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弁護士ブログ

2010/02/16

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 鳩山由紀夫という人の定見のなさ,存在の軽さ,無責任さ,これはもう宿痾のようなものであろう。思えばこの人が内閣総理大臣に就任して以降は,その場限りの言動によって釈明に追われてきた。国語辞典によると,釈明というのは,誤解や非難などを受けた時に自分の立場や事情などを理解してもらうために説明すること,とある。正に釈明につぐ釈明の連続であった。米軍海兵隊普天間基地移設問題しかり,このたびの「子ども手当」の財源問題にしてもしかり。

 

 この人は,子ども手当の支給について,2月14日には「財源は無駄を削減するなかで,余裕ができた分だけやる仕組みを作ろうと思っている。」と発言し,マニフェストでうたわれた1人当たり月額2万6000円の満額支給にはこだわらないとも受け取れる発言をしたかと思うと,これを問いただされた翌15日は,平成23年度は当然予定通り,満額をやる。そのための財源も,歳出削減を徹底的にやって生み出していく。」と釈明している。どう考えても論旨,趣旨が一貫しているとは思えない。それに,このこども手当の満額支給を本当に実施すると5兆円を超える財源が必要になる。でもどう見てもこの人よりはものを知っていると思われる野田財務副大臣も峰崎財務副大臣も口を揃えてそんなことは困難だと述べた。この鳩山という人は本当に成算があってものを言っているのか極めて疑わしい。言葉が軽すぎるのである。

 

 陸上自衛隊の中沢剛一等陸佐が2月10日の日米共同訓練開始式で,「同盟は外交や政治的な美辞麗句で維持されるものではなく,ましてや『信頼してくれ』などという言葉だけで維持されるものでもない。」と訓示した。これにより彼は注意処分を受けた。軍律からしてこれは仕方がないという見方もあろう。彼が引用した「信頼してくれ」という言葉は,オバマ大統領が来日した際にこの鳩山という人が発した「Trust Me」という言葉の引用に恐らく間違いない(中沢氏本人は否定しているが)。しかしこの鳩山という人は,その舌の根も乾かないうちに同盟国のトップを裏切るような発言をしている。この人や民主党政権以外の現場の人間やアメリカの政権担当者,現場の人間のほとんどは現状に危機感を抱き,憂慮しているはずである。鳩山という人の度重なる無責任発言と比べれば,中沢一等陸佐の発言は極めて真っ当である。

2010/02/01

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 今,この日本国の首相という立場にある鳩山由紀夫という人の施政方針演説を聞いていて,本当にイヤになった。こういう人を国のトップにいただかざるを得ない国民の不幸を心の底から思うのである。この人は,あのマハトマ・ガンジーの「七つの社会的大罪」を引用していた。臆面もなくである。

 

 この人が「理念なき政治」と述べた時,思わず苦笑してしまった。どの口がそのように言っているのだと・・・。これほど理念,定見のない首相も珍しいのである。「いのちを守る」,「友愛」,「コンクリートから人へ」などといったフレーズは連発しているが,この国を今後具体的にどのようにしていくのかについての具体的,説得的かつ裏付けのある政策はないのである。空虚である。例えば,この国の安全保障についての確固たる理念があるのか。米軍海兵隊普天間基地移設問題についても,今年の5月までに覚悟をもって決定すると大見得を切っているが,これは日本としての案を確定するという趣旨か,同盟の相手方であるアメリカとの間でも成案を得るという趣旨か,はっきりしない。それにこの人は,これが実現できなくても自分が辞めれば責任をとったことになると安易に考えていないか。事は十分な抑止力を維持すべき安全保障の問題なのである。沖縄にも,連立のパートナーにも,決して裏付けがあったとは言い難いマニフェストにもよい顔をしながら,結局はこの問題が暗礁に乗り上げたままに終わるというのでは,あまりに無責任であり,同盟関係に回復しがたいほどの打撃を与える結果となる。この人がアメリカのオバマ大統領との会見の際に,自分の思いつきの友愛ボートのプランを得意げに述べ始めた時,困ったなという顔で大統領から途中で言葉を遮られたのは有名な話である。

