あー,昨日の試合はともかくとして,最近の読売巨人軍の試合を見ていると,不安がよぎる。セ・リーグ4連覇は大丈夫なのだろうか。特徴的なのは,先発投手が5回もたないということである。内海,藤井,ゴンザレス,オビスポなど・・・。7,8点を平気で取られてしまっている。辛うじて東野に安定感がある程度だ。
先日の対横浜戦で7-8で逆転サヨナラ負けした時には全身から力が抜けた。仕事をしていた最中だったので,途中経過をネットで確認していた。早い回に3点を取られてしまい,先発がノックアウト。0-3のままでいっちゃうのか・・・。次に恐る恐るネットで途中経過を見てみると,ジャイアンツがビッグイニングを作って7-3としていた。おぉーっ!やるじゃん。安心して仕事に戻る。気になって次にネットで調べたら,もう途中経過ではなく,「結果」になっており,何と,7-8。7-4で迎えた9回裏の横浜の攻撃,抑えのクルーンが先頭打者にヒットを打たれ,次の打者は打ち取ったものの,その後2者連続四球,1アウト満塁で横浜の4番打者に逆転満塁サヨナラホームラン・・・・・(絶句)。
クルーンという投手は四球を連続して与えたり,暴投をしたりで独り相撲をして試合をひっくり返されてしまうことがこれまで何度もあった。今度も同じようなシーンを見てしまった。本来の既視感(デジャヴュ)とは意味が違うだろうが,このシーンどこかで見たというやつだ。確かに球は速いが,安定感に欠けるし,ストライクが入らなくなると頭に血が上って冷静さを欠き,ますますボールが続いてしまうのだろう。マンガみたいな逆転劇であった。
それにしても,米軍海兵隊普天間基地移設問題で,担当大臣の一人である北澤防衛省がまた訳の分からないことを言い始めている。読売新聞の報道によると,沖縄県も含めて日米両国で最終合意を得る時期について「県民世論が選挙に表れることを考えれば、知事選以降でないとはっきりしたことは言えないと思う」と述べ,11月に予定されている沖縄県知事選後にずれ込むという見通しを示したというのだ。去る5月の日米共同声明では,8月末までに専門家協議で代替滑走路の場所や工法について結論を出すと明確に合意したにもかかわらずである。北澤防衛相のこの発言について,菅首相も岡田外務大臣も格別異論めいたことを述べていない。
つける薬がない。防衛,安全保障という国の根幹にかかわる事項に関する意思決定を,一つの選挙結果に委ねようとする異常事態である。諸外国は呆れかえっているのではないか。鳩山前首相,民主党政権がこの問題で迷走を繰り返し,大切な同盟の相手方を徹底的に困惑させ,その信頼を喪失させたあの状況は基本的には今も変わっていない。これも本来の既視感(デジャヴュ)とは意味が違うだろうが,このシーンどこかで見たというやつだ。北澤防衛相に尋ねてみたいのだが,11月の沖縄県知事選で基地全面撤去を標榜する候補者が当選したら,この問題をどう処理するつもりなのだろうか。
僕は自民党がこれまで推進し,あと一歩のところまでこぎ着けていた現行案(これを鳩と名のつく人と民主党政権がメチャクチャにしてしまった)は,中長期的に見れば,少なくとも米軍基地に関する沖縄の負担を軽減していくまずは第一歩なのだと理解している。
サッカー日本代表,デンマーク戦の快勝,そして決勝トーナメント進出決定,おめでとう!
