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弁護士ブログ

2010/05/20

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 さて,「他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス」(若泉敬著,文藝春秋)という本の続きである。この本は600ページを超えており,内容だけでなく分量的にも相当に読みごたえがあった。そして,読み終えてつくづく思うのは,著者の若泉敬は無私な愛国者だったのだろうなという正直な感想である。

 

 当時の佐藤栄作首相の意向を受け,タフ・ネゴシエーターのキッシンジャー大統領補佐官を相手に,日本の国益のためにギリギリの交渉を行った。その結果としての悲願の沖縄返還の達成と,有事の際の核持ち込みの密約の存在があった。彼がこの本を出そうとした動機は究極的には真実を書き遺すということだろうと思うが,この本の末尾の「新装版に寄せて」という一文を書いた外交ジャーナリストの手嶋龍一氏の指摘のとおり,「いまこそ密約のすべてを明らかにし,主権国家が持つべき矜持を忘れ果てた日本に覚醒を促したい」という側面があったのではないかと思う。このことは,本書中の次のような文章からも窺える(616頁)。

 

 「このような試煉に立つ歴史の一大変容期に直面している今日、経済的には自他ともに認める〝大国〟と成り上った日本および日本人は、果たして〝日本の理念〟を普遍的な言葉と気概をもって世界に提示できるのであろうか。より根源的には、いかなる価値観を拠り所に波風荒い大洋への〝海図なき航海〟に乗り出さんとしているのであろうか。ここで敢えて私の一片の赤心を吐露させて頂くならば、敗戦後半世紀の日本は「戦後復興」の名の下にひたすら物質金銭万能主義に走り、その結果、変わることなき鎖国心理の中でいわば〝愚者の楽園〟と化し、精神的、道義的、文化的に〝根無し草〟に堕してしまったのではないだろうか。もしもそうだとするならば、このような〝悲しむべき零落〟から再起し、国際社会での生存要件たるそれ相応の信頼と尊敬を受けるために、今の日本と日本人に求められている内なる核心的課題とは一体何なのであろうか。一言にして言うならば、それは、ホイットマンの魂の琴線を揺さぶり、〝世界的日本人〟新渡戸が一世紀近く前に訴えた、あの〝真の武士道〟の伝統に深く念いをいたし、それを明日の行動の指針とすることではないだろうか。そこには、衣食足って礼節を知り、義、勇、仁、誠、忠、名誉、克己といった普遍的な徳目が時空を超えて静かな輝きを放ち続けている。その不滅の光芒の中に、私は、戦陣に散り戦火に斃れた尊い犠牲者たちが、彼らの祖国とその未来を担う同胞に希って止まない「再独立の完成」と「自由自尊の顕現」を観るのである。」

 (さらに続く)

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