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弁護士ブログ

2022/09/26

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もう数か月前ですが,産経新聞の書評欄で「日本の民俗-暮らしと生業」(芳賀日出男著,角川ソフィア文庫)という本が紹介されており,それ以来何かしら気になっていたのでこのたび読んでみました。じっくりと日本の民俗に関する重厚な文章,記述に触れられると思っていましたら,内容的には写真集に近いものでした。確かに,著者の芳賀日出男さんは写真家なのであり,写真が中心となるのは当然でしょう。

 

でも,その一方で芳賀さんは,かつて学生として民俗学者折口信夫の講義を受講したこともあり,民俗学にも造詣が深いので,写真とともに記載されている文章もとても参考になります。最初は写真だらけだったので,「あれっ?」と思ったのですが,何よりも写真は直截的に人に訴えるものがあり,日本の民俗を伝えるにはむしろ格好の媒体ではないかと思いました。

 

「正月」,「盆行事」,「稲作」,「漁村の暮らし」,「海女」,「巫女」,「人形まわし」,「木地師」,「さまざまな生業」・・・などといった章立てで,どの写真も懐かしい風景ばかりです。私も幼少のころ2年ほど熊本県の田舎で暮らしたことがありますが,確かに当時熊本県の田舎でも寒い小正月の頃,五穀豊穣を祈って「もぐら打ち」という儀式がありました。本当に懐かしい・・・。子供たちが一軒一軒周り,「もぐら打ち」を行ってはお菓子などのご褒美をいただくというやつです。

 

私は昔から日本の民俗に興味があり,これまで柳田國男や宮本常一の著作を何冊か読んだことがありますが,このような写真集もまた格別の味がありますね。この本には,ヨーゼフ・クライナー(ボン大学名誉教授)の序文が掲載されており,「柳田・折口先生の言われる日本の民俗の固有性は、世界の民俗のなかに相対化されることによって、その独自性が一層浮彫りにされてくる。」との記載がありますが,同感です。

 

ちょうど先日,台風と台風の合間に仕事で2泊3日の行程で島根県まで行きました。台風のせいで収穫間際の稲が倒れている場景もありましたが,日本の原風景のような美しくも懐かしさのある風土を目の当たりにしました。この緑豊かな島根県に限らず,「限界集落」などといわず,何とか伝統と日本固有の習俗を維持し,この日本の美しい自然を保っていきたいものです。そして,仕事もちゃんとしましたが,仁多米や日本酒(玉鋼など)の美味しさを味わい,宍道湖の美しさと大和しじみの美味しさも味わいました。ありがたいことです。

 

日本の民俗に興味がありますが,そういえば,これも前々から読んでみたいと思っていた書物に「古風土記」というものがあります。これは奈良時代に地方の文化風土や地勢等を国ごとに記録編纂して,天皇に献上させた報告書ですが,写本ではあるものの,「出雲国風土記」がほぼ完本,「播磨国風土記」,「肥前国風土記」,「常陸国風土記」,「豊後国風土記」がそれぞれ一部欠損した状態で残っているそうです。今度ひまな時に読んでみたいと思っております。


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