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弁護士ブログ

2015/03/19

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 人間の脳というのは本当に不思議なもので,何がきっかけなのかは分からないけれども,随分と昔の出来事をある時ふっと思い出すことがあります。

 

 私がまだ20代の頃にある面接に臨んだことがあり,その時の面接官とのやり取りをふっと思い出してしまったのです。「尊敬している人は誰ですか?」・・・。面接の際の定番とも言うべき質問です(笑)。でも当時の私は別に面接対策などは講じていなかったので,急にその質問が出された際に「ヴィルヘルム・フルトヴェングラーです。」と咄嗟に答えてしまったのです。

 

 そう,往年の世界的名指揮者であり,当時私はこの指揮者の指揮によるベルリン・フィルハーモニーやヴィーン・フィルハーモニーの演奏のレコードばかりを聴いていましたし,フルトヴェングラーに関する本をよく読んでおりましたので,ついそう答えてしまったのです。定番のとおり「両親です」とでも答えておけば良かったものの,面接官の一人(音楽オタク風の人)が私に鋭いツッコミを入れてきたのです(笑)。

 

 その面接官は,第二次世界大戦中にフルトヴェングラーが結果的にはナチス・ドイツに協力したと言われても仕方ない側面があると指摘したのです。私も若気の至りでその面接官と少し議論状態になったことがありました(笑)。確かに政治的に利用された面があったことは否定できませんが,フルトヴェングラー自身は個人的にユダヤ人を庇い,葛藤の中で自分の音楽活動が政治的にできるだけ利用されまいと可能な限りの抵抗を示していたと思います。例えば,ゲーリングらが企画する音楽会を拒否するとか,ナチス式敬礼を一切行わないとか,ユダヤ人その他の弱い立場の人々の助命嘆願書を繰り返し提出したとか,占領地での演奏会を絶対に行わないとか,公然とナチス批判を行ったとか,ナチス高官の脅しに屈しなかったとか・・・。

 

 その面接官は面接の最後に,私に対して,「『フルトヴェングラー-音楽と政治』クルト・リース著,八木浩・芦津丈夫(翻訳),みすず書房)という本を一度読んでみるといいよ。」とアドバイスしてくれました。直ぐに買って読んでみましたが,その面接官も実はフルトヴェングラーを少なからず評価していたのではないかとも思える内容でした。

 

 何よりもフルトヴェングラーの再現する音楽は,素晴らしく,愛に満ちていると思います。私はフルトヴェングラーの慈悲深い顔が描かれたマグカップを今も大切に,宝物のように持っています(笑)。

 

 フルトヴェングラーのお墓はハイデルベルクの市営墓地にあるようですが,その墓石には次のような文字が刻まれています(「フルトヴェングラーとの対話」207頁,カルラ・ヘッカー著,薗田宗人訳,音楽之友社)。

 

「げに信仰と希望と愛と、この三つのものは限りなく存(のこ)らん。しかしそのうち最も大なるは愛なり。」

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