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弁護士ブログ

2012/06/12

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 お仕事で大変忙しいのではありますが(笑),そんな中でも読みたい本はいっぱいありましてね。このたび,「日米衝突の根源 1858・・1908」(渡辺惣樹著,草思社)という本を読了しました。いやー,これは労作ですよ。内外の多くの文献,特にアメリカの文献を渉猟,分析した上での著作です。第二次世界大戦のうち,いわゆる太平洋戦争に至るまでの背景事情がすごくよく分かります。

 

 「遅れてきた帝国主義」の日本は,戦前の軍部が暴走し,日本国民も思い上がった末にあのような悲惨な戦争を引き起こしたという史観,東京裁判史観(日本悪玉論)にどっぷり浸かったままの人がまだ極めて多いと思われるのですが,もうそろそろ覚醒すべきです。当時の日本を取り巻く外部の情勢がどうなっていたのかという,そういった観点からの考察も当然に必要でしょう。しかもそれは戦勝国からの押しつけの史観でもいけません。この本は,1858年の日米修好通商条約締結後から1908年の「白い艦隊」来航までの半世紀を,主にアメリカに照準をあてて詳論した文献ですが,これを読みますと,結局はアメリカという国も「遅れてきた帝国主義」の実行者であり,この国も,米西戦争,ハワイ併合,フィリピン領有など,北太平洋を「アメリカの湖」にしようと着々と進んでいたことが明らかです。最終的には日本との一戦も辞さないという方向に進んでいたのです。

 

 そのあたりは,この本の「あとがき」で筆者(渡辺惣樹氏)は次のように述べており,大変参考になります。

 

「私はアメリカの為政者は、ハワイ併合とフィリピン領有で、日本との衝突が必ずあることを早い段階で覚悟していたのではなかろうかと推測しています。そう考えると、セオドア・ルーズベルトが展開した対日外交の本質が鮮明に見えてくる気がするのです。アメリカの軍事力が優位になるまでは何としてでも日本との和平を維持する。そして必ずや訪れるであろう日本との激突に備えて軍事力を着実に強化する。開戦となれば必勝を期す。ルーズベルト以降の大統領もそうした外交方針をとったと考えると、1909年以降に起こる多くの事件に合点がいくのです。あの戦争はアメリカにとってはあくまでも北太平洋の覇権を狙う『太平洋戦争』だったのです。」

 

 結局,アメリカはその計画(オレンジ・プラン)を,くしくもセオドア・ルーズベルトの従弟であるフランクリン・ルーズベルトの時代に実行に移したのです。

 

 是非お勧めなのは,この本に加えて,「真珠湾の真実-ルーズベルト欺瞞の日々」(ロバート・B・スティネット著,妹尾作太男訳,文藝春秋)を読まれることです。正に目から鱗というやつを体験できます。

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