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弁護士ブログ

2015/12/01

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  その世界から引退されたのが昭和38年ですから,私がまだ小学校に上がる前のことです。私はまだ幼く,原節子という女優の現役時代を知りませんから,まさに「伝説の大女優」だったのです。その原節子さんが今年の9月5日に95歳で亡くなられました。

 

 新聞などでその現役時代のお姿に接しますと,本当に美しい女優さんだったのだなとつくづく思います。11月27日の産経新聞の「産経抄」には,作家の片岡義男さんの思い出が紹介されていました。片岡さんが中学3年生のとき,東京都内の私鉄車内で現役時代の原節子さんに遭遇したそうです。原さんはつり革につかまって文庫本を読んでいた。座っていた片岡さんは,ポスターで知る大女優に席を譲ろうとしたところ,原さんは「私はいいから、あちらのかたにすわっていただきましょうね。」と,少し離れたところにいた老婦人に声をかけた。並んで立つことになった片岡さんは,笑顔とともに,こんな言葉をかけられたといいます。「坊やはお利口なのね」(「原節子のすべて」,新潮社)。

 

 こういうやり取りもそうですが,原さんの使う日本語は本当に美しかったと言われています。大変な読書家だったようで,好きな作家はドストエフスキーとトルストイだとインタビューに答えてもおり,ご親族などそれまで接してきた方々の影響だけでなく,このような読書もその美しい日本語の源泉になっていたのではないでしょうか。

 

 それにしても42歳の若さで,しかもトップスターの座から突如として潔く引退し,その後はあたかも隠遁者のように世間からも完全に身を引く・・・。スウェーデン出身のあのグレタ・ガルボという美貌の大女優もこれと似たような潔い身の引き方でした。いずれの女優も,あれだけの美貌と演技力,人気があった訳ですから,年齢を重ねたら重ねたで,それこそ味わい深い演技ができたでしょうに。なぜなのか。極めて浅薄な見方かもしれませんが,ほんの少しは老醜に対する怖れがあったのか・・・。釈迦(ブッダ)が出家した動機を説明するものとして「四門出遊」の故事があり,そのうち東門から出た時に遭遇した老人の姿を見て人間誰しも老いは避けられないと悟ったという場面がありますが,そんなことを思い浮かべてみたりもしました。

 

 原節子さんは小津安二郎監督が亡くなってほどなくして引退されていますが,その小津監督は原節子という女優を評して「原さんほど役柄に対する理解が深く、知性や教養があらわれる演技ができる人はいない。彼女が〝大根〟のような演技をしたとすれば、それは監督の方が悪いのだ」との言葉を残しています。

 

 どこかの映画館で「東京物語」など原節子さんの映画の追悼上演がやっていないかしら。すぐにでも観に行きたいと思いますし,「新潮45特別編集 原節子のすべて」(新潮社)を買って読んでみようと思います。合掌。

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