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弁護士ブログ

2023/10/10

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取りとめのない話題しか頭に思い浮かばない時は,タイトルは「雑感」となります(笑)。

 

私は,新聞は産経新聞を愛読しておりますが,産経新聞には「朝の詩(うた)」という詩のコーナー,「朝晴れエッセー」というエッセイのコーナーがあります。掲載されるのはいずれも読者から投稿された作品を選者が選んだものです。

 

これらのコーナーには目を通す朝とそうでない朝とがあったのですが,最近では記事を読む前に,自然とこれらのコーナーに目が行ってしまうようになりました。面白かったり,胸にじーんと来て感動したり,秀逸なもの,傑作が見い出されたりするのです。数日前の「朝の詩(うた)」のコーナーには,7歳の女の子の作品が掲載されていました。傑作だったので,紹介しましょう。

 

「あおいそら しろいくも うるさいおとうと」

 

疲れた時や小腹がすいた時などは,私も甘い物に手が伸びてしまいます。ケーキとか洋菓子(焼き菓子やクッキーなど),そして羊羹,大福,どら焼きなどは大好きなのですが,砂糖を多く含んだものを食べすぎるのは体に良くないようですね。最近では,せんべい系を好むようになりました。私は昔から「あられ六菓撰-をぐら山春秋」という米菓が好きで,先日もうちのカミさんがデパートで10袋入りを買って来てくれました。このお菓子は京都府長岡京市にある㈱小倉山荘が販売しているものです。

 

私は以前はこのお菓子をただ漫然とパクパク食べていただけでしたが,実は大変素晴らしい企画の商品だということが最近になって初めて気づきました。1袋の中には8種類の小さなあられが入っているのですが,これらが盛ってある透明のプラスチックのトレイの底には美しい字で小倉百人一首に登場する和歌が記されているのです。

 

誠に素晴らしい企画です。京都・嵯峨の小倉山は,藤原定家が「小倉百人一首」を編纂した地とされています。このブログを書き始めるちょっと前にもこのお菓子を食べたのですが,その小袋に入っていた透明のプラスチックのトレイの底には次の歌が記されていました。

 

「あけぬれば 暮るるものとは しりながら なほうらめしき 朝ぼらけかな   第五十二番 藤原道信朝臣」

 

中国・杭州で開かれていたアジア大会も閉幕しました。日本選手団,大変ご苦労様でした。よく頑張りました。それにしても女子サッカー決勝の日本対北朝鮮の試合開始前,日本の国歌「君が代」が流れている最中の中国観衆のブーイングや喧騒ぶりには不快感を覚えました。彼らはこういうことをして恥ずかしくないのでしょうか。恬として恥じない訳ですよ(笑)。民度の低さは100年前から大して変わっておりません。

 

また中国は相変わらず尖閣諸島付近での領海侵犯を繰り返しておりますし,処理水放出を政治化し,およそ国際社会でも支持されない非科学的な主張をして,日本の海産物を全面禁輸としております。まあ,日本としてもこの際に内需の強化,他に販路を求めるなどしてくれぐれも中国に依存することなどないように対策すればよいと思います。

 

中国漁船は相変わらず四方八方の海で魚の乱獲をしておりますが,北海道沖まで乱獲に来ております。同じ海域(北海道沖)で採れた魚でも,中国漁船が採った魚は中国産として安全性を認め,他方,日本漁船が採った魚は禁輸だそうです(笑)。中国政府のこのような対応は平常運転といえば平常運転ですが,笑止,噴飯ものです(笑)。

2023/09/13

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今朝,駐車場から車を出す際に,少し赤っぽい1匹のトンボが私の所に挨拶に来ました。・・・そうか,まだ残暑は厳しいものの,あれほど暑かった夏も終わり,もう秋なんですね。確かに最近では夜にスズムシの鳴き声が聞こえてくるときがあります。

 

ところで,実はこの夏頃から,時間があればしきりにMLBのエンゼルスの試合のテレビ中継をライブで観ることが多いのです。やはり大谷翔平選手の活躍ぶりが楽しみですし,彼の活躍ぶりが私の仕事への士気を鼓舞するということもあるからです。彼は「ユニコーン」とも表現されますが,彼の活躍ぶりは,その礼儀正しい振る舞いなどを含めて誠に素晴らしいと思います。