このゲームでは日本は3得点したが,いずれも素晴らしい点の取り方だった。初めの2得点はいずれもセットプレーからのものだったけど,MF本田だけでなく,状況やコースに応じてMF遠藤という選択肢の幅があることも分かった。いずれも見事なフリーキックだった。そして何よりも圧巻だったのは,3点目。普通はペナルティーエリア内に入ったら功を焦ってやみくもにシュートしがちになるものであるが,本田は相手選手を十分に引きつけておいて,これを翻弄するかのように冷静にFW岡崎に華麗なパス。岡崎は難なくこれを決めた。見事なプレーであった。こういうプレーは,状況判断の良さと視野の広さ,スキルの高さを備えていなければできない。
本当は,開幕前の日本代表の連戦連敗ぶりを見ていて,そして岡田監督の戦術上の迷いなどが露呈していて,正直言って期待はしていなかった。でも,初戦のカメルーン戦での4-5-1システムが機能し,あとは基本的には本田のワントップで,順次1・5列目からの飛び出しをしていく,積極的なサイド攻撃も多用するなどしてうまくいくようになった。オランダ戦も善戦と言えるし,選手間でもだんだんと自信が自信をよぶようになったのではないだろうか。
あと,君が代をほぼ全員が歌っているのもいい。でも,もう少し元気よく歌って欲しい。外国の選手の中には思いっきり音痴だけどすごく元気よく,誇らしそうに,無邪気に歌っている選手がいるように,日本代表もそうして欲しい。君が代が流れるとじーんときてしまう。
さて,決勝トーナメント初戦の相手はパラグアイである。したたかでハングリー精神に溢れていそうである。パラグアイという国は人口は635万人くらいで,わが愛知県の人口よりも約100万人くらい少ないし,経済的には南米でも最も貧しい国の一つのようだ。それだけにハングリー精神に溢れ,今大会の南米予選ではブラジルやアルゼンチンを破った試合もあるそうだ。強い。でも,今の日本代表ならば試合ごとに自信をつけていそうであり,29日もきっといい試合をしてくれるであろう。
あっ,そうそう,もうそろそろお中元の品を選ばなければ・・・。
あーーっ,肩と首がこる。いつもこういう傾向にある。しかも梅雨時で何かしら精神的な停滞感がある。・・・・・・そうだっ,こういうときはマッサージを受けるに限る。そう,マッサージは実にいい。
事務所から歩いて6,7分くらいの所にある行きつけのお店に電話すれば,たいていは思い立ったそのときに予約を入れてくれる。この店に通い始めた頃は,施術前に「どこか,お疲れの所はありますか。」と聞かれ,僕は決まって「首と肩がこってます。」と答えていた。最近では特に僕が言わなくても「首と肩ですね。」と言われてしまうようになった。くどいようだが,あーっ,マッサージはいい。
マッサージの語源は,ギリシャ語のマッシー(揉む),アラビア語のマス(押す),ヘブライ語の「触る」,ラテン語の「手」などの言葉のようである。施術してもらっていると,静脈系の血液循環,リンパの循環が改善される。ポカポカしてくるし,いかにも血液やリンパ液の循環が改善されたように感じるし,何よりも元気になる。施術してくれる人の手は「神の手」のように思えてくるのである。
それはそうと,サッカーのワールドカップをテレビ観戦していると,やはり世界的に活躍している選手のレベルは凄いなと思う。Jリーグの試合とは格段の差がある。スピード,スキル,スリル,スペクタクル・・・。ただ,ブラジル対コートジボアール戦で,ブラジル代表のFWのルイス・ファビアーノの上げた2点目はいただけない。あれはハンドの反則によるものではないか。そのシーンをリプレイで何度見てもそのように思う。これについて本人は,「あれは『聖なる手』が助けてくれました。わたしの人生の中でもとてもいいゴールだったと思う。」とコメントしている。似たようなことは,1986年メキシコ大会で,アルゼンチン代表のディエゴ・マラドーナがイングランド戦でハンドによる得点を決め,「神の手」ゴールなどと呼ばれたことがある。
でもねぇ,こういったゴールは「聖なる手」や「神の手」によるものとは言い難いと思いますよ。ましてや「わたしの人生の中でもとてもいいゴールだったと思う。」とのコメントには辟易した。武士道精神の日本人には,こういうコメントができるというメンタリティーはないと思う。
何も,うちのカミさんとの婚姻関係が破綻したのではない。破綻したのは,名古屋グランパスの特に守備である。ワールドカップによるJリーグ中断前の第12節の鹿島アントラーズ戦はホームであったにもかかわらず,グランパスは1-4の惨敗であった。ある程度予想してはいたが,これほどまで試合内容が酷く,守備が破綻しているとは・・・。さらに,土曜日のヤマザキナビスコカップ予選の大宮アルディージャ戦ではやはり1-3の惨敗で,わずか7分の間に3失点してしまっている。正に破綻という表現がピッタリである。
