「西洋の自死-移民・アイデンティティ・イスラム」(ダグラス・マレー著,中野剛志解説,町田敦夫訳,東洋経済新報社)という本を読み終えました。これが三度目です。何度読んでも名著だと思います。日本の伝統,文化,秩序,風俗,地域社会を守るため,立法府を構成する国会議員は必読の書だと思いますし,否,日本国民全員の必読書だと思いますよ。本当に。
私がこの本を下手に要約するより,引用した方が良い。その方がより直接的にこの本の素晴らしさが分かるからです。例えば,表紙カバーの内側にはこうあります。
「●欧州各国が、どのように外国人労働者や移民を受け入れ始め、そこから抜け出せなくなったのか。」
「●マスコミや評論家、政治家などのエリートの世界で、移民受け入れへの懸念の表明が、どのようにしてタブー視されるに至ったのか。」
「●エリートたちは、どのような論法で、一般庶民から生じる大規模な移民政策への疑問や懸念を脇にそらしてきたのか。」
また,この本を解説した中野剛志さんは,次のように述べています(同著3~11頁)。
「『欧州は自死を遂げつつある。少なくとも欧州の指導者たちは、自死することを決意した』そして、恐るべきことに、この書き出しが単なる煽り文句ではなく、否定しがたい事実であることが、読むほどに明らかになってゆくのである。」
「もっとも、この移民受け入れによる文化的な自死という戦慄すべき事態は、対岸の火事などではない。これは、日本の問題でもある。」
「そして日本もまた、欧州の後を追うかのように、自死への道を歩んでいる。」
この本を読んでいて,そしてネットで日々アップされるショッキングな動画を見て,「ああ,私たち夫婦が30数年前に訪れたパリの姿はもうないな。」と思いました。この本には,移民たちによる目を覆いたくなるような,枚挙にいとまがない凄絶な犯罪の数々(殺人,レイプ,強窃盗,傷害など),いわゆる3Kの職場における移民労働者への依存,文化的そして生活上の軋轢,移民労働者が国のGDP成長にはトータルでは寄与しないこと(居座りや家族の招き入れ,高齢化による社会保障費の圧迫)などが具体的データや説得力をもって記述されています。このあたりのことは,先に鬼籍に入られた保守の論客である西尾幹二先生が1990年代から警鐘を鳴らしていた事態なのです。慧眼だったと思います。
日本国の国会議員,いい加減に気づけよ(笑)。
この本を読んでいて毎回私の胸に突き刺さるフレーズがあります。
「それとは別種の正義への訴えが、より保守的な考えを持つ人々から出されてもよかった。そうした人々は、たとえば18世紀の政治家エドマンド・バークと同様の見解を持っている可能性がある。保守主義者のバークは次のように洞察した。文化や社会というものは、たまたま今そこにいる人々の便のためにではなく、死者と生者とこれから生まれてくる者たちが結ぶ大切な契約のために働くものだと。そうした社会観においては、尽きることなく供給される安価な労働力や、多様な料理、特定の世代の良心を慰謝することなどを通じて人々がどれほど大きな恩恵を得たいと望んでも、その社会を根底から変えてしまう権利までは持ちえない。なぜなら自分たちが受け継いだ良いものは、次に引き渡すべきものでもあるからだ。仮に祖先の考え方やライフスタイルの一部は改善可能だという結論に達するとしても、だからといって次の世代に混沌とし、粉砕され、見分けもつかないようになった社会を引き渡すべきだということにはならない。」(同著450~451頁)
これが,この本を読んでいて毎回私の胸に突き刺さるフレーズなのです。ご先祖様が大切に保ってきたこの社会を,私たちだけの都合で(何らの疑念も抱かずに理性万能主義的な発想で),次世代に「(かつてのものとは)見分けもつかないような」社会しか引き継げないようでは困るのです。毎日のように新聞紙上を賑わしている外国人移民の犯罪報道,大阪の特区民泊での中国人の傍若無人の振る舞い,他の乗客が静かに乗車している電車の中でムスリム3,4人が床で礼拝をしている動画などを見るにつけても,日本は西洋の自死の後追いをすべきではないと痛感するのです。