 

残念ながら右肘内側側副靭帯損傷という怪我で,二刀流のうち投手としての登板は今シーズンはもう無理ですが,これに追い打ちをかけるように,打者としても右わき腹痛のためこれで9試合連続でスタメンを外れています。とても心配なことです。

 

本当は今シーズンの残り試合でも大谷選手の雄姿,そしてその活躍ぶりを見たいのはやまやまですが,今後の選手生命のことを考えれば無理をせずにここはちゃんと休養し,右肘の手術を含めて最適の治療を確定・実施し,捲土重来を期した方が良いと思います。

 

考えてみれば,今シーズンだって大谷選手は投手として10勝を挙げ,打者としても本塁打44本,打率も3割を超えているのですから,チームへの貢献度は申し分ないのです。このまま休養,治療に入ってもアメリカンリーグの方の本塁打王は獲得できるでしょう。

 

ところで,テレビ中継を観ていて気になったのですが,MLBの選手たちはしょっちゅう唾を吐いたり,よくガムを噛んだり,ダッグアウトで何かを食べたり,何やら食べかすを吐き出したりしていますし,スポーツドリンクか何かを飲んだ後の紙コップがダッグアウトの地面に転がっていたりします。これはやはり文化の違いなんでしょうか。

 

選手だけでなくエンゼルスのネビン監督なども何やら食べてそのかすを吐き出したりしているのですが,しっちゅう食べかすを吐き出しているその食べ物は一体何なのか興味をもってしまいました(笑)。それが入っていると思われる袋をよく見ると,「GIANTS」と書いてありました。早速調べてみましたら,塩付けヒマワリの種のようです。いろんな味付けのものがあり,栄養価も高く,選手には人気のようですね。彼らがしょっちゅう吐き出しているのはこのヒマワリの種の殻(皮)の部分のようです。登板がなく待機中のメッツの千賀投手もこれを食べていました。

 

ネットの記事によると,どうやら大谷選手もこの「GIANTS」というヒマワリの種を食べているようですが(彼は塩味が好みらしい),彼は他の選手とは違い,殻(皮)などの食べかすは,ダッグアウトの地面に吐き出すのではなく,ちゃんとコップに入れているとのことです。そうなんです。それが普通の日本人のマナーなのです(笑)。この塩付けヒマワリの種,栄養価も高いようで,通販でも購入できるようですから,気が向いたら一度試してみようかな。

2023/07/26

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読売巨人軍の長嶋茂雄選手の現役時代の雄姿に憧れて以来,ごく短期間を除いてずっとジャイアンツのファンでした。そのごく短期間というのは,長嶋さんがジャイアンツの監督時代,ヤクルトでくすぶっていた息子の一茂をジャイアンツに引き取った時期だけは「やはり親ばかだなあ・・」と失望し,ジャイアンツファンをやめていました(笑)。でも一茂がジャイアンツを去ってからはファン復活で(笑),それ以降は応援してきました。

 

ところが,ファンとしてはあってはならないことかもしれませんが,原辰徳独裁政権の今,実はテレビ中継なんかを観ていても,内心ではジャイアンツが負ければいいと思うようになってしまいましたし,オールスター戦の前にヤクルトに3タテを食らった時や,昨日阪神に負けた時などは思わず快哉を叫んだものです。今の原巨人の野球は全然面白くない。好きな選手も見当たらない。広島や阪神のベンチ内の明るい雰囲気に比べ,巨人ベンチは渋面の原監督,イエスマンぞろいのコーチ陣,委縮気味で覇気のない選手たち・・。原独裁政権下のジャイアンツはやはり応援したいとは思えないのです。

 

応援どころか,政治家として全く評価していないのが岸田文雄という人物です。この人はダメだなあ・・・。本当に。この人の口から今まで国家観のようなものを聞いたことがありませんし,首相として実現したいことを自ら明確に表明したということはないのではありませんか。外遊が好きなようですが,実際には外交的な成果はあまりなく,内政でも「やってます」感を出しているだけです。世論調査でも,もうとっくに不支持率が支持率を上回っておりますし,毎日新聞調査では支持率が30%を割り込んでおります。もう国民の前ではメッキが剥がれ落ちているのだと思いますよ。