もうくどいように素人の僕が指摘してきたように,中盤が全く機能しておらず,選手自身が言うように「(中盤が)スカスカ」なのである。もっと高いラインからプレスをかけ,相手のやりたいことを封じなければダメだと思う。ストイコビッチ監督は,最近では一つ覚えのように,終盤にはDFの闘莉王らを前線に上げてストライカーみたいなまねをさせ,前掛かりになったところでカウンターを食らっている。本当のところは,闘莉王だってそんなまねはしたくないはずだ。そんなまねをしなくてもいいような状態にしなきゃ。監督としてチームをあずかってもう相当期間が経過しているのだから,個人技に頼るだけじゃなく,ちゃんと中盤を支配し,相手ディフェンダーをひやひやさせるような有機的な攻撃ができるような共通戦術,共通理解を早いとこ確立せんかい!(怒)。リーグ戦再開までの2か月弱の期間内に,どこまで修正できるかがポイントだが,実は僕は残念ながらもうあまり期待してはいない。
破綻といえば,僕のゴルフもいったんは破綻しかけた。でも,土曜日のラウンドではまたまた復調の兆しが見えたのである。スコア的には決して良くはなかったのだが,自分だけに分かる何かを得たのである(笑)。だったらちゃんと結果を出せよってか?・・・出すよっ(笑)。
皆さんのこの連休中の過ごし方は様々だろうが,僕の場合は標題のような過ごし方になってしまった。4月29日,5月1日,5月4日,5月5日の4日にわたって下手なゴルフに出かけてしまったのである。1週間のうちに4回もというのは,人生始まって以来だと思う。スコアは全然ダメ(笑)。この貴重な体験で得た収穫というのは,かつて僕がやっていたように,週に1回くらいは打ちっ放しの練習,しかも考えながら,修正しながらの練習,努力をしなければダメだと自覚できたことである。
スポーツついでに言うと,応援している名古屋グランパスの今シーズンの見通しは,やはり暗いといわざるを得ない。5月5日の浦和レッズとの試合をテレビで実際に観たが,試合内容が悪く,ワクワクするところが全然ない。象徴的なシーンがあった。敵陣内の好位置でのフリーキックの際,ゴールを予感させるようなボールを前線に供給するかと思いきや,近くの選手に短くパスし,その選手は横にいた味方選手にパスし,相手にプレスをかけられたら今度はDFにボールを戻し,最後はキーパーにバックパスときた(笑)。愕然とした。ボールキープができないし,パスミスが多い。攻めが遅いために,敵陣内でボールを持っても,その時点では相手側に完全に守備を固められている。速攻を成功させ,流れの中で得点できたシーンを見ることが皆無の状態になっている。相手選手に対するチェックも甘い。ジリジリ前線を下げているだけ。
ストイコビッチ監督の修正能力,学習能力に疑問符が付く。最近では,後半終了近くになってから,DFやMFの選手をフォワードに上げたりして前掛かりで猛攻にいくケースが散見される。でも,そんなことをする前の時点で,組織的でちゃんとした中盤を構成できるようなチーム作りをして欲しい。今でも3位という順位でいること自体,不思議な気がする。第9節のモンテディオ山形戦の試合終了後に,DFの闘莉王は,自分がフォワード役をやらなきゃならないという状況に疑問を呈していたが,もっともなコメントである。最近の試合後の彼のコメント内容からすると,彼にはチームの課題がよく分かっているのだと思う。
土曜日の晩は,巨人対広島戦のナイターをテレビで楽しんだ。少し飲み過ぎたけど(笑)。
この試合は,先頃37歳の若さで亡くなった木村拓哉元コーチの追悼試合だった。ジャイアンツファンの僕も,この試合だけはどちらが勝ってもいいと思っていた。というのも,木村元コーチは広島東洋カープで11年間も活躍し,何といってもこのチームが古巣だからである。2対2の同点から広島が1点勝ち越して迎えた8回裏,1アウト2,3塁の場面で,新人の長野選手,その後にはベテランの谷選手が代打で控えていた。僕は長野選手は良い選手だと思っているが,新人でもあるし,広島の高橋投手はこの長野選手と勝負するとばかり考えていた。ところが,高橋投手は1塁が空いていたためこの長野を敬遠し,その後に控えている谷選手との勝負を選んだ(この判断はベンチワークだと思うけど)。谷選手は「新人を歩かせて俺と勝負か」と内心メラメラと燃えていたと思う。バッターボックスに入る谷選手の表情も厳しかった。そして,何と,・・・・・谷選手は見事に代打逆転満塁ホームランを打ったのである!