MLBのワールドシリーズも熱戦の末に決着をみました。ロサンゼルス・ドジャースが見事に連覇を達成しました(球団史上初のことですし,9度目の制覇)。第3戦が延長18回までもつれ込み,そして最終の第7戦も固唾をのんで見守る熱戦でした。
敗れたトロント・ブルージェイズも本当に良いチームだと思います。ドジャースのブルペン陣の一人,アレックス・ベシアが家族の深刻な事態を見守るためにロースターから外れ,心配したドジャースのチームメイトが帽子に「51」と表示して臨んだ試合がありましたが(これはベシア選手の背番号),その後ブルージェイズのブルペン陣の選手も帽子に「51」と記して臨んだ試合がありましたね。相手チームにもリスペクトのある良いチームです。彼らが32年ぶりに優勝してもおかしくはなかったシリーズです。
実は私は内心,今年はドジャースのワールドシリーズ優勝は厳しいのではないかと思っていました。打線はそんなに爆発的ではないし,ブルペン陣が不安定でしたからね。それに,対戦相手となるチームがどれもこれも強豪ぞろいでした。フィラデルフィア・フィリーズ,ミルウォーキー・ブリュワーズ,トロント・ブルージェイズ・・・。綱渡りの感はありましたが,ドジャース本当によくやりました。
それにしてもワールドシリーズMVPに輝いた山本由伸投手の獅子奮迅ぶりは我々を感動させました。すごい選手ですね。あっぱれです。肩を壊してしまうのではないかと心配しましたが,正にチームの救世主でした。第3戦の大谷翔平選手の2つの本塁打,2つの2塁打,9打席連続出塁というのも凄い。
あー,とうとう終わってしまった。来シーズンの開幕戦まで首を長くして待たねばなりません(笑)。一日千秋の思い。MLBロスという喪失感がありますね。心にぽっかり穴が空いてしまったような(笑)。楽しみの一つが当分なくなってしまいました。悪いけどプロ野球はもうMLBしか観ていません。日本のプロ野球には興味がなくなってしまったのです。
大谷翔平というユニコーンはエンゼルス時代から応援していましたが,本当に罪な人です。私をMLBに夢中にさせ,私から日本のプロ野球に対する興味を失わせたのですから(笑)。本当に罪な人だ。
いや,とても佳い季節になりましたね。私は一年中で今の季節,気候が一番好きです。当然に行き帰り徒歩通勤を再開しております。いろいろな景色を目にしながら,散歩がてら職場に向かい,適度な運動もできる訳です。これから雨の日を除き,そして再び夏を迎えるまではこんな通勤スタイルです。
私もうちのカミさんも,デパートで随時開催される「北海道物産展」などを楽しみにしているのです。何といっても食べ物が美味しいですからね。そんな時,うちのカミさんは北海道の美味しい品々を買い込んできて,内心密かな私の期待どおり「ROYCE’のポテトチップチョコレート」もほぼ欠かさず買ってきてくれます。
夫婦そろってこれが好きなのです。暗黙の了解というやつです(笑)。未必の故意といってもいい(笑)。よくよく考えてみれば,ポテトチップスは高カロリーであんまり体には良くないと思いますし,さらにその上に糖分たっぷりのチョコレートがコーティングされているのですよ。高齢者にはどうかと思います。でも好き嫌いは理屈抜き・・・。好きなものは好きなのです。この時は私とカミさんはいわば共犯者です(笑)。二人で食べれば怖くない。
「ベニスに死す」で好演していたあの世界的な美少年俳優,ビョルン・アンドレセンが70歳でこのたび亡くなりましたね。あの美少年が70歳でしたか。光陰矢の如し,そして無常を思います。そりゃあ私も歳をとるはずだ。私の独身時代だったと思いますが,名古屋駅の裏側にあった名画座で「ルキノ・ヴィスコンティ特集」というのをやっていまして,この「ベニスに死す」,「熊座の淡い星影」,「ルートヴィヒ」を立て続けに観た記憶です。「ベニスに死す」では,アンドレセンの姿とともにグスタフ・マーラーの交響曲第5番第4楽章「アダージェット」の美しくも切ない旋律が流れていました。合掌
