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弁護士ブログ

2020/10/19

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私の愛読紙はもちろん産経新聞ですが,この新聞には定期的に同紙文化部の桑原聡さんという方の「モンテーニュとの対話『随想録』を読みながら」という記事が掲載されます。これが結構ためになりますし,いつも興味深く読ませていただいております。

 

先日の掲載分(記事)も面白かった。人間,誰とメシを食っているのかで大体その人の志向するもの,関心対象となっているもの,交友関係,もっと言えば思想傾向などを推し量ることができるようです。私自身は,菅義偉という首相にはほとんど期待してはおりませんが,菅首相が誰とメシを食っているのかが分かりました(笑)。

 

その記事には菅首相の会食相手のことが書いてありましたが,竹中平蔵やデービッド・アトキンソンなどといった人とメシを食っておられるようですね(笑)。もちろん誰とメシを食っても良いのですが,新自由主義,グローバリズム,弱肉強食,結果的に日本の形がなくなってしまうことに結びつく思想傾向が窺えます。

 

竹中平蔵といえば,パソナグループ取締役会長,オリックス社外取締役など企業人としての肩書を有する一方で,安倍政権の成長戦略のアドバイザーとして未来投資会議,国家戦略特別区域諮問会議における民間議員の肩書も持っており,彼が旗振り役となって規制緩和を推し進めた先に(例えば移民政策による安価な労働力の導入等-人材派遣のパソナグループは大喜び),彼ないし関与する企業の利益があるという,いわばマッチポンプ的な構図が出来上がっていることを強く指摘する評論もありますし,私も同感です。レントシーキングというのは,政府や役所に働きかけ,法や制度,政策を自らに都合のいいように変更させて利益を得る活動をいいます(超過利潤の追求)。彼の嫌らしさ,レントシーカー的傾向というのは,「市場と権力-『改革』に憑かれた経済学者の肖像」(佐々木実著,講談社)という本を読めば相当に理解できます。

 

それから,菅首相の会食相手の一人にデービッド・アトキンソンという人がいます(笑)。インバウンドと称して外国人観光客をどんどん入れて儲けろ(約4000万人)と進言したり,これまで日本の物づくりを下支えしてきた中小企業について,最低賃金を引き上げて経営力と競争力がない中小企業を淘汰・統合すべきだなどといった進言をしている人です。生産性の向上は必要なことですが,そんな政策で中小企業がどんどん潰れていき,多くの雇用が失われても良いというのでしょうか。デフレギャップがあるから日本経済はデフレから脱却できないのです。むしろ政府が積極的に財政出動して需要そのものを創出すべき方向へ向かうべきなのに,逆の発想になってしまっております。

 

それに,現在は新型コロナウイルス感染が猖獗を極めているため,外国人観光客は少なくなっていますが,実は私は温泉をはじめとする観光地への足が遠のいているのです。インバウンドによる外国人観光客,特にマナーの悪い観光客の存在で(敢えてどこの国とは言いません【笑】),かえって癒しを求めて静かに旅を満喫したい日本人観光客の足が遠のいている実情もあるのではないでしょうか。はっきり申し上げて,私は,大声で会話しながら浴場に入り,かけ湯もせず,乱暴に足をドポンと入れて大波を立てて温泉に入る,そういう人たちと同じ湯船には入りたくないのです(笑)。

 

菅首相が誕生した背景には,親中派の二階幹事長の存在があります。二階幹事長といえば,アメリカのシンクタンク「戦略国際問題研究所」の報告書で,名指しでその媚中政策を批判されている人物であり,菅首相はこの人物ともよくメシを食っているようです。先ほど菅首相にはほとんど期待してはいないと申し上げましたが,これまで述べてきたような人々とよくメシを食っているからであり(笑),何よりも菅首相自身の口から,これまでその国家観,歴史認識などを明確に聞いたこともないからです。

 

この日の「モンテーニュとの対話『随想録』を読みながら」という記事の中には,次のような件(くだり)がありました。

 

「『ドン・キホーテ』の中でサンチョ・パンサがこんな言葉を吐いている。『お前が誰といっしょにいるか言ってみな、そうしたらお前がどんな人間か言ってやる』という諺(ことわざ)も、また『お前が誰から生まれたじゃねえ、誰といっしょに飯食うかが問題だ』という諺も本当だとするなら、おいらは御主人のあとについて仕えてるんだから、御主人のさらに上をいく阿呆(あほう)よ」(後編第10章)


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