最終的にはこの試合は7対4で巨人が勝利したが,とても見応えのある良い追悼試合であった。試合後のヒーローインタビューで,谷選手は,木村拓哉さんのことで胸に迫り,感極まって泣いていた。こういう試合で劇的なホームランを打てたことがよほど嬉しかったのだろうし,木村拓哉さんの早すぎる死がよほど悲しかったのであろう。感動的なシーンであった。試合後は,始球式でも投球した木村さんの息子さんを,涙をこらえながら抱きしめてウイニングボールを手渡したという。
あと,原監督もいいねぇ。選手が活躍した時はチームメイト以上の喜びを全身で表している。これは自然な振る舞いだろうが,選手の士気を鼓舞する良い結果となっている。セ・リーグのペナント4連覇は間違いないだろう(笑)。
これはサッカーに限られた話ではないのだろうが,監督には修正能力というものが要求されていると思う。これがないと監督としては実績が上げられないであろう。今の名古屋グランパスが引きずっている問題は,中盤が機能しているとは言えない状況と,それだからこそ流れの中で得点できていないということ,そして勝負強さに欠けるということである。ストイコビッチ監督は,タレントを揃えてあとは彼らのスキルに任せているかのように僕の眼には映ってしまう。
ある試合で露呈した問題点,そしてここ数試合の内容を分析して指摘できる傾向,問題点などは,やはりこれを有効に修正していかなければならない。それができているとは到底思えないのが,土曜日(4月17日)の新潟アルビレックス戦と昨日(4月21日)のサンフレッチェ広島戦である。前者は1-1の引き分け,後者は0-1の敗戦である。本当ならば,「(前線への機敏な動き出しとパスのつながりなどを見て)あぁ,戦術の共通理解,約束事が練習どおり実行されているな。」と感心したいのである。でも,それがない。それに相手選手へのチェックが甘く,ジリジリと最終ラインを下げているし,こぼれ球へのどん欲さにも欠けている(こぼれ球は相手選手が拾うシーンが多い)。中盤では,前を向いてプレーせず,横にパスしたり,最終ラインに戻したりというのが結構多い。本当は,相手チームのDFをきりきり舞いさせるような速攻を期待したいのである。勝負強さに欠けるといったが,ここんとこ2試合はいずれも終了間際に得点を決められている。
僕は名古屋グランパスを一貫して応援してきたが,最近の数試合を観ていて,仮に試合に勝ったとしても勝利に値すると胸を張って言える試合がない。監督は,やはり何が問題なのかを認識して,修正していかないといけない。かつてのアーセン・ベンゲル監督は,終わった試合のビデオを何度も何度も見て問題点を認識し,これを選手に告知,理解させて練習で徹底して修正していった。この監督は,次に対戦する相手チームの試合のビデオを見て研究し,事前に有効な対策まで練っていたという。監督に要求されるのはこういう能力と意欲ではないだろうか。ベンゲル氏が名古屋の監督に就任する前にジャック・ティベールという評論家がベンゲル氏の紹介記事を書いていたのを読んだが,その賢さを強調していた。名古屋の監督就任直後には,連敗などして苦労もしていたが,その後は見事なチーム作りに成功した。持ち前の修正能力を発揮したのである。
J1では18チームが相争うのであり,名古屋グランパスは現在勝ち点13を上げて3位の位置に付けている(4勝1分け2敗)。順位的には優勝争いができるし,戦力も充実しており,期待している。だからこそ,ストイコビッチ監督には是非とも修正能力を発揮してもらいたいのである。
