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弁護士ブログ

2011/06/27

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 知的財産権分野での中国によるパクリはとどまるところを知りません。私は呆れると同時に嫌悪感さえ覚えます。

 

 産経新聞の報道によると,中国の鉄道車両メーカーの「南車集団」が,このたび,中国版新幹線の車両「CRH380A」の技術特許をアメリカに申請する方針だそうです。何のためでしょうか。それは将来的な車両輸出で儲けるためです。でも,もともとこの車両技術は,実際は川崎重工業など日本企業が開発した新幹線「はやて」の技術供与によるものであり,しかも契約上はその技術供与は「あくまでも中国国内での使用に限定されている」はずです。これに対してこの中国企業は,この新幹線技術は確かに外国の技術を「参考」にしたが,あくまでも独自に「開発」とたものだと強弁しております(笑)。

 

 そもそもこの新幹線「はやて」にしろ,もともと中国の高速鉄道車両は日本やドイツからの導入技術がほとんどであり,このような中国の車両輸出に対しては,欧州系のメーカーからは「技術供与はあくまで中国国内での使用に限定している」として,契約違反の警告を発せられているのです。日本企業も断固たる措置を講じなければナメられてしまいます。

 

 世界に冠たる日本の新幹線技術を中国へ輸出,技術移転をしてしまえば,かの国(中国)のことですから,こうなることは目に見えていたはずです。ほんの少しの想像力さえはたらかせれば(笑)。これに強く反対していたJR東海会長の葛西敬之さんの認識は慧眼でした。それにひきかえ川崎重工業は・・・。トホホですね。

 

 中国鉄道省は,中国共産党の創立90周年記念日の7月1日に,北京と上海を最短4時間48分で結ぶ高速鉄道を正式開業させると発表し,その中には「南車集団」がアメリカへの特許申請をしている「CRH380A」型車両(日本の「はやて」を参考にして「独自開発」したとされているもの)も含まれております。ところで,やはり産経新聞によると,今度開業するとされる中国版新幹線(北京-上海間)の走行速度について,今年2月に汚職で失脚した前鉄道相が安全性を全く無視して,最高速度を時速350キロに設定するようごり押ししていたということであり,技術供与元の日本とドイツの各企業からは時速300キロ以上の営業運転は設計上も乗客の安全を保証できないと指摘されたため,何とか方針変更されたということです。私がイヤだなと思うのは,中国が「独自開発」したとされる当該車両の営業走行を始めて,いざ大事故が発生したとたんに,技術供与元のせいにしかねないという点です。中国という野生のメンタリティーをもった国はやりかねません。

 

 わが日本の新幹線は,昭和39年10月1日に開通以来,一度も乗客中の乗客の死亡事故は発生しておらず,このたびの東日本大震災の際にも東北地方を走行中の新幹線はいずれも安全装置が作動して安全停止を果たしております。こういった技術は,乗客の安全に対する技術者の真摯な態度と,研究と,ノウハウの蓄積があったればこそです。そのような素地もない中で,ただ儲けのために技術を盗もう,あわよくば海外輸出しようというのは無理があります。

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