 

 さらに,施政方針演説でこの人が「労働なき富」が社会的大罪だと述べた時,開いた口がふさがらなかった。一体誰のどの口がそんなことを言っているのだ。これを噴飯という。母親から約5年間にわたって月額1500万円,総額約9億円もの「子ども手当」をもらっていたこと自体,正に「労働なき富」というのではないか。このような人がガンジー師の言葉を引用するのは極めて不遜である。民放テレビのあるゲストコメンテーター(女性の大学教授)が,施政方針演説の内容としていかに高邁な理念が述べられていても,この人(鳩山首相)の存在自体が軽過ぎて,説得力がないとコメントしていた。

 

 僕は,子どものころは政治のことはよく分からなかったが(今もだけど・・),首相(総理大臣)という存在にはそれぞれ功罪はあっても尊敬の念はもっていた。例えば,池田勇人,佐藤榮作など。でも,こういった人たちとこの鳩山由紀夫という人とは,比較するのも罰当たりなことである。

 

 もう国会審議もどうしようもなくなっている。閣僚席にいる閣僚が,質問者にヤジを飛ばしているのである。また,菅直人財務大臣は,国の財政のトップたる地位にありながら,マクロ経済学のイロハである消費性向と乗数効果との関係も理解していないようだし,その過去の発言内容から,政府支出がGDP(国内総生産)の重要部分であることを理解していないフシもある。この国はどうなってしまうのであろうか。

2010/01/29

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 民主党幹事長小沢一郎氏の資金管理団体「陸山会」の土地購入を巡る事件は,国民に多くの疑惑を生じさせている。いや,普通に批判能力のある国民は疑惑の目を向けてしかるべきである。平成22年1月25日の読売新聞朝刊(くどいようですが,巨人ファンなんです)の記事は,この問題に関する疑惑の内容を要領よくまとめていた。その記事を要約すると・・・

 

 陸山会が平成16年10月29日に東京都世田谷区の不動産を購入した原資について,小沢氏の説明では,①父親(小沢佐重喜氏)から相続した湯島の自宅を売却して現在の自宅を購入した残りの2億円,②家族名義の銀行(信託)口座から平成9年に引き出した3億円,③やはり家族名義の銀行(信託)口座から平成14年に引き出した6000万円だという。しかし,このような説明には,次のような疑問がある。

 

 ① 家族名義で銀行に預けていたという3億6000万円について,これが小沢氏の個人資産だというなら,何故家族名義にしていたのか。
 ② もしこの3億6000万円がその「名義」どおり,家族に贈与していたとするならば,贈与税支払義務が生じ,贈与された家族は贈与税を支払わなければならなかったはずである。
 ③ 小沢氏は,このように家族名義にしていた理由について,「(自分の身に)万が一何かあった時のために分けておいた」と説明しているというが,その一方で,小沢氏は家族名義の口座から引き出した現金を,元赤坂にある小沢氏の個人事務所の金庫に保管したと説明しており,自身に何かあった時のために家族に贈与した資金を再び自分の事務所に保管するというのは不自然である。
 ④ また,これらの資金が家族に贈与したものではなく,小沢氏自身の金を家族の名義だけを借りて銀行に積み立てていたとしても疑問が残る。なぜならば,小沢氏の資産報告書ではこれまで「預金・貯金・郵便貯金・金銭信託」(普通預金などを除く)の項目はいずれも「該当なし」と記載されていた。

 

 この新聞記事が要領よくまとめた疑惑の内容は以上のとおりである。正にそのとおりである。それにしても,自分の身に万が一のことがあった時のために3億6000万円もの多額の金銭を家族名義にしていたというが,普通に考えれば「万が一」というのは死亡のことであろう。死亡すれば相続が開始する訳で,これらの金銭は何もしなくても愛する家族が相続分に応じて相続することになる。説明としてピンとこないのである。いやーそうすれば多額の相続税がかかってしまうではないか,という反論に対しては,じゃあー,来るべき相続と相続税の支払を免れるために(脱税)家族名義にしていたのですか,しかも贈与税の支払も免れて,という再反論も成り立つ。いずれにしても,先日の小沢氏の記者会見における説明で疑惑は晴れたとご本人が思っているのであろうか。もしそうだとすれば,底抜けの楽天家か,度し難い確信犯であろう。

