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2015/02/03

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 今朝の産経新聞を読んでいましたら,2008年の金融危機の一因になった住宅ローン担保証券(MBS)などを不当に高く格付けしていたとして,アメリカ司法省が大手格付け会社ムーディーズを調査しているという興味深い記事が出ていました。やはり最大手格付け会社のS&P(スタンダード・アンド・プアーズ)は同様の嫌疑で既に提訴済みであるとのこと。

 

 突然ですが,「強欲の帝国-ウォール街に乗っ取られたアメリカ」(チャールズ・ファーガソン著,藤井清美訳,早川書房)という本は名著ですよ。凄い本だと思います。この本はリーマン・ショックを招いたウォール街の投資銀行をはじめとする強欲金融と投資家,役員,政治家らの悪事をえぐり出した本です。格付け会社に限って言えば,この本によれば「投資銀行業界の統合が進むにつれて、投資銀行が次第に主導権を握るようになり、格付け会社は喜んで従うようになった。投資銀行と格付け会社は、ともに腐敗し、駆け引きにまみれ、利己的な行動に走るようになった」のです(同書141~142頁)。

 

 ムーディーズが日本国債の格付けを中国や韓国より下位にしていますが,バカを言っちゃあいけません(笑)。わが日本国債は2年もの国債でもマイナス金利で「品薄」なのですよ。金余りの面はあるにしても,安定資産と評価されているのです。こんな格付け会社の格付けごときに一喜一憂するのはバカバカしい。

 

 さて,本題はいわゆるサブプライム・ローン問題からリーマン・ショックという金融危機を引き起こした背景には何があったのかです。この本を読んでいて痛感したのは,人間という動物はここまで強欲になれるものなのかといった驚きと悲しみです。強欲な投資銀行は,内心では「クズ証券」と思いながら,住宅ローン担保証券(MBS)そのもの,あるいはこれに他の商品を混ぜ込んで,あたかもこれが高利回り,安定資産であるとセールストークをしてさんざん売りまくり(その間は投資銀行の役員などは目が飛び出るほどの高額な報酬を得ています),だんだんとこのような証券のデフォルト(債務不履行)の危険性が高まる段階になると,相変わらずそのようなセールストークを続けて売りまくる一方で,今度は裏でこれらの証券(商品)がデフォルトする方に賭けて儲けるという極めて悪辣な手法をとり,案の定デフォルトしたらそれでまた儲けるということをやっていたのです。

 

 さて,権力の市場化という観点からは,ロバート・ルービン(投資銀行のゴールドマン・サックスの出身)が財務長官を辞任して今度はシティグループ(やはり投資銀行)の副会長になり,以後は10年間で1億2000万ドル以上の報酬を手にすることになりますし,政権内で国家経済会議委員長を務めたローラ・タイソンは政権を去ってまもなくモルガン・スタンレー(投資銀行)の取締役になり,財務省の高官マイケル・フロマンとデイビッド・リプトンの2人はシティグループに迎えられ・・・などなどです(同書59,63頁)。

 

 じゃ,「チェインジ!」を叫んで大統領に就任したバラク・オバマ政権で何かが変わったかというと,そうでもありません。

 

「(オバマ政権においても)それに対し、ラリー・サマーズは要職についた。金融危機を生み出したほぼすべての破滅的政策を推進した男、ヘッジファンドや投資銀行からつい先ごろ2000万ドルの報酬をもらった男が、国家経済会議の議長に任命されたのだ(2011年初めにサマーズが辞任すると、彼の後任に選ばれたのは、ゴールドマン・サックスの非営利活動について助言して同社から100万ドルのコンサルティング料をもらっていたジーン・スパーリングだった。)」(同書383~384頁)

 

 また,財務長官に任命されたティム・ガイトナーは,ゴールドマン・サックスのロビイストだったマーク・パターソンを財務省首席補佐官に据えましたし,トライカディアの責任者だったルイス・サックスを財務省上席顧問の一人にしました(トライカディアというのは,デフォルトに賭けることを目的に銀行に住宅ローン関連証券を組成させることで何十億ドルもの利益をあげたヘッジファンドの一つです)(同書384頁)

 

 ですから,オバマ政権においても病巣は何ら変わってはいないのでしょう。権力の市場化という観点からは,この本にまとめに近い記述がありましたので最後に引用してみましょう。

 

「アメリカは過去三〇年の間に道徳心のない金融寡占勢力に乗っ取られ、機会、教育、上昇移動というアメリカン・ドリームを享受できるのは、今では人口の上位数パーセントにほぼかぎられているということだ。連邦政府の政策は、富裕層と金融部門、それに電気通信、医療、自動車、エネルギーなどの(経営がひどくお粗末なことが珍しくないにもかかわらず)有力な産業によって、ますます決定されるようになっている。そして、これら三つの集団のために喜んで働く者たち、すなわちますますカネで動くようになっているアメリカの正当や学界やロビー業界のリーダーたちによって、実行され、称賛されているのである。」(同書9~10頁)

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