3日ほど完全にお酒を止めていたら,割りと体調も良く,体重も僅かながら減った。前にもこのブログで書いたが,僕は非常に分かりやすい体なのだ。「酒は百薬の長」と言うから,適量だったらむしろ血行が良くなったり,よく眠れたりするから薬になる。だけど,飲んでて楽しかったり興が乗ったりすると,つい量が過ぎてしまう。しかも僕の場合はつまみがないと飲めないので,やはり太ってしまうのだ。お酒もほどほどにして標準体重に戻そうと思う。
それにしても,昨日のジャイアンツは情けない。本拠地東京ドームで3回までに6対0でリードしていたのに,その後がいけない。要するに打線がせっかく頑張っているのに,投手がだめなのだ。不用意な投球,だから連続してホームランを打たれ,あっという間にリードが3点になる。代わった投手はというと,最初の打者には全くストライクを取れずにストレートの四球を与え,その直後に2ランホームランを簡単に打たれ,これまたあっという間に1点差になる始末。最終的には逆転負けを喫した訳である。打線が頑張って7点取っても,相手に9点も取られちゃ・・・。今年はグライシンガーも一軍登録できないし,投手陣に不安がある。
ついでに言わせてもらうと,名古屋グランパスは現在4勝1敗,勝ち点12で4位につけている。得点10,失点4(得失点差6)というのも評価できる。しかも,グランパスはサンフレッチェ広島と共に,現時点では他チームより消化試合が1試合少ないため,潜在的にはもっと上位にいると言ってもいい。しかし,しかしだ。試合内容を見ていると,やはり本当に強いのかという疑問がある。ここんとこ,3試合連続で2-0で勝利し,無失点で抑えていることは評価できるとしても,中盤を機能させているとは思えないし,流れの中での得点が少ない。例えば,ジュビロ磐田戦の開始早々のブルザノビッチの約70メートルのロングシュートは風に乗った幸運なものだったし,リーグ戦のその次のヴィッセル神戸戦の2得点もいずれもブルザノビッチのフリーキックがゴールに結びついたものだった。さらにその次の京都サンガFC戦の2得点のうちの1点はやはりセットプレーからの得点である。流れの中で得点できていないことが気になるのである。試合後の闘莉王のコメントも,今のグランパスには課題も多く,必ずしも試合内容に満足はしていないというものだった。年間王者を目指して是非修正してもらいたい。
読売巨人軍の木村拓哉内野守備走塁コーチが急逝した。誠に残念である。37歳で鬼籍に入ることになろうとは・・・。記者会見で原監督は涙を流していたし,グラウンドでは阿部慎之助主将ら多くの選手がアンダーシャツや帽子で涙をぬぐっていた。その人柄が偲ばれるし,プロ野球選手として尊敬を集めていたこともうかがえる。
選手とコーチとでは当然に立場も異なるし,中間管理職としての苦悩もあったのかもしれない。野球に真摯に向き合い,よりよい仕事をしようという意識が高いだけプレッシャーもあったであろう。ネットで見た写真のうち,木村コーチが広島カープの現役選手だった頃,グラウンド上で長嶋茂雄巨人軍元監督のアドバイスを受けている様子を写したものがあった。その写真の長嶋元監督の表情は愛情に溢れ,一方の木村選手はヘルメットを取り,ほぼ直立不動の姿勢で熱心かつ真摯に長嶋さんの話に聞き入っていた。木村コーチはそういう選手だったのだ。ジャイアンツに移ってからの木村選手の活躍振り,時には捕手もやり,確実に犠打をこなし,俊足をとばしていたあの姿は記憶に残っている。心からご冥福をお祈りする。
吉田兼好の徒然草の第155段には,次のような文章がある。
「死期(しご)は序を待たず。死は前よりしも來らず、かねて後(うしろ)に迫れり。人みな死ある事を知りて、待つ事しかも急ならざるに、覺えずして來る。沖の干潟遥かなれども、磯より潮の滿つるが如し。」
