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弁護士ブログ

2010/03/02

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 毎朝歩いて通勤していると,たまに鳩と雀がそれぞれ数匹ずつ仲良く何かをついばみながら集まっているのを見かける。可愛いし,無邪気だなあと思う。思わず足を止めてしまうのだ。こういう小さな可愛らしい動物も,いつも人間と共存し,いつも生活の中に登場してくれるような良好な環境を維持していかなければならない。

 

 ところでこの国は,現在のところ鳩と名の付く人が,何とまあ総理大臣までやってしまっている。この人の今までの無定見かつ軽い言動を見ていると,この鳩と名の付く人が自ら何かを発言しても,3歩ほど歩いたらもうその発言自体を忘れているという極めて特殊な能力を持っていると思わせる。類い希である。

 

 一方,この人が国益を害してまでそれとの連立維持を図ろうとしている社民党という政党は,もうどうしようもない。この政党は,米軍海兵隊普天間基地移設問題で,相当に的外れな考え方に基づいて行動している。一言で言うと,安全保障(国防)のために必要な基地を,あたかもゴミ処理場などの嫌忌施設か何かのように考えているフシがある。この移設問題が10数年にわたって検討に検討が重ねられてきたのは,確かに普天間地区の危険を除去するためである。しかし,社民党が当初あれだけ固執していたグアムに米軍海兵隊が将来全部移転してしまったら,日本一国で有事に対応できるのであろうか。今ある普天間基地の機能をもった施設が完全に国外に移転してしまったら,有事即応の体制がとれるのだろうか。フィリピンのクラーク空軍基地とスービック海軍基地から米軍が全面的に撤退した直後に,中国が「領海法」を公布してフィリピンらがその領有権を主張していた南沙諸島を実効支配し始めた現実を知っているのか。グアムの現地の首長から,社民党の主張するような移設は無理だと言われ,ようやくこの社民党も現在では国内案をアチコチ主張し始めたが,非現実的なものばかりであろう。要するに,安全保障(国防)の実効性を確保しつつ,普天間地区の危険性を除去する現行案のような現実的な案に落ち着かざるを得ないのである。

 

 それにしても,民主党がマニフェストには書いていなかった「永住外国人地方参政権付与法案」,「選択的夫婦別姓法案」などについて,とりわけ熱心に推進しているのが社民党の福島みずほという党首だし,千葉景子という法務大臣である。この千葉という人も元はといえば社民党出身である。「永住外国人地方参政権付与法案」については国民の相当多くが反対であると思われるし,「選択的夫婦別姓法案」についても国民の半分ほどは反対していると思われる。それなのに,この両案とも,マスコミなどを通じて国民的な議論がなされたのであろうか。それに民主党内でも綿密な議論がなされたフシはない。というのも,小沢幹事長が韓国訪問の際,「永住外国人地方参政権付与法案」を通すことを韓国に半ば「公約」したことからも分かるとおり,同党の首脳陣が挙って賛成派だからであろう。

 

 民主党はこれらの法案については,その政策集(インデックス)には書いてあったのに,マニフェストからは外した。ことさら外したという印象が強く,国民的合意が得られないことを知っていたからであろう。そのことを知っているからこそ,衆議院に300を超える議席を得たことをいいことに,予算成立後にドサクサに紛れてごり押しで成立させてしまえという構えだったのだろう。「永住外国人地方参政権付与法案」については,亀井静香大臣の反対などで何とか政府提出としての形式は断念したかのようだが,今度は民主党参議院議員の川上義博らが中心となっての議員立法が企図されているようだ。

 

 「選択的夫婦別姓法案」については現実に提出される可能性が高いと言われている。アンケートによると,これについても国民の約半分は反対しているというのに。この法案の賛成者らの論拠は,いずれも説得力がない。婚姻の時はいいとしても,現実に子供が生まれた時,どちらの姓を名乗らせるかについて夫婦間で円満に合意に達するのであろうか。その時点で揉めてしまい,夫婦の心の奥底ではその問題がわだかまりとならないであろうか。夫婦別姓制度を採用している国では,離婚率の高さが指摘されている。家庭,家族の一体性が損なわれる。子供はいい迷惑である。

 

 いやー,この政権は実に恐ろしい。

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