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弁護士ブログ

2012/01/10

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 冬ですから寒いのは当たり前ですが,それにしても寒いですね。でも私は,道を歩いていて大きく鼻から空気を吸い込んだ時,鼻の奥が痛くなるほど冷たい,澄み切った,凛としたような空気の方が好きです。清々しい気分になるからです。

 

 新約聖書の使徒行伝第9章には,目から鱗(うろこ)が落ちる話があります。あることをきっかけとして急に物事の本質が分かるようになることの例えです。ユダヤ教徒でキリスト教に激しい敵意を燃やしていたサウロ(後の使徒パウロ)が,ダマスコに町の近くまで来たときに突如として天からの光を受けて目が見えなくなってしまいます。三日の後,今度は神の命を受けたアナニヤがサウロの上に手を置くと,急に目が見えるようになり,サウロは「目から鱗のようなものが落ちた」と言いました。

 

 さてさて,私は最近,マクロ経済の知識もなく,その素養もないにもかかわらず,今の日本の置かれているデフレ経済・超円高というどうしようもない現実に関心がありますし,危機感を抱いております。実際問題として,私は仕事柄いろいろな方々と接するのですが,事業者を取り巻く経営環境には非常に厳しいものがあるということをひしひしと感じます。日本の企業,従業員,店舗経営者などの元気がないのです。

 

 日本だけのようです,こんなデフレに陥っているのは・・。そして日本だけです,こんなに通貨高なのは・・。もう本気で何とかしなければならない時期に来ています。前置きが長くなりましたが,「デフレと超円高」(岩田規久男著,講談社現代新書)という本は実に素晴らしかったです。日本国民の皆様,是非とも全員がこの本を読んでください!赤ちゃんや幼児に対しては「読み聞かせ」をお願いいたします(笑)。素晴らしい本です。

 

 この本は,いわゆるバブル崩壊後の日本経済がなぜ世界で一国だけデフレ経済に陥っているのか,その具体的な原因は何だったのか,デフレが超円高を招くメカニズムはどういうものか,デフレ・超円高がなぜ日本という国にとって問題なのか,デフレ経済を脱却するにはどうすればよいのか,中央銀行たる日本銀行の本来の役割はどういうものか,これまでの日銀の職務怠慢にはどれほど罪深いものがあるか,などがよく分かります。正に,目から鱗が落ちる感じです。データに基づいていて論旨明快です。

 

この本の前書きからいくつかの文章を引用してみましょう。

 

「このように、デフレに加えて、円がどの通貨に対しても軒並み高騰したままでは、政府がどんな成長戦略を取ろうとも、日本経済が安定した成長を達成し、それを維持することは不可能である。」

 

「デフレと超円高は何よりも雇用を直撃する。・・・したがって,企業内潜在的失業者を加えた実質的な失業率は13%から14%にも達することになる。さらに、雇用は失業率だけでは測れないほど悪化している。・・・男性非正社員のうち36%は、これからの日本経済を担うべき15歳から34歳の若年層である。」

 

「成長戦略が成果を上げるためには、まず、デフレを止めなければならない。デフレを止めれば、円高も止まる。デフレと超円高を止めることができる唯一の機関は、政府ではなく、日本銀行である。これを逆に言えば、デフレと超円高をもたらしている真犯人は、日銀だということである。」

 

「本書は、日銀の金融政策をどのように変えれば、デフレと超円高から脱却して、雇用も、財政も、年金も大きく改善できるかを明らかにしようとするものである。とくに、本書で強調していることは、デフレ下の金融政策とは、人々の間におだやかなインフレ予想の形成を促すことによって、デフレと超円高から脱却する政策である、という点である。」

 

 民主党のバカな議員にはもうホトホト愛想が尽きましたから(もっとも私の場合は最初から全く評価しておりませんでしたが・・),せめて自由民主党,たちあがれ日本の議員の方々にはこの本を熟読してほしいと思います。

 

 あとは,「日銀は誰のものか」(中原伸之著,中央公論新社)という本も誠に素晴らしいようです。私は早速この本を注文しました。この本も,早く読みたくってしかたないですよ(笑)。

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