 

 あれあれ,今朝の毎日新聞にもすごいことが書かれている。それによると,陸山会の口座をめぐって平成16年12月から17年5月にかけて総額約13億円の出し入れの事実が存在するのに,政治資金収支報告書に記載されていないことが明らかになっている。その大金のやり取りは,小沢氏が実質的に運営する政治団体「改革フォーラム21」との間でのやり取りのようだ。しかも,この「改革フォーラム21」の口座には,さきほどの約13億円の資金移動に先立つ平成16年10月に,約15億円が現金で入金されていたにもかかわらず,そのことも収支報告書に記載されていない。さらに,その2年前の平成14年,当時小沢氏が党首だった自由党から,同党幹事長だった藤井裕久前財務大臣に15億円余の政党交付金が「組織対策費」として支出され,使途が分からないままになっているが,この資金が入金された可能性も指摘されている。藤井前財務相の辞任は本当に健康問題だけの理由だったのだろうか。

 

 それにしても,それにしても本当にびっくりなのは,民主党の他の議員からその政党の自浄能力を示すような言動が全く見られないことである。こぞって小沢氏をかばおうとする言動だけが目立ち,すごく異様である。この政党は本当に「民主」党なのだろうか。
                 

2010/01/22

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 僕は巨人ファンだし,新聞は読売新聞を読んでいる。読売新聞に掲載された「日本の針路」というシリーズがあったのだが,先日素晴らしい記事にめぐりあった。総合科学技術会議員の白石隆さんの「『科学立国』を掲げよう」という記事である。

 

 僕などが下手に要約してもどうかと思うが,要するに,日本という国は先端的な科学技術を有しており,これをますます保護,発展させて人類に貢献しよう,そのためには有為な人材を確保し,中長期的な視点で研究を暖かく見守ろう,「科学立国」というのも日本のアイデンティティーの一つではないかということであろう。

 

 この白石隆さんは,総合科学技術会議の議員として,資金助成の対象になる先端的な研究者30人の選考に関わり,650以上の提案を読み,100人近い人の話を聞いたそうだ。その時「日本にはすごい研究者がいる」と本当に元気になったという。例えば,iPS細胞(新型万能細胞)を作った山中伸弥京大教授,超伝導で論文引用数が世界一になった細野秀雄東京工大教授をはじめ,その他にもいずれ産業化にも結びつく先端的な研究者が日本にはいっぱい存在する。

 

 民主党が政治ショー化したいわゆる事業仕分けで,スーパーコンピュータ開発費用をカットする話しが出た後,外国企業が日本の技術者引き抜きを図っているという噂まで流れたようである。また,iPS細胞(新型万能細胞)を作った山中教授もアメリカへ行けば年俸は簡単に数倍になるにもかかわらず,行かないのはやはり日本に世界的な研究センターを作りたいからであろうと言われている。そういう有為な人材,そしてそれに陸続と続く若い研究者を保護しなければならないのは言うまでもない。民主党の蓮舫という国会議員は,鬼の首を取ったように「1番じゃなきゃだめなんですか。なぜ2番じゃだめなんですか。」とのたまったという。知的財産権においても先願主義が支配し,1番じゃなければだめなのだ。こういう手合いが事業仕分けを仕切っているとは。それに科学技術の分野は,目先のしかも短期的な効果をすぐに期待してはいけない。目に見える形ですぐに効果が出なければ何でもかんでも予算をカットするというスタンスでは,有為な人材は海外に流出し,仮に国内にとどまったとしても研究意欲がそがれてしまうであろう。記事には,次のようなくだりがあった。

 