 

この暑いのに口を極めて非難しておりますが(笑),要するにこの人は首相(内閣総理大臣)になりたかっただけの人だったのではないでしょうか。ちょうど民主党が政権を取る直前のポスターには鳩山由紀夫の平和ボケしたお顔の右下に「政権交代。」と記載されていたように,岸田文雄という人も「首相。」という感じです。首相になるのが目的だった,あとはどれだけ在任期間を延ばすかということに汲々としている状態に見えます。

 

7月22日の産経新聞のコラム「産経抄」には面白いことが書いてありました。この3月に岸田氏が福島県相馬市を訪れた際,地元の子ども達から首相を目指した理由を尋ねられた時,「日本社会で一番、権限の大きい人なので。」と答えたそうです。・・・そうなんですか(笑)。また,首相就任前の令和元年11月にテレビ番組に出演した際,首相に就いて一番やりたいことは何かと聞かれ,「人事です。」と答えたそうです。・・・そうなんですか(笑)。岸信介首相のように,命がけで60年安保をやり切り,さらには憲法改正を目指していたというような政治家としての強烈な意思と気概は全く見当たりません。

 

ただ一つ言えることは,言葉が適切かどうかは分かりませんが,政治家岸田氏の志向性としては,財務省の「走狗」になってしまうのではないかということです。財政規律至上主義,増税路線,PB(プライマリーバランス)重視,財政支出抑制という路線を志向していることはほぼ間違いないでしょう。これまでの言動の内容もそうですし,親類縁者には財務省の官僚がズラリ(岸田氏の叔父は元財務官僚,岸田氏の実の妹2人はいずれも財務官僚に嫁ぎ,内閣官房副長官の木原誠二その他多くの最側近も元財務官僚),またこのたび自民党税制調査会が出した「中間答申」の内容が「サラリーマン増税か」と物議を醸しておりますが,この調査会の会長宮澤洋一という人は岸田氏のいとこに当たるようです。

 

現在のインフレ率についてはいわゆるコストプッシュインフレの範疇であり,実体経済として日本はデフレを脱却していません。増税をしてますます需要を減らしてどうするの,まずは「機能的財政」の観点から効果的な財政出動をしてデフレを脱却し,景気回復,経済成長をし,これにより税収をもっと増やしていくのであれば分かります。でも,デフレ下で増税,財政出動を減らしたら日本経済はどうなってしまうのかについて,岸田氏は首相公邸で息子らと一緒に忘年会に興じている暇があったら,真剣に考えて欲しいと思います。

 

考える材料としては,「奇跡の経済教室【基礎知識編】」(中野剛志著,ベストセラーズ),「奇跡の経済教室【戦略編】」(中野剛志著,ベストセラーズ),「奇跡の経済教室【大論争編】」(中野剛志著,ベストセラーズ),「どうする財源-貨幣論で読み解く税と財政の仕組み」(中野剛志著,祥伝社新書)などがお勧めです(笑)。

2023/07/03

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土曜日でしたか,テレビのチャンネルを回していましたら,たまたまDeNA対中日戦のプロ野球中継がやっていました。そこで目にした光景に思わず笑っちゃいました。何と,打席に入るDeNAの選手がみんなピカチュウのヘルメットをかぶっているのです(笑)。野球とはいえ,闘っている選手たちがピカチュウのヘルメットをかぶっている訳ですから,相手のピッチャーの戦意が緩んでしまうのでは・・・。マウンド上でよく笑えてこないなと思います(笑)。つくづく思うのですが,日本のゆるキャラは本当に可愛いですね。日本のゆるキャラですぐに思い出すのが,高山寺の木彫りの子犬像(湛慶作)です。これも本当に可愛い。一度実物を見に行きたいと思っております。

 

