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弁護士ブログ

2015/02/16

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 さて,この「権力の市場化」シリーズもいよいよ最終回を迎えました(笑)。前回は竹中平蔵という人物への言及がありましたが,それは,日本において着々と,そして徐々に進行している「権力の市場化」やレントシーキングという現象に触れる場合,かつての小泉内閣の時のオリックスの宮内義彦なる人物などととともに,この竹中という人物が思い浮かんでしまったからです。

 

 前回,「市場と権力」(佐々木実著,講談社)というノンフィクション本が竹中氏の実像に迫った力作だと申しましたが,その著者である佐々木実氏のインタビュー記事が「月刊日本」2月号に掲載されております。著者の佐々木実氏は特区法の成立と特区諮問会議の設置によって構造改革派が政策決定を牛耳る仕組みができあがってしまったと警鐘を鳴らしているのです。

 

 第二次安倍政権が発足した当初,安倍首相は竹中氏を経済財政諮問会議のメンバーに起用しようとしましたが,麻生太郎副総理らの反対で実現せず,産業競争力会議の民間議員に就きました。反対した麻生氏らは竹中氏の立ち位置,手法,人物に疑念を有していたに違いありません。

 

 ところが,竹中氏はまずは平成25年4月17日の産業競争力会議の「第1回国家戦略特区ワーキンググループ」を足がかりにし,自ら「立地競争力の強化に向けて」と題するペーパーを用意し,そこには「経済成長に直結する『アベノミクス戦略特区』の推進」の方針が打ち出され,これ以降は竹中氏ペースでどんどん特区構想が主導されていったのです。

 

 同年12月7日には国家戦略特区法が成立し,新たに特区諮問会議が重要政策会議に加わることになり,何と,竹中氏は特区諮問会議の民間議員に就任してしまったのです。麻生氏らに反対されてまずは産業競争力会議の民間議員からのスタートだった竹中氏は,産業競争力会議を拠点にして特区構想を進め,ついに経済財政諮問会議と同格の特区諮問会議の議員に就いた訳であり,巻き返しが成功した形です。

 

 特区諮問会議の今後の動きについては,担当省の大臣が反対しようが何しようが,会議で多数決を握ってしまえば,直接的に選挙の洗礼を受けず民主的な契機がない民間議員らが自らの所属する企業の商売がもっともっとやりやすくなるように政策決定ができてしまうということになりかねません。極論すれば,国益と企業益とが対立する場面で企業益の方を優先しかねない場面も当然に出てくるでしょう。

 

 竹中氏は慶應義塾大学教授という肩書きを有している一方で,大手人材派遣会社パソナグループの会長です。彼が主導する特区構想の中には「民間人材ビジネスの活用」が謳われていますが,利益誘導,利害相反と言われても仕方ないでしょう。オリックスの宮内義彦氏にはじまり,現在では楽天の三木谷浩史氏など,規制改革で利益を得る企業の代表が公然と規制改革に関わる重要会議のメンバーになることが当然のようになってしまいました。薬事法改正案の提出の際,99.8%の薬品のインターネット販売が解禁され,わずか0.2%の薬品が合理的な理由で規制を受けるのみであるにもかかわらず,楽天の三木谷会長は「時代錯誤もはなはだしい」などと毒づき,産業競争力会議の民間議員を辞任するぞ,国を訴えるぞといった趣旨のことを述べましたね。正に国益と企業益とが先鋭な形で対立している場面です・・・。このように薬品のネット販売の可否を議論する場に,あろうことかそれ(ネット販売)を生業とする会社のトップが産業競争力会議の民間議員として名を連ねていること自体,違和感を覚えるようでなければならないのです。

 

 このシリーズの最初の箇所でも述べましたように,「権力の市場化」という言葉の意味を説明するのはなかなか難しいのですが,イメージとしては,権力者に利益(金銭等の経済的利益もあれば,票などの政治的な利益もある)を供与することなどによって権力が事実上買われてしまい,ごくごく一部の強欲な人たちの目論見が政策等に反映されて彼らが超過利潤を獲得し,その反面最終的には国有財産や国民の利益が徐々に徐々に収奪されていく感じ・・・ではないかと思います。このような「権力の市場化」は中国やアメリカだけの現象ではなく,この日本でも生じていることに気づかなければならないでしょう。

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