 「日本が輝いている部分はたくさんある。省エネで賢い生活スタイルを創り出せるかもしれない。素材や部品も強みだ。電気自動車の時代がくれば,日本のモーターなしに世界は車を作れなくなるかもしれない。日本は覇権を求めたり,説教して回ったりする国ではない。しかし,先端的な科学技術を生かして縁の下の力持ちになり,人類の生活や安全や繁栄を支える-そんな役割は日本人の性に合っている。それをこなす力も衰えていないと思う。」

 

 ・・・・・うーん,正にそのとおりだと思う。資源のない日本は人こそ資源である。先日得た情報では,海洋研究開発機構は,現在,地上で排出した二酸化炭素(CO2)を海底に輸送して閉じこめ,将来はそこで微生物の力で天然ガスに転化して活用する研究にも乗り出したという。・・・よく分からないが(笑),何だかすごい。

2010/01/19

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西 郷「キャーッ,大久保君と飲めるなんてうれしぃーっ。」
大久保「・・・お前,何をそんなにハイになってるんだ。」
西 郷「政治の話だけど,民主党の政権って,もう底抜けだなぁ。不安を通り越して,もうヤケクソだぁー。」
大久保「あぁ,政治に対するヤケクソでハイになっちゃったんだ。オレも鳩山首相の脳天気と小沢幹事長の傲岸ぶりには,脱力感というか,絶望感というか,・・・21世紀は始まってまだ少ししか経ってないんだけど,もう世紀末的な気持ちになっちゃって・・・」
西 郷「ふんじゃぁ,酔余のおフザケで俳句でもひねり合おうか?」
大久保「オレは俳句なんてやったこともないが,季語のないやつでもいいか?」
西 郷「ここは居酒屋だ,何でもありだ。まずはお前からだ・・」
大久保「そうだなぁ・・・『悪相も このときだけは えびす顔』」
西 郷「・・・何だそれ?悪相の主が小沢幹事長だというのは察しがつくが・・・。」
大久保「小沢幹事長が民主党の国会議員143名を含む総勢600名を超える大集団で中国に行った時のことを詠んだんだ。」
西 郷「ああ,アレね。臨時国会もそこそこに引き揚げて,その一方で彼らは中国に一体全体何をしに行ったんだ?」
大久保「さぁ・・・」
西 郷「プリクラじゃあるまいし,中国の国家主席と握手のツーショットをポンポンやっただけだろう。あんなことをやって一体何が嬉しいんだ。あんなことで有頂天になっているような資質を疑う議員の歳費を払うために,オレたちは血税をとられているのか。」
大久保「おっしゃるとおり!・・・・・お前,このおでんの玉子食べないのか?」
西 郷「・・・・・パクッ。」
大久保「あぁ,食べちゃった。狙ってたのに・・・。」
西 郷「お前の玉子はお前がさっき食べたじゃないか。このコンニャクで我慢しろよ。」

大久保「・・・。じゃ,今度はお前がひねる番だ。」
西 郷「ハイ,わかりやした。・・・『熱い灸 すえたつもりが すえられき』」
大久保「・・・あぁ,判った。これはお前の持論だったな。要するに,去年の総選挙で有権者の多くは自由民主党にお灸をすえるつもりで民主党に投票して308議席も勝たせちゃったけど,結局は,今はその有権者自身が民主党から熱ーいお灸をすえられつつあるということだろう。」
西 郷「ハッ,ハッ,ハッ,そういうことだ。・・・笑い事じゃないけどな。」
大久保「予算編成はできたけど,過去最大の赤字国債発行高。少子化対策なんかのためには,待機児童解消に直結する施設や人的スタッフの充実こそ急務なのに,飲み食いやパチンコ代に消えかねない『子供手当』だと。それに経済の成長戦略も何もない状態。国際的にはあれほど評価されていたインド洋での給油活動をただ止めてしまった。資源の少ない日本は何としても国際的に協調してシーレーンを確保しなければならないのに,国際的な貢献度や評価が低下する一方だ。それに今後はこの地域に関する情報も得られにくくなる。鳩山首相が考えている代替案だが,汚職の疑惑のあるカルザイ政権にお金を渡しても意味があるのか。それから,そのうちに永住外国人の地方参政権法案まで通常国会に提出されるぞ。」
西 郷「・・・・・・あぁ,気が滅入る。大久保,スゴイやつをもう一句くらいひねったらどうだ。」
大久保「やっぱり,おでんの玉子もう一個注文していいかな。」
西 郷「いいけど。ついでにオレは牛すじ,頼んでくれ。」
大久保「・・・・・よし。二個目の玉子も食ったことだし,もう一句ひねるわ。・・・・・『民主党 やらせてみれば この始末』」
西 郷「アーッ。それは,『民主党』以外は盗作だろう。何かの雑誌に載っていたコピーだろう。」
大久保「バレたか。でも秀句だと思わないか?佳作だぞ。」
           