俳優といったら,このたびロバート・レッドフォードも亡くなりましたね。とにかく格好よかった。ポール・ニューマンとのコンビで私たちを楽しませてくれましたし,魅了されました。「明日に向って撃て!」はストーリーが切なく,破滅的ではありましたが,やはりポール・ニューマンとロバート・レッドフォードの競演でした。主題歌「雨にぬれても」がこれまたとてつもなく佳い曲です。いくらジジイでも,この曲をカラオケで英語で歌えたら恰好いいだろうなあ(笑)。「スティング」もやはりこの二人の競演で痛快でした。ああ,レッドフォードも亡くなりましたか。無常。合掌。
MLBはポストシーズンも佳境に入り,いよいよそれぞれリーグ優勝決定戦が行われています。アメリカン・リーグでは,これまで一度もワールドシリーズに進出したことがないマリナーズ(シアトル)が,強豪ブルージェイズ(トロント)を相手に2連勝して優位に立っています。
ナショナル・リーグでは,ドジャース(ロサンゼルス)がこれまた強豪のブリュワーズ(ミルウォーキー)を相手に2連勝しております。レギュラーシーズンではブリュワーズに6戦6敗でしたので,ドジャースはよくやっております。明日からは本拠地での3連戦です。何よりブレーク・スネル,山本由伸という二枚看板の先発がものすごいピッチングを披露しております。本拠地でのこの3連戦で何とかワールドシリーズへの進出を決めてもらいたいものです。
さて,わが大谷翔平選手です。このポストシーズンでは,残念ながらほとんど精彩を欠いております。ワイルドカードの対レッズ戦(シンシナティ)ではそこそこの成績だったのですが,地区シリーズのフィリーズ戦(フィラデルフィア)では,18打数1安打,1打点,打率・056でしたし(9三振),リーグ優勝決定シリーズのブリュワーズ戦ではここまで,7打数1安打,1打点,打率・143と低迷しています。
もうこれは相手チームの分析でも明らかになっているように,そして素人にも頷かれているように,大谷選手はアームアングルの低い左投手(サイドスローに近い角度)にめっぽう弱いんですね。大谷選手は対右投手の時とは異なり,対左投手の時はオープンスタンスに変更します。そして左投手からインコースを意識させられつつカウントで追い込まれると,決まってアウトコース低めに流れるスライダー等に泳いでしまって(腰が引けて),空振りして三振なのです。フィリーズもブリュワーズも大谷選手に対してはこれでもかという具合に左投手をぶつけてきました(分析,対策済みなのです)。
スタンス的にこれと顕著な違いを見せているのは,いずれも左打者のフリーマンとマンシーです。彼らは決してスタンスを変えませんので,左投手だろうが何だろうが踏み込んで果敢にスイングできます。大谷選手もやはり弱点は克服しないといけないでしょうね(素人の分際で偉そうに言ってしまいましたが,先に述べたような形での三振【見逃しを含む】が多すぎるのです)。
さはさりながら,いつもながら疑問に思っているのは,ロバーツ監督の記者会見場などでの選手,特に大谷選手への小言です。ロバーツ監督は,10月11日の記者らとのオンライン取材の際に,あの打撃では優勝できない,外側のボール球を積極的に追いかけすぎだなどと小言を言っていたのです。
思うに,こんなことは試合後に本人に直接,あるいはコーチを通じてアドバイスすべきことであって,公開処刑のように公の場で述べることではありません。このような公の場での小言が大谷選手の心理に微妙に影響を与えないはずはないと思います。
ロバーツ監督については,私にはいわれるほど名将とは思えません。今シーズンも選手起用や継投で失敗した試合は割と多くあると言われておりますし,バント,ヒットエンドラン,盗塁などなど,他チームの監督が必要に応じて適時・適切に駆使しているような戦術が見られないのです。失礼ながら。
名将というのは,例えばブルース・ボウチー監督のような存在ではないでしょうか。年齢的な問題でしょうか今期でレンジャーズ(テキサス)の監督を退任しましたが,ジャイアンツ(サンフランシスコ)を3度ワールドチャンピオンにし,レンジャーズ(テキサス)を創部以来初のワールドチャンピオンに導いた監督です(通算2253勝)。風貌も落ち着きがあり,人柄も良さそう。
