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弁護士ブログ

2014/07/04

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 かなり前のことになりますが,このブログでも現在の法曹養成システムのうち弁護士養成のそれは既に破綻に近くなっていることを指摘したことがあります。法曹というのは裁判官,検察官,弁護士のことを指します。今の司法試験制度は,原則として法科大学院(ロースクール)を修了した人にしか受験資格が与えられておりません。しかし受験できるルートがそれだけですと,高額な法科大学院の授業料を支払うことのできる比較的裕福な人しか司法試験を目指すことができなくなります。そこで,予備試験という制度が新設され,この予備試験に合格すれば法科大学院を修了しなくても司法試験の受験資格が与えられます。

 

 要するに現在の司法試験は,法科大学院修了者と予備試験合格者に受験資格が与えられ,山の頂上に至るには法科大学院(原則)と予備試験(例外)という2つのルートがあるという訳です。ところが,文部科学省の集計によりますと,来春の法科大学院の予定定員総数は3175人で,ピーク時の5825人から約45%減少という状況で,かつて74校あった法科大学院は募集停止が相次ぎ,来年度に学生募集するのは54校に過ぎません。しかも今春の入学状況はというと,募集した67校の定員計3809人に対し,入学したのは2272人であり,入学者が定員を下回ったのは91%に当たる61校で,そのうち44校は定員の半数にも満たなかったのです。志願者数自体も年々減っており,来年度も定員割れが相次ぐのは必至です(産経新聞)。

 

 一方,もう1つのルートである予備試験(現行の法曹養成システムでは「例外」と位置づけられているもの)については,今年の出願者は何と1万2622人で,初めて法科大学院の志願者数を上回ったのです。予備試験制度は経済的な事情などで法科大学院に通えない人のために設置された例外ルートですが,現役学生らが「近道」として受験する傾向が強まっており,2011年の制度導入以降その出願者は増え続けております。しかも司法試験の合格率はどの法科大学院よりも高いのです。私が昔に受験した旧司法試験はこの予備試験に近いシステムです。

 

 考えて見ますれば,グローバリズムやら新自由主義やら規制緩和やら,やたらに美辞麗句を並べ,弁護士を増やせば弁護士の法的ニーズも増えるはずだ,いや増やさなければならないという安易かつ机上の空論でスタートした現行の法曹養成システム・・・。従来の司法試験は5~600名程度の合格者でしたが,現在では2000名にまで激増しています。でも,司法試験に合格し,司法修習を修了したにもかかわらずどこにも就職できないという人たちがこれまた激増しています。このままだと弁護士という職業に魅力を感じることはできず,ひいては志願者数の減少と質の低下も大いに懸念されるのです。制度設計自体が誤っていたのです。

 

 もう既に完全に破綻しているのですよ。では法科大学院側は,学生を入れて何とか修了させたはいいけれど,修了者のその後の進路をちゃんと把握しているのでしょうか。文部科学省の調査によりますと,法科大学院修了者のうち,大学院側が進路を把握していない人が3割を超えているということが分かりました(産経新聞)。予備試験合格者の司法試験合格率とは違い,法科大学院修了者の合格率が低迷し,その修了後も法曹になれない人が多数いる中,就職先などの進路確保が急務になっており,文部科学省は法科大学院に対し,修了者をちゃんとフォローして支援を強化するよう求めている状況なのです。

 

 ただいずれにしても,昔のような司法試験制度ではなぜいけないのでしょうか。現行の法曹養成システムは少しどころか,完全に破綻していると言わざるを得ません。そのことに当局も気づいているはずなのに,一体全体何を考えているのでしょうか。「勇気ある撤退」が求められております。

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