2009/12/16

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 このたびの天皇陛下と中国副主席との引見をめぐる一連の動き,小沢一郎民主党幹事長(以下「この人」という。)の記者会見での言動を見ていて,非常な不快感を覚えた。陛下が高齢であることに加え,その公務が多忙であること,また術後の十分な経過観察等が必要であることなどから,いわゆる「1か月ルール」は定着し,陛下自身も,これまで相手国の国の大小や立場にかかわりなく,公平を旨として会見,引見をされてきたと聞いている。今回の中国側からの申し入れは「1か月ルール」を破るものであり,以下新聞報道によると,政府は11月30日の段階で正式に引見が無理であることを中国側に通告した。このルールの存在及び75歳と高齢の陛下のご健康が万全とまではいえないことがその理由である。

 

 ところが,中国側はあろうことか駐日大使館を通じて「なりふり構わぬ」巻き返しを図ってきた。12月9日にも駐日中国大使が官房長官に重ねて引見の実現を求めたのに対し,この時点でも官房長官は「陛下の体もあって大変厳しい」と明言を避けていたという。しかし翌日(12月10日)には,この人(小沢一郎)による例の民主党国会議員143名を引き連れた大訪中団出発が控えていたこともあり,結局は官房長官から宮内庁長官に引見実施の強い指示がなされたという。この間に何らかの強引な力が働いたことが十分な合理性をもって推察できる。安部晋三元首相が指摘するように,例の大訪中団の歓待と今回のご引見とはセットになっていたのではないかと思う。

 

 新聞紙上では「政治利用」ではないかということが問題とされており,この人やその傀儡ともいうべき鳩山首相はこれを否定しているが,明らかに「政治利用」であると評価せざるを得ない。今回の引見が実現されたのは,相手方が中国であったからであろう。今回の引見に際し,本来であれば掲げられないはずであるのに,東京・霞ヶ関や首相官邸周辺には中国の国旗が掲げられていたことがそれを如実に物語っている。前にも述べたように,陛下自身はこれまで相手国の国の大小や立場にかかわりなく,公平を旨として会見,引見をされてきたのである。それに「政治利用」というのは,利用するしないという自らの意思だけでなく,利用されているという観点も重要なのではなかろうか。さらに,このようなことが繰り返されれば,日本なんて国はゴリ押しすれば何とでもなるといった誤ったメッセージを送ってしまうことになる。今回の「1か月ルール」を破っての引見の実現,何の目的なのかピンとこない大訪中団に引き比べてみると,普天間飛行場移設問題におけるアメリカという同盟国の軽視状態はとても理解できない。

 

