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2011/11/11

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 野田首相は,「『失われた20年』の経済状況を立て直すにはTPPの交渉に参加するしかない」と述べました。うすうす感じておりましたが,どうやらこの人物は物事を深く考える能力がないようです。一国の首相であれば,財務省の走狗に成り下がってしまうのではなく,この20年間,日本経済がガタガタになってしまった経過と原因について本気で勉強すべきでしょう。一つの見識を示したものに「平成経済20年史」(紺谷典子著,幻冬社新書)という本があります。「『失われた20年』の経済状況を立て直すにはTPPの交渉に参加するしかない」などと言いますが,そもそもこの記録的な円高の嵐の中で,どうやって輸出を伸ばすんですか。今本当にやらなければならないことは,デフレ脱却と効果的で実効性のある円高対策でしょう。

 

 どうやら,TPP推進論者の構成を分析してみると,①経団連の米倉会長らのように関税障壁や非関税障壁の可及的な撤廃によって自社が儲かるぞと目論んでいる政商のような方々,②TPPに参加すれば,安全保障面で「宗主国」であるアメリカが軍事的にもっともっと日本を守ってくれるようになるぞという「幻想」を抱いている方々,③「平成の開国」というチャッチフレーズの下,「バスに乗り遅れるな」,「このままだと日本は世界の孤児になってしまう」というワンフレーズに漠然と危機感を覚え,付和雷同しようとしている方々の3種類に分類できるような気がします(笑)。

 

 ①の政商のような方々はともかくとして,有効な円高対策を高じなければ輸出など伸びません。それに,日本が交渉に参加するとして,参加(予定)10か国のGDPのシェアはアメリカや約7割,日本が約2割で,この2か国で約9割に達しているのですよ。ですから,TPPといっても実質的には日米FTAなのです。そのアメリカは輸出倍増計画で自国の貿易赤字を極力減らし,雇用を極力増やそうとしています。アメリカの雇用が増えるということは,日本の雇用が失われるということです。今,米韓FTAの批准で韓国の国会がすごいことになっているのは,韓国が「不平等条約」を飲まされたからです(笑)。少なくとも今後,日本のアメリカに対する貿易黒字がさらにどんどん伸びる素地がないじゃありませんか。それにTPPで「アジアの需要を取り込め」などといい加減な連中がほざいておりますが,そのTPPに中国や韓国,インドネシアなどは参加しているんですか?

 

 ②については,論外です。財政的にアメリカは今後はそれどころではないし,何よりも,自分の国を自分で守ろうともしない国のために血を流してはくれません。あまりにも当然のことです。日米安全保障条約と日米同盟の下で,今後日本は自主防衛への道程に臨むべきでしょう。

 

 ③については,かつての小泉政権下の選挙で,有権者の多くは,「構造改革」,「規制緩和」,「民でできることは民で」,「グローバリズム」,「抵抗勢力」などの言葉に幻惑され,いわゆる劇場型選挙がなされました(マスゴミ,いやマスコミもそれを扇動しました)。小泉政権下の「構造改革」については様々な評価がありますが,結果的には,アメリカのハゲタカファンドが丸儲けをし,グローバリズムの名の下で日本の金融機関にも外資が進出し,駅前の商店街は閉められたシャッターばかり,所得格差が広がり,非正規雇用の割合も激増しました。今回のTPPも「平成の開国」などといったワンフレーズに惑わされてはいけません。いわゆる混合診療もテーマに上がるでしょうし,アメリカは,今度は郵政民営化後の「簡保」や農協の「共済」を狙っているのでしょう。

 

 最後に,アメリカは勿論,ドイツもイギリスもフランスも穀物自給率は100%以上かそれに近い水準を確保しております。日本は,高付加価値の商品作物(野菜や果物)だけを作っていれば良いということにはなりません。カロリーベースでの穀物自給率を高めることは,正に食の安全保障なのです。食えなければ国を守れません。将来,食料面で「ABCD包囲網」をやられてしまったらどうなりますか。農業だけが悪者になっているようですが,交渉テーマは21ほどもあります。農業だけではないのです。それに,非関税障壁部分での規制撤廃,緩和もゴリ押されるでしょう。食の安全などにも影響してきます。それに,あの,ISD条項は・・・。TPP推進論者は,農業の効率化,体力強化を図るきっかけになると言っておりますが,具体的にはどんな方策を描いているのでしょうか。

 

 本当に最後になりますが,これは交渉に参加するだけである,ダメだったら離脱すればいいではないかという論があります。TPPというのは,交渉当事国も多く,国際的な協定締結交渉です。隣町の寄り合いの会合にちょっと顔を出してくるわといった安易なものではありません。国益をかけての交渉なのです。今の民主党政権,国益を国益とも感じない売国奴然としていては国益は守れませんし,離脱する勇気すらないでしょう。アメリカはかつて,先進国レベルで米国流の投資ルールをグローバル化しようと考え,1995年からOECDの場でMAI(多国間投資協定)の成立を目指しましたが,1998年にアメリカの意図に不審を抱いたフランスが協議から離脱したため,そのMAI構想も頓挫しました。また,アメリカは,今度はFTAA(米州自由貿易地域)を呼びかけることによって,米国ルールのグローバル化を南アメリカ大陸に拡大しようとしましたが,2003年,ブラジルなどが強く反発して失敗に終わったという歴史があります。日本の国益を守るという観点から,こんな民主党政権で,このような毅然とした離脱,反対をする勇気と覚悟があるのでしょうか。

 

 本当に困ったものです。

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