やはりテレビの話題ですが,先日,これも何気なくチャンネルを回していましたら,NHKで天安門事件の証言ドキュメントの番組が放送されていました。どうせNHKのことだから中国共産党に忖度した当たり障りのない内容だろうと高をくくっていたのですが,これは失礼しました,なかなかの内容でした。当時の民主化を叫んだ活動家,現場を目撃した市民,その他多くの関係者の証言や,鄧小平の鎮圧指揮の下,人民解放軍が戦車を繰り出し,容赦なく学生らに向けて発砲した当時の映像,趙紫陽と鄧小平・李鵬との意見の対立その他の背景事情など,割と詳しく紹介していました。

 

その数日後には,やはりNHKで中国共産党のチベット支配についてのドキュメンタリー番組を放送していました。NHKもなかなかやるもんだなとは一瞬思いました。もともとチベットは中国の版図には含まれてはいなかったにもかかわらず,1950年から中国はチベットに侵攻し,不法な併合政策を実行し,チベット人の犠牲者は亡命政府の発表によれば120万人を超えています。徐々に漢族を入植させ,チベット仏教を弾圧し,教科書も中国語,「改善」と称してチベットの伝統や文化,言語,宗教に徐々に圧迫を加えています。アメリカの俳優,リチャード・ギアなどはこのようなチベットの現状を憂慮し,チベット救済のための積極的な活動をしていることは有名です。

 

さきほどNHKもなかなかやるもんだなとは一瞬思ったものの,このテレビ番組は内容的にはやはり中国共産党に気を使った内容となっており,物足りなさを感じました。チベット人の不満,絶望,慟哭は,主に僧侶による焼身自殺の続出によっても明らかです。そのあたりのことは,「チベットの焼身抗議-太陽を取り戻すために」(中原一博著,集広舎)という本に詳しいと思います。一読の価値はあります。

 

それにしても,NHKはどうして中国のウイグル問題について寡黙なのでしょうか。「NHKスペシャル」などで掘り下げた内容の番組を作ってもらいたいものです。果敢な取材で切り込んだ英国のBBC放送を見習って。

 

話は変わりますが,先日の産経新聞の産経抄で初めて知ったのですが,ロシアのプーチン大統領の先祖のもともとの姓はラスプーチンだったそうな。怪僧ラスプーチンといえば帝政ロシア末期の極め付きの悪役で,最後の皇帝ニコライ2世一家に取り入って宮廷を牛耳り,皇帝の権威を失墜させてロシア革命を招くきっかけを作ったと言われている人物です。プーチン大統領の祖父が怪僧と同じ姓なのを恥じて改姓したようです。まあ,改姓したところで,プーチンのウクライナ侵略,そしてむちゃくちゃな破壊行為,非人道的な行為については,いずれその責任を取るべき時期が来るでしょう。

2023/05/29

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いやー,びっくりしました。将棋の藤井聡太六冠の異次元の強さには本当に驚愕です。私もたまに将棋を指しますし,将棋ファンの端くれなのですが,6月28日の日曜日に叡王戦第4局の対局があり,気になってスマホでチェックしていたのですが,藤井六冠はやはり並みの棋士ではありませんね。車で言えば,他の棋士とは載せているエンジンが違います(笑)。

 

この第4局は千日手が2局続く熱戦でしたが,決着局で何よりびっくりした手が2つありました。まずは68手目の1五角です。先手が1五歩と端歩にちょっかいを出した時,後手の藤井六冠は同歩ではなく,何と同角としたのです。これですと最後尾に控えている香車で角を取られてしまいます。要するに角香交換という一見損な手を断行したのです。これにはびっくりしましたが,その後の展開を見ても分かるように,藤井六冠は,確かに駒損だけど相手が歩切れだから,自分の歩を相手の玉頭に進出させ,と金を作って殺到すれば相手の堅固な穴熊囲いを粉砕できるという大局観だったのです。正に恐るべし・・・。

 

そして,次に腰を抜かすほどびっくりしたのは,80手目の2九龍です。強力な攻め駒である龍をズバッと切って捨て,勝負を決めに出たのです。それまでAIの評価値が藤井優勢(勝勢)を示していたのに,一瞬の間,評価値が逆転してしまったくらいAIも一瞬混乱して詰みを読むことができなかったのでしょう。将棋ソフト,AI(人工知能)というのは何億手も読むというのに・・。要するに,23手詰を時間に追われていた藤井六冠の方が先に読み切って龍切りを断行したという訳です。異次元,そしてAI超えの強さです。くどいようですが,本当にびっくりしました。即詰で相手玉を打ち取り,藤井六冠は叡王位を防衛し(弱冠20歳),六冠を維持したのです。

