我が家の朝ごはんの時には,前夜見た夢の自慢話で持ちきりになることがある。自慢話といっても,自分が前の晩に見た夢がどんだけ奇妙なものであったかを競い合い,自慢し合うのである。
数日前の朝ごはんの際には,私は完全に聞き役に回る羽目になり,娘のあかねちゃんとカミさんに圧倒されてしまった。まず,その前夜にあかねちゃんが見た夢の断片は,次のようなものであった。お父さん(私のこと)は既に寝室で床に入り,寝ているはずなのに,玄関先でゴソゴソと物音がしたため,不審を抱き怖くなったあかねちゃんとお母さん(カミさんのこと)とが一緒に恐る恐る玄関の方へ見に行ったところ,全く同じ顔をしたお父さん(私のこと)がそこに2人いて,その2人が仲良く手をつないで入って来たという夢だったそうな。ある意味ではすごく怖い夢である(笑)。とても奇妙である。
これを聞いたうちのカミさんは,これと張り合うかのように,鬼の首を取ったようにその前夜に見た夢を得意げに語り始めた。うちのカミさんのその夢の断片は,次のような単純かつ奇妙なものであった。うちのカミさんの面前に巨大な蝉(セミ)が現れ,その巨大なセミがカミさんを圧迫するかのように迫ってきたものだから,彼女は必死に両手を突っ張ってその巨大なセミを向こうに押しやろうとし,その際に思わず声が出てしまい,その自分の声で目が覚めたというのである。と,とてもシュールな夢である(笑)。単純で奇妙過ぎるにもほどがある(爆笑)。シュールだ。キリコやダリの絵のように(笑)。
このように,その日の朝は前夜の夢の奇妙さ自慢で,あかねちゃんとカミさんに圧倒されてしまった。我が家には,「こんなん見ましたけど・・・」とか,「・・,まだまだ,・・・自分なんかもっと変な夢だったけど」などと,前夜の夢の奇妙さを自慢し合う風土がある。それにしても,目前の巨大なセミを両手で押しやるなどといったシュールな夢を平気で見てしまうような連れ合いと,これからどのように折り合いを付けて暮らしていけばいいのかしらん・・・(笑)。