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弁護士ブログ

2023/06/06

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いや,もちろん専門外ですので雀(すずめ)について学術的なことを書こうというのではありません。以前にもこのブログでも書いたのですが,私は昔から雀という鳥が大好きなのです。鳥の中では一番好き。好き嫌いは理屈抜きなところがありますが,その理由を端的に言いますとただ一言,可愛いからです。

 

毎朝読んでいる産経新聞には,「朝晴れエッセー」というコーナーがあって,先日雀のことに触れた何やらほっこりするエッセーに目が留まりました。要約してしまうとその文章の良さがかなり減殺されてしまうのですが,次のようなものでした。

 

ある高齢の女性が夕方の買い物帰りの途上,ウーバーイーツ配達のお兄さんが道路にしゃがみこんでいた。よく見ると,小さな雀を手にしてその頭を優しく撫でていた。どうやらそのお兄さんは,道路の真ん中でその雀が動かなくなっていたので心配して手に取った。その高齢女性も気になって,そのお兄さんと話し合ってその雀に水でも飲ませてあげようということになり,女性が水を買いにコンビニまで走って調達して戻ってきたら,既にその雀はお兄さんの手から羽ばたいて去っていた。

 

こんな風に小動物にごく自然に愛情を注ぐことのできる心の余裕が欲しいものです。

 

雀ですぐに思い出すのが,木村緑平という医師であり,自由律俳句を作り,あの漂泊の俳人種田山頭火を支え続けた彼の心の友です。何より,この木村緑平という人はとにかく雀が好きで,雀の句だけでも三千句以上を作り,師匠の荻原井泉水を困らせたという人です。

 

この木村緑平という人は,長崎医学専門学校(現.長崎大学医学部)を出て医師になり,昭和初期から,炭鉱景気に沸く筑豊炭鉱で働く労働者の医療に携わり,自由律俳句誌「層雲」を通じて種田山頭火と知り合う訳です。緑平は無銭飲食をした山頭火の身元引受人になったり,遠方から金銭の無心をされても快く山頭火に送金したり,漂泊の旅の途中に十数回にわたって自宅を訪れた山頭火を温かく迎え入れ,物心共に彼を支えた心の友だった。山頭火がいかに緑平に心を許し,信頼していたかは次のような件(くだり)でもよく分かりますし,自分の日記数十冊を緑平に託したことからも分かります。

 

「名残り惜しい別れ、緑平よ、あんたのあたゝかさはやがてわたしのあたゝかさとなってゐる。晴れて曇り、行程六里、心身不調、疲労困憊、やうやくにして行橋の糀屋といふ木賃宿に泊まったが、こゝもよい宿だった。アルコールの力を借りて、ぐっすり睡ることができた。そのアルコールは緑平老のなさけ。」(行乞記・昭和8年6月8日)

 

医師として地域医療に貢献し,句友を物心両面で支え,長きにわたって妻の介護をして優しく看取り,雀をこよなく愛して清貧に生きる。素晴らしいではありませんか。緑平の旧宅跡地も現存し,柳川市などには句碑もあるということですので,いつかは旅で訪れたいものです。そういうの,私は好きでしてね。以前私は,家族と一緒に,長野県の伊那市まで井上井月の句碑や墓を訪れたこともありました。

 

「雨降る子のそばに親の雀がきてゐる」

「うまいことしてゐらあ雀水あびてゐらあ」

「雀生れてゐる花の下を掃く」

「かくれん坊の雀の尻が草から出てゐる」

「香春へ日が出る雀の子みんな東に向く」(緑平)

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