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弁護士ブログ

2022/08/15

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第二次世界大戦(大東亜戦争)が終結してもう77年もの長い年月が経ちますか・・・。私の伯父(亡き父の兄)もビルマの戦線で戦死しました。身内ながらとても優秀な方だったと聞いております。私も東京へ出張などする際には,時間があればできるだけ靖国神社を参拝しようと思っておりますが,うちのカミさんや娘と一緒に最後に参拝できたのはもうかなり前のことになります。

 

さて,これはいつも思うことなのですが,毎年終戦記念日の前後にマスコミ,特にテレビが流す情報にはいつも違和感を覚えております。その報道姿勢は,完全に「東京裁判史観」に立脚し,とにかく日本という国が一方的に悪い事をし,アジアをはじめとする諸外国に多大の惨禍をもたらしてしまった,日本は愚かにも国策を誤ったのだ,一部の戦争指導者(責任者)に日本国民は騙されて不本意な戦争に駆り出されたなどといった史観が前提になっていることが窺えるのです。

 

確かにある意味でそういう一面はあったかもしれませんが,果たしてそれだけで総括できるようなものなのでしょうか。マスコミの報道姿勢は,当時日本という国,そして日本人が置かれていた切羽詰まった状況に対してあまりにも無理解であり,GHQがこれにより徹底して戦後の日本国民を洗脳したWGIP(ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム)に現在に至っても毒されたままであると言わざるを得ません。

 

当時日本という国,そして日本人が置かれていた状況に対してあまりにも無理解であるといいましたが,それは何とか「裏口からの参戦」を企図していたフランクリン・デラノ・ルーズベルトらの挑発,コミンテルンのスパイ(共産主義者)がアメリカや日本の政権中枢を巣食い,日本資産の凍結,鉄や石油の完全禁輸,いわゆるハル・ノートの突きつけなどによって次第に日本という国を追い詰めていって,日本に何とか一撃を打たせよう(真珠湾攻撃)としていたことなどの当時の国際的な背景事情に触れていないということです。

 

あの当時,そのような背景事情の下で,日本の為政者や軍部,国民,マスコミなどに対して,もっと合理的な選択をすべきであったなどと追及するのは極めて酷な話です。そして,日本国民は軍部らに騙されて戦争に駆り出された愚かで哀れな存在だったというのは全く当たらず,その当時どの国民も自分の愛する家族,同胞・民族,国を守るために戦わなければならないという純粋な気持ちで団結していたのだと思います。

 

時代が下った後世,平和を享受し,衣食住足りている人たちが,訳知り顔で,当時の日本の為政者ら,そして国民について,「もっと合理的に政治判断をすべきだっただろう。もっと冷静に行動すべきだっただろう。」などと一方的に断罪するのは極めて浅はかだと思うのです。終戦記念日に垂れ流されるテレビの番組を見ていますと,もう少し多面的で,本質的で,公正な報道姿勢をとれと言いたい。

 

戦前,戦中,戦後に生きた評論家小林秀雄は,かつて次のように発言しています。

 

「僕は政治的には無智な一国民として事変に処した。黙って処した。それについて今は何の後悔もしていない。大事変が終った時には、必ず若しかくかくだったら事変は起らなかったろう、事変はこんな風にはならなかったろうという議論が起る。必然というものに対する人間の復讐だ。はかない復讐だ。この大戦争は一部の人達の無智と野心とから起ったか、それさえなければ、起らなかったか。どうも僕にはそんなお目出度い歴史観は持てないよ。僕は歴史の必然性というものをもっと恐しいものと考えている。僕は無智だから反省なぞしない。利巧な奴はたんと反省してみるがいいじゃないか。」

 

知の巨人,小林秀雄はこのように嘆きつつ事の本質を見事に喝破したのです。私はこの論に非常な共感を覚えるのです。また,適菜収という方のブログでは,この小林秀雄の発言について「非常に有名な言葉だが、別に小林は戦争や軍国主義を肯定したわけではない。歴史を後から裁断する人間の傲慢さ、みっともなさを指摘しただけである。」と評しておりますが,これも同感できます。

・・・(つづく)・・・

 


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