 

ハードスケジュールの中,5月31日と6月1日の両日,今度は名人戦第5局の対局があります。現在挑戦者の藤井六冠が3勝1敗と初の名人位に王手をかけておりますが,恐らくは名人位を奪取するのではないかと強く期待しております。そうなれば,20歳で七冠に輝くという訳です。凄いですね。

 

藤井六冠の幼少の頃のエピソードが谷川浩司九段の発言とともに「デイリー新潮」に掲載されていましたので,そのまま引用いたします(谷川九段は,21歳で名人位を獲得し,タイトル獲得数は27で歴代5位,永世称号として第十七世名人保持者)。

 

「今から10年程前になりますかね。名古屋で行われた『将棋の日』のイベントに出たことがありました。何人かの方にハンディを付けて指導対局をしていたのですが、飛角を落とした一人の小学生とは、終了予定時間が近づいても対局が終わりそうになかった。で、私が優勢だったので、引き分けにしようと提案したのですが」

 

すると、少年は、将棋盤に覆いかぶさるように突っ伏し、大声で泣き出した。

 

「負けると泣く子はよくいるんです。でも静かに涙をこぼすといった程度。あそこまで悔しがる子は見たことがありませんでした。・・・ですから、私の藤井二冠の第一印象は”強い子”ではなく、”大泣きをした子”なんです」

 

結局、藤井少年(当時8歳,小学2年生)は、母親に抱きかかえられてその場から引き離されたそうだ。

 

天才性はもちろんのこと,これくらい負けず嫌いでなければ六冠にはなれません(笑)。

 

2023/05/18

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もうかれこれ3年ほど前になりますかね,私が仕事の関係で鹿児島に出張に行ったのは・・。どうやら今年も仕事の関係で再び鹿児島出張となりそうです。前回出張時は,仕事と夜の飲み会だけで観光などはできなかったのですが,今回は時間があれば少しだけでも観光がしたいものです。

 

「翔ぶが如く(1)~(10)」(司馬遼太郎著,文春文庫)を貪るように読んだときの感動もあり,今度はせめて城山(西郷隆盛終焉の地)は観てみたいですし,東郷平八郎誕生碑くらいは観てみたい。

 

日露戦争における日本海海戦を勝利に導いた大元帥東郷平八郎は,昭和9年(1934年)5月30日に87歳で亡くなりました。ちょうど今頃の季節です。「人間臨終図鑑(4)」(山田風太郎著,徳間文庫)などの記載によりますと,東郷平八郎という人物そのものに惹かれますし,その死に際や愛妻との麗しい夫婦関係などはやはり羨ましいほどですし,夫婦というものはこうありたいと切に思います。

 

死の直前,東郷元帥と妻のテツ子さんは同じ病院で療養していたのですが,元帥の診察が終わった後は,医師に必ず「ありがとう。」と丁寧にお礼を述べ,「ついでに、お鉄も診てやってください。」と必ず言う。毎日午後2時頃になると,天皇陛下から御下賜のスープをいただく時は,必ず床の上で合掌し,お礼を言上し,このありがたいスープを必ず隣室の妻に分け与えていた。いよいよ元帥の死の前日午後11時頃,元帥の容体が絶望の重態となった時,妻はベッドごと元帥の病室の敷居の所まで運ばれ,最後の対面となる。妻の顔を見た元帥は,意識不明瞭のはずだったのに妻の顔をみるや,右手をしきりに振り,二三度頷いた。妻は元帥の顔をじっと見守って,両の眼に熱い涙を浮かべていた。最後の対面を果たした妻は,ベッドごと自室(病室)に運ばれながら,「乃木さんの奥さまが羨ましい。」と涙を流して言った。

 