 それにしてもだ。この人(小沢一郎)の記者会見での発言には心底怒りを覚えた。発言内容の詳細についてはもうあれこれ言わないが,陛下のご体調が悪ければ他の優先順位の低いものを取り止めればよいといった趣旨の発言をした。傲岸不遜である。この人の頭の中では,天皇陛下という存在がどのようなものとして位置づけられているのか。それに,この人は「天皇陛下ご自身に聞いてみたら『手違いで遅れたかもしれないけれども会いましょう』と必ずおっしゃると思うよ」とも発言した(産経新聞)。重ねて言わなければならない,傲岸不遜である。このような人間に陛下の大御心が分かる訳がない。それに,このような物言いは,陛下に対し,そのように発言し,思ってしかるべきだとでも言っているようなニュアンスがある。このような恫喝的体質はこの人の宿痾のようなものかもしれない。今回の一件で,宮内庁には今回の対応を応援する趣旨の夥しい数のメールが殺到し,民主党には夥しい数の抗議がなされているという。普通の日本人のメンタリティーだったら,この人の記者会見での発言,態度には眉をひそめるのではないだろうか。

 

 また,この人は,訪中の後に訪韓した際,天皇陛下の訪韓についても言及したというし,永住外国人の地方参政権の法案提出,実現についても言及したという。このような人が民主党を牛耳っているのである。今の自由民主党の現状には失望しか覚えないものの,自由民主党にお灸をすえようとして民主党に投票した人は,自らが徐々にお灸をすえられ始めていることに気づくべきだ。

2009/12/08

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 いよいよ凄いことになっている。米軍普天間飛行場の移設問題をめぐる鳩山由紀夫首相の迷走である。この問題については,前にもこのブログで触れたので繰り返すことはしないが,取り返しのつかないことになるのではないかと本当に危惧している。

 

 ここまでくると,この人の頭の中には安全保障というカテゴリーがなく,しかも,この問題に限らず想像力というものが人より劣っているのではないかと思う。安全保障面からすれば,現在の日本を取り巻く状況を客観的に判断した場合,日米安全保障条約(日米同盟)を基軸とせざるを得ないのは明らかである。彼は口ではそう言っているが,行動面では全くそうはなっていない。安全保障や外交に関して助言をしている人は存在するようだが,本当の意味で「有力な」ブレーンはいないに違いない。結局は,衆議院議員わずか7名の社民党との連立の維持と日米同盟との2つを天秤にかけてしまい,これまでのところ前者を優先して年内解決を先送りしようとしている。これは明らかに国益に反している。このままでは,十数年かけて検討を続け,ようやく国家間の合意に至り,名護市や沖縄県が何とか苦渋の選択をした状況がご破算になり,ひいては普天間飛行場の危険除去,住民の不安解消もおぼつかなくなっている。つまり,政権交代によってより悪い方向に進んでいると評価せざるを得ない。

 

 とうとう産経新聞には次のような記事が掲載された。つまり,オバマ大統領の初来日を控えた11月初旬に,在日米軍再編交渉をめぐる米側責任者だったローレス元国防副次官と会談した安倍晋三元首相は,ローレス氏から,鳩山首相に関し,アメリカにとって(1)同盟国のリーダーとしては扱えない,(2)戦略的な話はできない,(3)情報は共有できないの3点を指摘されたというのである。えーっ!そんなの,日本の外交,安全保障にとって一大事じゃないの!

 

 「最後は自分が決める」と啖呵を切った鳩山首相は,現在のところこの問題を先送りしているが,本当に自分自身の明確なヴィジョンと成算があるのだろうか。岡田外相はお手上げの状態で,早期に首相の決断が必要だということを示唆している。この問題に関する民主党のマニフェストの内容は,本当に裏付けと成算のあるものだったのだろうか。極めて疑問である。

2009/12/04

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 いわゆる事業仕分けという作業がテレビで公開されていた。ネットでも視聴が可能だったようだ。確かに,高級官僚の天下りや「渡り」の受け皿となっている訳の分からない独立行政法人の,大して意味もない事業に血税がつぎ込まれるようなことがあってはならない。私達の血税は有効かつ適切に生かされるべきだ。

 

 ・・・・・・だが,しかし・・・その事業仕分けの状況を見ていたら,絶えず説明や発言を遮られ,矢継ぎ早の紋切り型の質問責めに遭い,時間的に急かされ,初めに結論ありきの異様な雰囲気の中での無力感に苛まれている状況に陥っているのが,あたかも自分であるかのような感じがして,見るに堪えなかった。

 