ちなみに,呵々というのは大声で笑うこと,大笑というのは思う存分笑うことを指します。この2日間で私としては呵々大笑したとても嬉しい出来事が3つありました。
1つ目は,麻雀で四暗刻(役満)をアガることができました。私の麻雀歴はまだ浅いのですが,役満でアガったのはこれが初めての経験です。相当に嬉しい(笑)。確か,白(ハク),四萬(スーマン),七索(チーソウ)がそれぞれ暗刻になり,三筒(サンピン)と發(ハツ)がそれぞれ対子になっていて,見事に發をツモって役満達成です。
2つ目は,MLBのポストシーズン(地区シリーズ)で,4戦目にドジャースが強敵フィリーズに辛勝し,3勝1敗で何とかナ・リーグシリーズに進出したことです。良かったですね。ちょっと大谷翔平選手の調子が上がらないのが気になりますが。次の対戦相手はブリュワーズとカブスの勝者です(双方2勝2敗)。何となくですが,ブリュワーズは強いチームだなと思っており,むしろカブスの方が与しやすい感じですので(笑),カブスに勝ち上がって欲しいと思っています。
3つ目は,これが一番嬉しいのですが,26年間も続いてしまった自公連立が解消し,政権から公明党が離脱してくれたことです。呵々大笑。今も動画を見ることができますが,平成25年の党首討論で,石原慎太郎さんが当時の安倍晋三首相に対し,「私、あえて忠告しますけど、必ず公明党はあなた方の足手まといになりますな。」と直言しました。その時に議場にいた議員だと思いますが「無礼だ!無礼だ!」とヤジを飛ばしたら,石原さんは「いや、本当のことを言ってるんだ。君ら反省しろよ。」と言い返していました(笑)。
それに,第二次安倍内閣の時のいわゆる安保法制審議の時,関連3文書の改定を巡って,当時の麻生太郎副総理がブレーキとなった公明党の代表らを名指しで批判し,「一番動かなかったガンだった。」と言っていました。このような石原さんや麻生さんの見解は至極もっともで,私も快哉を叫んだものでした。何が悲しくて26年も連立を組んでいるのかといつも思っていましたし,全体から見れば少数政党であるにもかかわらず下駄の雪のようにへばりついて,政策を歪めてしまうような存在でしたね。
今も覚えているのは,3年前,令和4年2月1日には,中国の新疆ウイグル,チベット,内モンゴルの各自治区や香港での人権問題に関する決議が衆議院本会議で可決された時のことです。当初はこの決議文の内容として人権弾圧を重ねる中国政府への非難を盛り込むはずだったのに,与党内調整の過程で親中の公明党の提案を自民党が受け入れてしまい,結果的に決議文からは「非難」,「人権侵害」の文言が削除され,「中国」の国名も明記されなかったのです。欧米はこぞって中国の人権弾圧状況を明確に非難していたのに・・・。このようにいつも政策が歪められてしまうのです。骨抜きになってしまうのですよ。
今度の自民党総裁選の前の段階でも公明党は,「私たちの理念にあった方でなければ,当然連立政権を組むわけにはいきません。」などと明らかに高市早苗さん選出を牽制するような姑息な真似をしていましたし,高市さんが総裁に選出された後には,靖国神社を参拝しないことや歴史認識問題などを連立維持の条件として付きつけたり,いったい何様のつもりなんだと思っておりました。10月6日のその協議の前には,公明党代表は国会内で中国の呉江浩駐日大使を面会していたという情報もあります。中国共産党から圧力でもかけられているのでしょうか。
長年にわたって国土交通大臣ポストを公明党に独占させてきたのも極めて不可解なことでした。そして,公明党の選挙協力がなれば当選しないような自民党議員はその程度の存在なのだから,創価学会票などあてにしないでもっと議員として,立候補者として努力をしなさいと言いたい。例えば,優秀で国家観の定まった小野田紀美参議院議員(岡山県選挙区選出)のように覚悟を決めなさい。
自公連立政権解消,良かったね。呵々大笑。