明治天皇が崩御したときに,乃木希典と妻の静子は夫婦で自決したのですが,この東郷元帥の妻の言葉には夫の平八郎と共に死を迎えたかったという思いが込められております。結局,妻もその年の12月28日に亡くなり,元帥とあの世で再会を果たしたのです。

 

こう言っては何ですが,同じ薩摩藩出身でも黒田清隆(元内閣総理大臣)の自分の妻に対する傍若無人ぶりとは極端に違います。酒乱だった彼の自分の妻に対する振る舞いは,書くだけでも気分が悪くなりますので,ここでは触れません。素面の時には穏やかだったそうですがね。

 

いずれにしても,東郷元帥,もとより軍功抜群の出色の軍人だったことは間違いありませんが,良き父であり,また良き夫だったのでしょう。

2023/05/11

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この連休中に,「東京物語」という映画を観ました。小津安二郎監督作品で,主演は笠智衆と原節子です。この作品は昭和28年(1953年)に公開された古い映画ですが,国内外でとても高い評価を得ています。

 

私は以前,この作品を断片的にしか観ておりませんでしたが,今回初めて通して観てみました。いろいろと考えさせられる,しんみりとした,切ない映画でしたね。笠智衆の枯淡の境地,原節子が醸し出す誠意と優しさと美しさ・・・。

 

ウィキペディアの記載を引用すれば,上京した年老いた両親とその家族たちの姿を通して,家族の絆,親と子,老いと死,人間の一生,それらを冷徹な視線で描いた作品であり,家族という共同体が年を経るとともにバラバラになっていく現実を,独特の落ち着いた雰囲気でつづっている秀逸な作品です。観ていて切なくなりますけどね。何やら自分の死生観にも影響を及ぼすような。

 

先にも述べましたが,この作品は国内はもちろんのこと,海外でも高い評価を得ております。海外での公開は昭和32年(1957年)にロンドンで上映されたのが最初で,翌年に第1回サザーランド杯を受賞し,海外での小津作品の評価が高まるきっかけになりましたし,1972年にはニューヨークでも公開され,アメリカの批評家たちからも賞賛を受けました。2012年に英国映画協会の映画雑誌『Sight&Sound』が発表した史上最高の映画ベストテンの映画監督が選ぶランキングでは第1位に選ばれてもいます。

 

それにしても原節子という女優の何と美しいこと。1963年に小津安二郎監督が亡くなり,彼女は43歳ころに突如として事実上の引退状態になり,その後は公の場に姿を現すこともなくその潔い引き際も際立っています。美貌,独身,潔い早い引退,その後の隠遁生活など,スウェーデンの女優グレタ・ガルボと共通した面があります(グレタ・ガルボのことはこのブログでも触れたことがありますので,ブログ内検索で「ガルボ」とキーワードを入れて検索してみてください)。記事によれば原節子は,たばことビールと麻雀が好きだったようで,親近感がわきます。私もビールと麻雀は好きですので(笑)。彼女は鎌倉でヴェールに包まれた隠遁生活を送り,95歳で亡くなりました。

2023/04/22

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人生,いろいろな場面があると思いますが,全員が沈黙し,とても厳粛な雰囲気の時など,そのシーンでは絶対に笑ってはいけない時があると思います。でも私は,本当に残念なことなのですが,若い時分からそんな厳粛な場面に遭遇したような時,「絶対に笑っちゃいけない!」と自分に言い聞かせれば言い聞かせるほど,それを意識し,プレッシャーを感じて結局笑ってしまうような残念な性分なのです。こればかりはどうしようもない。

 

例えば,人間ドックの腹部エコー検査などで,担当者が「はい,プーッと膨らませてー。息を止めてー。」と私に命じ,その一方でヌルヌルになったお腹に機械を当てて這いずり回られた日には,とても我慢ができないのです。不謹慎ですが絶対に笑ってしまいます。医療担当者を何度困惑させたことか(笑)。私もいい大人なのですから,笑ったりしたらダメなことは百も承知ですが,性分だからどうしようもないのです。

 

先日も,ある席で神主によるお祓いがあり,とても厳粛な雰囲気でしたが,自分に「笑うな,笑うなー。」と言い聞かせたにもかかわらず,むしろ意識して言い聞かせたがゆえにそれがプレッシャーとなって,案の定結局は小声で笑ってしまいました。でも最近はマスクをしていますから,周囲にバレずに済みました(笑)。マスクというのはこういう場面では重宝しますね。