 新聞報道によれば,この事業仕分けそのものやこれが公開されたことについて,約7割くらいの国民が積極的に評価しているようである。無駄な税金の使われ方が抑制されること自体は僕も評価するが,あの公開された状況を見て,かなりの割合の国民が本当に快哉を叫んでいるのかは疑問である。何より,あの民間から選ばれた仕分け人の資質や能力に疑問がある。的外れな質問を平気でしていたし,何よりも人の説明を聞こうとする姿勢に欠け,初めに結論ありきのスタンスが露骨に現れている者もいた。また,取り仕切っていた議員自体も,防衛省関連の施設と東京ディズニーランドを同一の目線で比較するなどといった,これまた的外れな認識を示していた。一説によると,彼らは各事業ごとの専門知識がある訳ではないから,財務省が予めマニュアル様のものを作成して用意し,それには質問やチェック項目,想定される問答(各担当者がこう説明したらこう切り返せばよいなどといったもの)などが記載されていたらしい。僕は,民主党としては,財務省の主計官がやっていたことを公開の場で議員や民間人仕分け人にやらせ,国民にアピールしたかったのではないかと穿った見方もしてしまう。あれは一種の政治ショーだ。

 

 いずれにしても,あの殺気だった仕分け現場における雰囲気は,文化大革命において毛沢東語録を振りかざし,反動分子を打ち据え,自己批判を求めている紅衛兵を連想してしまった。ジェット式姿勢をとらされなかっただけ,まだましか(笑)。

 

 この事業仕分けは,前にも述べたように良い面もあるが,問題もかなりある。ノーベル化学賞を受賞された野依教授は「歴史の法廷に立つ覚悟があるのか。」と正論を述べられたし,旧7帝国大学や早稲田,慶應義塾の総長,学長が記者会見したように,科学技術や学問研究は,目先の効果だけを性急に追求するのではなく,中長期的な観点も必要である。資源のない日本は,人材や研究こそがその存立基盤ともいえる。民主党がやみくもに事業仕分けを断行するのは,結局は,マニフェストで約束した「子ども手当」などの財源確保の必要性からであろう。マニフェスト至上主義というやつである。経済学者竹中平蔵氏の論調はあまり好きではないが,彼は,いま民主党がやっていることは,小さな無駄を削って,より大きな無駄を作ろうとしているという趣旨のことを言っていた。たまにはいいことをいうなあと思った(笑)。返す返すも,あの殺伐とした,事業仕分けを支配した雰囲気は,日本人のメンタリティーとはちょっと違うような気がする。

2009/12/03

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 例えば,ある物が修理に出され,それを職人その他の専門業者が修理を完成したとする。その修理代金が支払われない場合には,その修理代金がちゃんと支払われるまでの間,ちゃんと修理した職人さん達はその修理した物の引き渡しを拒むことができる。こういう権利を留置権という。これは民事でも商事でも認められている。

 

 でもね,負傷者や病人が不幸にして亡くなった時,そのご遺体と治療費の関係は,さきほど挙げた例とは全く違うと思う。さきごろ,韓国の釜山の射撃場火災で悲惨な死亡事故が起こった。不幸に見舞われた被害者やご遺族の方々には,心からご冥福とお見舞いを申し上げる。ところが,新聞報道によると,治療等に当たった韓国釜山の病院は,何と,治療費約1000万円の支払を公的機関が保証することを遺体引き渡しの条件にしたという。結局,被害者の故郷,雲仙市は,何よりも遺体の早期引き渡しが最優先ということで,同市長の名で保証をしたとのこと。韓国釜山のその病院は,今回のツアー企画会社が入っていた損害保険で最終的には治療費の支払が確実であるのに,そのような条件を突きつけたのである。

 

 ・・・・・・・僕が思ったのは,確かに診療契約が結ばれた以上,治療費は支払われるべきである。例の射撃場を経営していた主体に対する損害賠償の問題とは別なのである。しかしながら,いかなる意味においても,治療費の支払保証を,遺体引き渡しの条件にするというのは明らかにおかしい。少なくとも,こういうことは日本では考えられない。こういうのは日本人のメンタリティーにはない。

