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弁護士ブログ

2019/10/19

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このたびの台風19号による被害については,政府により激甚災害として指定されます。本当に自然の猛威を見せつけられた思いです。亡くなられた方々や被災された方々には,心よりお悔やみとお見舞いを申し上げます。

 

これは別の台風の時でしたが,私の沖縄出張も中止になりましたし,今度の19号についても,私が現在破産管財人として管理している物件に関して何か不都合が生じないかと心配でした。また,プロ野球セ・リーグのクライマックスシリーズの巨人対阪神の第4戦は,本来であれば10月12日(土)に予定されていたのですが,この台風のために順延になり,急遽新幹線のチケットを手配してもらって翌13日(日)に東京ドームで観戦しました。目の前で巨人の勝利(日本シリーズ進出)と原監督の胴上げを見たのです。

 

さて,話は変わりますが,「民意」というものは本当に恐ろしいものです。先月,日本経済新聞が「次の首相にふさわしいのは誰か。」という世論調査を行ったところ,何と第1位は小泉進次郎(29%),第2位は安倍晋三(18%),第3位は石破茂(13%)という結果だったのです。

 

では同じマス・メディアでもテレビの方はどうかと申しますと,日本テレビの同趣旨の世論調査によりますと,やはり第1位は小泉進次郎(21%),第2位が石破茂(18%),第3位が安倍晋三(17%)という結果だったのです。

 

うーん・・・,げに恐ろしきは「民意」かな。

 

この調査(アンケート)に対する回答者は,小泉氏の何を評価し,何に期待してこのような回答をしたのでしょうか。イケメンだからか(笑)。やっかみで言うのではありませんが,私は小泉氏のことを将来の総理候補だと思ったことは一度もなく,あまり評価してはおりません。これまでに議員として何か成果を出した訳でもなく,要するに選挙の際の応援演説で,各遊説先の方言を多用し,産物などに言及して聴衆の受けを狙ってきた「客寄せパンダ」のような存在だったとしか思えないのです。

 

物の言い方は父親の純一郎氏を意識して真似て,だけど実際の発言や回答については聞かれたことに対してストレートに答えようとせず,はぐらかしたり,「ポエム」と揶揄されるような意味不明なものが多いのです。

 

現在小泉氏は環境相ですが,その前任の原田義昭前環境相は,東電福島第1原発で増え続ける汚染浄化後の処理水について,退任直前に「(処理水を海洋に)放出して希釈する外に選択肢はない」と述べて反発を買いましたが,これは覚悟の上での勇気ある発言,正論だったと思います。処理水が含む放射性物質「トリチウム」は自然界に大量に存在し,紙一枚で遮蔽され皮膚も透過できないほど微弱です。体内に摂取しても速やかに排出され,世界各国がごく普通に海洋放出しているのです。

 

それなのに小泉氏は,環境相に就任するや,福島県の漁業関係者と面談した際には「率直に申し訳ない。」とあっさりと陳謝し,迎合的な発言をして歓心を買い,他方,では30年のうちにこの問題を解決する方策を問われた時には,お得意の「ポエム」を語ったのです。海洋放出後,むしろ彼がやらなければならないのは,風評被害を払拭する努力でしょう。

 

とりわけ強調したいのは,これまで小泉氏の口から国家観,安全保障,歴史認識などについての発言を聞いたことが一度もないことです。私も毎日新聞を読んでいますし(「毎日新聞」ではなく「産経新聞」です【笑】),その他ネットや雑誌などで人並みに情報を得てはおりますが,彼が国家観,安全保障,歴史認識を語っているのを見聞きしたことは一度もないのです。さきほどの世論調査に回答し,彼を次期総理に相応しいと回答した人たちは,これらの点について彼がどのような認識を有しているのか分かっていたのでしょうか。

 

くどいようですが,げに恐ろしきは「民意」かな。

 

先日の産経新聞のコラム「産経抄」には,なるほどなと思えるようなことが書かれておりました。汚染水のことに対する小泉氏の安直かつ迎合的な対応を批判した上で,次のように書いていたのです。

 

「第37代米大統領、ニクソンは著書『指導者とは』で、口達者で雄弁に所信を述べ、マスコミや同僚を驚かす新人政治家について論じている。『当初の珍しさはすぐに薄れ、彼らも「いかに語るか」より「何を語るか」によって採点され始め、まもなく単なるおしゃべりでしかないことが分かる』」

 


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