 

これは随分前にこのブログでも書いたことなので,二番煎じになりますが,強烈な体験でしたので再掲します。これはもう20年以上も前の出来事ですが,ある事件の法廷での証人尋問前の宣誓の場面でした。

 

証人は尋問を受ける前に,法廷の厳粛な雰囲気の中で「良心にしたがって本当のことを申します。知っていることを隠したり,ないことを申したりなど,決していたしません。右のとおり誓います。」と宣誓書を読み上げることになっています。ところが,ある中年男性の証人が,その宣誓の時,「・・・知っていることを隠したり,ないことを申したりなど,決していたします。」と言っちゃったのです。緊張して思わず「肯定」してしまったのでしょうが,要するに私はこれからこの法廷で思いっきり嘘をつきますよと宣言してしまう結果となったのです(笑)。

 

当然私は思わず「プッ!」となりました(笑)。私の笑い上戸の性分からすれば極めて当然です。でもそこはそれ,裁判官というのはやはり人間ができていますね。笑ったりなどせず,冷静にその場を取りなしておりました。さすがです。この体験は今でも鮮烈に記憶しております。分別有る大人で,しかも沈着冷静なこのブログの読者のみなさんには,私のこの若い頃からの悩みはご理解いただけないでしょうね。

2023/04/10

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いやー,先週はちょっとした嵐のような一週間でした。仕事は忙しかったし,何よりも健康診断でひっかかり,精密検査で一日入院するという憂き目に遭ったのです。僅か一日であっても,入院するなんてことはそれこそ20数年ぶりです。これは私にとって試練でしょうが,医師から紹介状を書いてもらって総合病院で新たに診察等を受ける必要が出てきました。

 

それはそれとして,私がつくづく思ったのは日本人として生まれてきて本当に良かったということ。医療保険制度の充実で,少ない自己負担で高度で安心できる医療が受けられますし,医師はもちろん,看護師さんたちの仕事ぶりには頭が下がりました。恐らくは多忙でストレスを感じていらっしゃるのでしょうが,対応は親切で責任感を持って的確に仕事をこなしております。ありがたいことです。職業倫理というものを感じます。職業倫理とは,プロフェッショナルとして期待される個人や組織の倫理的な行動基準をいいますが,彼らの行動や対応にはそれを感じました。

 

職業倫理というほどのことはありませんが,仕事で車を運転してある飲食店の前を通過する時,いつも気になっていることがあります。そのお店の建物前面の壁の上部に和歌らしきものが流麗な文字(白地に黒)で描かれているのです。よく読むと,次のような歌でした。

 

「わが役は どんな苦労もいとふまじ 天の作者の さしずがままに」

 

浅学菲才の自分なりにこの歌の意味を解釈してみますと,「自分のこの仕事 どんな苦労があったとしても嫌がって避けるようなことはしません それこそ私をこの世に送り出してくれた天の作者が 指図したことですから」

 

てなもんでしょうか。佳い歌だなと思います。インターネットで調べてみたのですが,どうやら有名な歌人の歌というのでもなさそうです。してみると,その店の経営者などが詠んだ個人的な歌なのかしらん。だとしたら素晴らしいし,きっとこの歌と同様,佳いお店なのでしょう。

 

陸上自衛隊の師団長など10人が乗ったヘリコプターが沖縄県の宮古島の周辺で消息を絶ってから4日が経ちますが,心配なことです。とても安否が気にかかりますし,有効な捜索を継続して欲しいと思います。

 

消息を絶ったその日,懸命な捜索が緒についたばかりの4月6日の夕方,記者団の取材に応じた岸田首相がその後に向かったのは,東京・銀座にある料亭「新ばし金田中」です。そこで森喜朗元首相が仕切った会食会場に顔を出し,錚々たる財界人らと飲食を共にしたと報道されています。当然のことながらこの会食をめぐっては,「事故の渦中にやることだったのか。」という批判が出ています。

 

