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弁護士ブログ

2022/08/17

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前回の続きです(笑)。私が前回のブログ内容のようなことを書きますと,「お前のような奴を歴史修正主義者(ヒストリカル・リビジョニスト)というのだ。全く反省というものが足りない!」などとお叱りを受けるのかもしれません。

 

でも,修正したとしてお叱りを受ける,その修正前の歴史こそ「東京裁判史観」ですよね。果たして「東京裁判史観」というものは無謬性を有する,そして全世界の人々がこれにひれ伏さなければならないような「正史」なのでしょうか。歴史の観方というものは,もともと,そして究極的には各国の立場によって様々なのです。韓国や中国の歴史教科書で展開されている内容はもうお話にならないほどメチャクチャです。そして,いわゆる「東京裁判史観」についても,言ってみれば「戦勝国史観」に過ぎないのだと思います。

 

「世界がさばく東京裁判」(佐藤和男監修,明成社)という本はお薦めですよ(笑)。必読書と言ってもよいと思います。この本は,14か国の高名な識者85人が連合国の戦争責任を追及し,東京裁判を理論的に批判しており,とても腹に落ちる内容です。

 

この本の序文を寄せた加瀬俊一さんの言葉を借りれば,「日ソ中立条約に違反して満州に侵攻し、虐殺略奪をほしいままにしたソ連には明らかに日本を裁く資格は皆無である。また、六十六都市を無差別爆撃して四十万の非戦闘員を殺戮したうえ、日本が終戦を模索していることを知りながら、原爆を投下したのは、天人ともに許さざる重大な国際法違反である。」わけです。

 

東京裁判の判事11名について言いますと,国際法の知識はおろか法律学一般の素養さえも十分ではないと危惧される者が少なくなく,厳密な意味で法律学者といえるのはインドのパール判事とオランダのレーリンク判事のたった2人だけでした。そして,全任務が終了して帰国するに際してレーリンク判事が挨拶のためにウィロビー判事(アメリカの将軍)を訪ねた際,ウィロビー判事(将軍)は「この裁判(東京裁判)は、有史このかた最悪の偽善であった。」と語り,さらにこの種の裁判が行われる以上,自分の息子には軍務に就くことを許さないと述べたそうです。ウィロビーが言わんとしたのは,日本が開戦直前に置かれたような状況にもしアメリカが置かれたなら、アメリカとても日本と同様に戦争を遂行しただろうし,その結果敗戦したら重要な責任ある地位にあった軍人が戦争犯罪人として裁かれるのは許しがたいということなのです。

 

「もっとも連合国側にも、自分たちの戦争責任を不問に付したまま敵国だけを裁く-その欺瞞性に煩悶した公正な識者たちが少なからずいた。彼らは『なぜ被告席に座るのが敗戦国のドイツ人や日本人だけなのか。裁く自分たちの手は汚れていないのか』という問いを発することで、戦争裁判が掲げた『正義』、つまり連合国の、勝者の『正義』に強い疑問を投げかけたのである。」(同著107頁)。

 

東京裁判の前提となった「極東国際軍事裁判所条例」は決して国際法に基づくものではなかった訳ですし,いわゆる「A級戦犯」は「平和に対する罪」を犯したという訴因で起訴された訳ですが,そもそも「平和に対する罪」なるものは事後法なのであり,本来であれば事後法で裁かれ,死刑を宣告され,これを執行するなどといったことは到底許容されないものでしょう。

 

アメリカ連邦最高裁判所のW・O・ダグラス判事は,この東京裁判について「極東国際軍事裁判所は、裁判所の設立者から法を与えられたものであり、申立人の権利を国際法に基づいて審査できる自由かつ独立の裁判所ではなかった。それ故に、パール判事が述べたように、同裁判所は司法的な法廷ではなかった。それは、政治権力の道具に過ぎなかった。」と述べています。

 

くどいようですが,「世界がさばく東京裁判」(佐藤和男監修,明成社)という本はお薦めですよ(笑)。眼からウロコですよ。いわゆる「東京裁判史観」なるものを今一度見直してみるというのはどうですか。私はあらかた見直しました。ですから,「歴史修正主義者(ヒストリカル・リビジョニスト)」などと,どれだけ罵られようと全く平気なのです。

・・・(いささかくどいですが,つづく)・・・


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