2009/11/20

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 僕としても,このブログであまり政治的なことは書きたくない。もっと楽しい話題,例えば,ぜんまいざむらいとか,新撰組とか,神のように崇めているバッハのことなんかを書きたいのだ。でも,さすがに最近の民主党,とりわけ鳩山由紀夫という人の迷走ぶり,脳天気ぶりを見ていると,話題にせざるを得ない。僕も国を憂えざるを得ないのだ・・・。

 

 それにしても,一体全体,この鳩山由紀夫という人の頭の中はどうなってしまっているのだろうか。きっと凄いことになっているのではないだろうか。米軍普天間基地移設問題をめぐるこの人の言動は,もはや首相としては常軌を逸している。

 

 オバマ大統領が来日した際の日米首脳会談で,同大統領が早期の履行を求めたのに対し,鳩山首相は「Please trust me(どうか私を信じてほしい)」と述べ,同大統領は「Absolutely, I trust you(もちろん,あなたを信じますよ)」と答えたということだ。この米軍普天間基地移設問題の重要性は大統領来日前からアメリカの高官から強調されていたのであり,首脳会談で鳩山首相が特に異議を留保することもなく,このようなやり取りがなされれば,アメリカとしては,設置が合意された閣僚級作業グループでの協議内容が従前の日米合意の早期履行が前提となると信頼するのは当然である。ところが,大統領を日本においたままAPEC首脳会議のためにシンガポールに出かけてしまった鳩山首相は(このこと自体外交儀礼に反すると思うが),あろうことか,「オバマ大統領とすれば,日米合意を前提と思っていただろうが,それが前提なら作業グループを作る必要がない。」と明言したのである。それだったら,その旨を堂々と首脳会談の時に明言しろよ。基軸となるべき同盟国に明らかな不信感を抱かせるような,手のひらを返すようなこの鳩山発言に,民主党の長島昭久防衛政務官ですら「オバマ大統領が『今の日米合意を迅速に実行する』と言ったにもかかわらず,首相が(打ち消すような)話をして正直びっくりした。」とテレビで戸惑うといった始末である。

 

 この基地移設問題の最終決断時期についても,鳩山発言はブレにブレている。10月16日には名護市長選(平成22年1月)と県知事選(同年11月)の間くらいには決断すると明言したのに,その1週間後(10月23日)には,名護市長選の後でと言っているつもりはない,早く結論がでればそれに越したことはない,と前言を事実上翻している。ところが,オバマ大統領との首脳会談の直後,鳩山首相は今度は,「名護市長選にしたがって方向性を見定めてゆくこともある。市長選が全く念頭にないというわけではない。」と発言しているのである。ここまでくると,アメリカは,あきれかえっているのではないだろうか。

 

 どうやら,鳩山首相が何かにつけて名護市長選や知事選に言及するということは,自分自身で高度に政治的な問題に対する判断力,決断力を欠いているものだから,市長選などの選挙結果をバックボーン,力にしてアメリカと再交渉ができればなどといった魂胆なのではないかと穿ってみたりもする。でも,これまで約14年もかけて日米でこの問題を協議し,両国でこれが最良の方法だと合意し,名護市も最終的には苦渋の選択をしたのである。国防というのは同盟国との信頼関係を維持しながら,最終的には国自体が判断しなければならない問題である。この点をめぐる鳩山首相の言動は,その一方で「日米同盟を外交の基軸と位置づけている」との言葉とは裏腹に,明らかに同盟の相手方の不信を買い,国益を損ねている。

 

 鳩山由紀夫という人は,この防衛,安全保障の問題だけでなく,その他のマターでも言うことがコロコロ変わる。変節といってもいい。それは結局,定見がないからである。これに尽きる。奥さんと一緒にファッションショーに登場したり,政府専用機の中で奥さんと指相撲に興じている場合ではない。一国の宰相に定見がないというのは,非常に深刻な事態である。

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