内閣総理大臣は,自衛隊の最高指揮官です。このような批判が出るのも当然でしょう。しかも当該会食を取り仕切ったのが,例の「えひめ丸」沈没事故発生直後に首相として第一報を受けながら,その後も約1時間半にわたってゴルフプレーを続けて猛批判を浴びた森喜朗というのですから,これも何かの因果でしょうか。この事件は,2001年2月10日,ハワイ沖で日本の高校生の練習船が,アメリカ海軍の原子力潜水艦と衝突して沈没,日本人9名が死亡したという事件です。衝突によって日本人が多数海に投げ出されたことや,相手がアメリカ海軍であることも判明していたにもかかわらず(首相として報告を受けていたにもかかわらず),そのままゴルフプレーを続けたというのです。

 

そういえば,昨年8月4日,中国が日本の排他的経済水域の内側(日本側)に弾道ミサイル5発をぶち込む傍若無人の振る舞いをした時,岸田首相はすぐにはNSC(国家安全保障会議)を開催しませんでしたね。

 

いやはや,いずれも職業倫理の欠如と評価されても致し方ないでしょう。

2023/03/25

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その昭和の香りのするスナックには,相変わらず私も飲みに行っております。昔ほどの頻度ではありませんが,たまにお邪魔して,気の置けない仲間と一緒に飲んだり,よもやま話に花を咲かせたり,歌ったり,将棋を指したりなどしております(笑)。

 

私もいい年をして不摂生だなとは思うのですが,ちょっと前までは,その昭和の香りのするスナックで随分と楽しんだ後に,時に午前様になりながらもその近くにあるお好み焼き屋さんに入って飲み直したりしたものです。その店は,お好み焼き屋さんではありますが,いつも決まって注文していたのがネギ焼きと焼きそばなんかでした。その店の大将は物静かな人でしたが,割と博学,そして音楽の趣味がとても広そうな人でした。

 

以前私がシルヴィー・バルタンにはまっていて,「アイドルを探せ」という曲ばっかり聴いたり,彼女の20歳ころの可愛く魅力的な動画などを見ていた時,その大将が「バルタンのCDならあるよ。」と言って,その店内で流してくれたこともありました。私が保有していたCDと同じものです。私が仲間と一緒に来店すると,気を利かせて何も言わずにそのCDをかけてくれたこともあったのです。かと思うと,私たちがよもやま話に花を咲かせている間は決して出しゃばらず,BGMで世界三大テノール(ホセ・カレーラス,プラシド・ドミンゴ,ルチアーノ・パヴァロッティ)のDVDをテレビで流してくれたりするのです。この大将は意外に幅広い趣味があるんだなと感心したものです。お好み焼き屋さんでオペラのアリアが聴けるなんて(笑)。

 

でも先日,私が昭和の香りのするそのスナックで飲んでいた時,ママからその大将が今年に入って早々に病気(がん)で亡くなったことを聞かされ,とてもショックを受けました。そのお好み焼き屋さんも今では廃業・・・。

 

その大将もたまにそのスナックで飲んだりもしていたそうです。そういえば,今もはっきりと覚えているのですが,昨年の秋ごろ,その大将がカウンターの端っこで一人で飲んでいた姿を見ました。その時は私は他の仲間と込み入った話などをしておりましたから,お声掛けをすることはできませんでしたが,私がその大将の姿を見たのはその時が最後となってしまいました。

 

そういえば,その秋頃に一人で飲みに来られた時は,すこし顔色が悪く,普段以上に物静かだったような気もします。その時大将の胸に去来するものは何だったのか。味わい深そうなお人柄でしたから,もっといろいろな話をしておけばよかった。本当に寂しい限りです。

 

こういう時は,私はいつも決まって井伏鱒二の漢詩(勧酒)の訳を思い出してしまうのです。

 

「コノサカヅキヲ受ケテクレ ドウゾナミナミツガシテオクレ ハナニアラシノタトヘモアルゾ 『サヨナラ』ダケガ人生ダ」(私の酌を受けて欲しい 今日だけはどうかなみなみ注がせて欲しい 花が咲くと風が吹いたりするものだ 人生に別離というものはつきものだよ)(井伏鱒二訳)

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