これは,春夏秋冬の四季には順序があるけれども,死期には順番がない。死というものは前から来るとばかり思っているが,実は人が気づかないうちに後ろから迫っている。死が迫っているのを知らないうちに死は突然やってくるのである。沖の干潟は遥か遠くに見えるけれど,気づいてみたら足もとの磯から潮が満ちてくるようなものである,というほどの意味だそうだ。いつ死んでもいいような人生,仕事も立派にやり,生活も十分に楽しむような人生を送りたいものである。
わが読売巨人軍は,開幕戦こそ勝利したが,その後2連敗。ようやく昨日勝って2勝2敗の五分になった。本当は2戦目のゴンザレス投手の試合で勝って勢いに乗りたかったところだけど,ちょっと力んでしまったみたいだ。それに,まだ打線に爆発力が感じられない。・・・でも,何しろシーズンは長丁場だからどうということはない。巨人には,セ・リーグ4連覇,日本一2連覇を目指して頑張ってもらいたい。このプロ野球は,やはり世界に誇る日本の文化の一つである。球場などでビールを飲みながら観戦していると,ほのぼのとした気分になるし,その治安の良さといい,日本人に生まれて本当に良かったなと実感するのである。
僕が生まれて初めてプロ野球を観戦したのは,確か10歳ころだったと思う。今は亡き父に連れて行ってもらった。当時は中日球場という名前で,その試合は中日ドラゴンズ対産経アトムズだった。産経アトムズというのは今のヤクルトスワローズの前身である。産経アトムズなんて今の若い人は当然知らない訳で,僕がどんだけ年寄りなのかがバレバレである(笑)。初めてプロ野球を観戦したこの試合のことで覚えていることは,3つほどある。1つは,父が連れて行ってくれるという約束は数日前からしていて,僕は気も狂わんばかりに楽しみにしていた。今にして思えば,父はすごく僕を可愛がってくれていた。ところが,父の仕事の関係で行くことができるかどうか危うくなっていた。・・・・父は仕事からなかなか帰ってこない。僕は諦めてベッドで泣きながら,涙を目元に溜ながら横になっていた。いつの間にか寝てしまっていたが,急に揺り動かされ,「しげる,行くぞ!」という父の声で目覚めた。それからは有頂天で球場に向かったのだ。
覚えていることの2つ目は,産経アトムズというチームは,その当時,ロバーツ,ジャクソンという2人の強力な黒人選手がいて,途方もなく威圧感があった。この2人はその試合でも活躍したことを覚えている。この日は確かダブルヘッダーだったと記憶しているが,勝敗は今となっては覚えていない。
覚えていることの3つ目は,球場で買い求めた選手名鑑のようなものの表紙が中日ドラゴンズの高木守道選手であり,当時はすごくカッコ良かったということだ。守備も堅く,軽快でやはり一流選手だった。
このように父と一緒に観戦したこの試合が僕のプロ野球体験の初めだった。話は変わるが,この当時は「産経」というのが一体何なのか子どもの僕には全く分からなかった。実は,そう,ご存知,産経新聞なのだ。それから数十年経った今,僕はこの産経新聞は,メディアとして非常に良い仕事をしていると思っている。はっきり申し上げて,社会の木鐸として評価できるメディアは,現在ではこの産経新聞のみであるとさえ思える。先日も産経新聞は,中国資本が日本の水源地の買収活動をしており,危機感をもった林野庁が事実調査に入ったという記事を掲載していた。また,選択的夫婦別姓法案に関する「未来予想図 選択的夫婦別姓(上),(中),(下)」の記事もグッジョブである。産経新聞がかつてのようにプロ野球の球団をもったら,巨人と同じくらい応援するのにな(笑)。