけないなと思っていたら,何と3時20分出発便という時間帯なのに,き,機内食が出されてしまったのである。海苔巻きといなり寿司の・・・。やはりおもてなしをされたのだから,ありがたくいただかないと。もう,当分の間は絶対に体重計には乗れないな(笑)。

 

 さて,とうとう済州島に到着した。入国手続の際,順番待ちの「STOP」のラインを少し超えてフライング気味の位置で立って待っていたら,少し下がるように注意された(笑)。その後いよいよ僕の番が回ってきて,パスポートをカウンターの所に置いた。でもその担当官は,もはやあっぱれとでも言うべきアンニュイな態度,見事なほどの三白眼であり,その冷徹そうに見える視線に,チキンハートの僕は萎縮してしまった。その担当官はパスポートを手にし,チェックをし,再びパスポートをカウンターに置くまでの間はもちろんのこと,その後も一言も発することなく,顔をそむけたままだった。僕は恐る恐るその場を立ち去るしかなかった(泣)。大韓航空の客室乗務員はあれほどフレンドリーだったのに・・・。でもそれ以外に嫌な思いをしたことはなく,現地の人は概して大らかで,明るかった。

 

 さて,ホテルでチェックインを済ませたのはもう午後6時少し前だった。軽く休んで夕食のための集合時間は午後6時30分,ホテルロビーと決まった。一行はタクシーに乗り,地元の名産と言われる黒豚を食べに行った(実はそれほどお腹は空いていないのに・・・)。でも,実際に食べてみると,美味しかった。蒸した黒豚の肉が食べやすいサイズに切ってあり,それにキムチやニンニクを加え,それをサンチュで巻いて食べるのである。さらには冷麺まで追加しちゃって・・・。俺はトドか?みたいなお腹になっちゃった(笑)。このままの調子を続けたら,ダンテ「神曲」の地獄篇第六歌にいう第三番目の圏谷(たに),すなわち生前貪食(大食い)の罪を犯した者が墜ちる圏谷(たに)に行かされる(泣)。

 

 さて,その後一行は三々五々になったが,僕はA弁護士とともに,ご存じ韓国名物アカスリに行くことにした。この僕のアカスリ体験は,長いこと生きてきた僕の人生の中でも極めて特異な,形容しがたい,筆舌に尽くしがたい,何となく滑稽な体験であって,満を持して日を改めてご報告したい(続く)。

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