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弁護士ブログ

2010/06/10

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 本日は,「です。ます。」の口調でいきます。思い起こせば,鳩山由紀夫元首相がその地位にいた約8か月半というものは,国内外に恥をさらし,はなはだしく国益を害してしまいました。虚心坦懐に現実を見ると,この人が日本国の首相であったこと自体が正に「国難」だったという「思い」をもっておりました(笑)。

 

 一方,菅新内閣が発足し,新聞報道によると発足時の内閣支持率は64パーセントにまでV字回復したといいます。でもねぇ・・・。それじゃあ,ようやく国難が去ったのかというと僕には到底そうは思えません。国難はあいかわらず続いていると思います。ひとことで言うと,民主党政権が続いている限りは国難は続くと確信しているのであります(笑)。そりゃ確かに,記者会見などでの受け答えという観点から新旧両総理を比較したら,新総理の方が一応まともに見えます。しかし,国の政治というものはその時々の首相個人のみで決まるのではなく,最終的には政権を担当する政党(民主党)の政策目的の達成,政策の実現という形で動いていきます。

 

 具体的には,民主党の掲げるマニフェスト,その背後に隠れてしまっている政策集(インデックス),さらにはその背後に隠れてしまっている支持団体(日教組や自治労など),さらにはその背後に隠れてしまっている左翼思想,自虐史観などなど。これらの人たちや思想,政策の実現に向かっていくのですから,民主党政権が続く限りは国難は続くのであります。よく考えてみれば,民主党には普通はどの政党にもある綱領というものがありません。要するに国の在り方というものをどのように捉え,どういう方向にもっていこうとするのかについての確固たる礎(いしずえ)がないのです。だから「コンクリートから人へ」,「友愛」,「命を守りたい」,「新しい公共」などといったその内包と外延が全く分からない抽象的なスローガンしか掲げられないのだと思います。さきほど,「背後」という言葉を連発しましたが,民主党は,実際には永住外国人の地方参政権付与法案,選択的夫婦別姓法案などを提出し,実現しようとしているにもかかわらず,国民的な議論がわき起こってしまうのを恐れてか,わざとマニフェストからは外しています。菅新首相を含め,民主党の上層部にはこれらの法案成立に極めて積極的な人が多いし,最終的にはその実現を目指しているのにです。卑怯というか恐怖感を覚えます。

 

 それにしても僕がさらに恐怖を覚えるのは,イメージだけで雪崩を打ってしまうかのような有権者の軽過ぎる反応です。「V字回復」だと(爆笑)。僕を含め,衆愚政治の衆愚になってはならないと切に思います。

2010/06/03

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 鳩山由紀夫首相が辞意を表明した。最近の中では最も良い政治ニュースである。数日前に鳩山首相は,「国難に立ち向かって行こう」などと述べて続投を示唆していた。僕はこのコメントを聞いてがっかりした。虚心坦懐に現実を見ると,この人が日本国の首相であること自体が正に「国難」だったからである。

 

 この人の辞意表明の演説の中で,「・・・東アジア、われわれは1つだ。・・・そういう時代を作ろうじゃありませんか。国境を越えて、お互いに国境というものを感じなくなるような、そんな世の中を作り上げていく。」というものがあった。ずっと前には「日本列島は日本人だけのものじゃない。」などと訳の分からないことを口走っているし,外国人地方参政権付与には積極的だし,この人はあまり国や国境というものにこだわりがないようである。評論家としてその空想的な理念や理想を語るのはよいが,国をあずかる首相として,政治面でも軍事面でも日本を取り巻く状況が全く理解できていないのではなかろうか。

 

 北朝鮮の傍若無人振りは周知のとおりである。核兵器を数発保有していると言われている。中国はすごい勢いで軍拡を続けている。台湾や日本に向けて攻撃ミサイルを向けている。さきごろも,中国の潜水艦など10隻が沖縄本島沖の公海を通過して危険な状況を惹起したことが問題になった。しかも,中国はまず近い将来に日本列島から台湾,フィリピン群島に至る第一列島線での制海権確立を目指し,さらにはこれを東方に拡張し,小笠原諸島からグアム,パプアニューギニアに至る第二列島線に至るまでの制海権を確立する計画を示している。アメリカ太平洋軍のティム・キーティング総司令官は,訪中の際に中国海軍から「太平洋を二分し、アメリカがハワイ以東を、中国がハワイ以西を管理することにしよう」という分割支配を提案されたことがあると証言している(新聞報道)。貿易に頼らざるを得ない日本はこれからどうやってシーレーンを確保していくのであろうか。しかも,韓国を含め,これらの国々では反日教育が今も続いているのである。この人が米軍海兵隊普天間基地移設問題で,アメリカという同盟の相手方を徹底的に困惑させ,その信頼を喪失させるという失態を演じているかげで,そんな状態をみてほくそ笑んでいるのは中国である。鳩山という人は,「友愛」を説くだけでなく,現実を直視すべきなのだ。

 

 さきごろこの鳩山首相が全国の知事を招集した席上で,尖閣列島の問題について,「帰属問題に関しては、日本と中国の当事者同士でしっかり議論して結論を見いだしてもらいたい。」などと発言して,石原東京都知事らを唖然とさせた。腰が抜けるほどびっくりしただろう。それも当然である。尖閣列島の領有権は日本固有のものであるという政府の公式見解さえ正確に理解していないのだから。

 

 この人は最終的には辞意を表明したのであり,もうこれ以上は言うまい。では,この人の辞任により「国難」が去ったのかというと,残念ながらそうではないと思う。不肖ながら僕は,民主党という政権が続く限りは,国難は去らないという「思い」を持っています(笑)。

2010/06/02

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 「選良」という言葉は,国語辞典などによると,「選ばれたすぐれた人物。特に,国会議員をさす。」とある。しかし,最近の政治がらみの様々なニュースを見聞きしたり,政治家の言動を見ていると,選良のこの定義に当てはまるような人にはなかなかお目にかかれない。選良という言葉が死語になりつつあるのではないかとさえ思う。

 

 民主党衆議院議員の三宅雪子という人は,平成22年5月12日,民主党などによる強行採決の際,その委員会の委員でもないし審議権もないのに,その議場に乱入した後,室内で転倒した。彼女が言うには野党議員から押されて転倒したということのようだが,動画を何回見てもわざと転んだとしか言いようがない。転倒直前の彼女の表情は「転倒」すべき時期の頃合いをはかっているようであるし,野党議員からは接触されてもいないようである。挙げ句に車椅子に乗ったり,松葉杖を使用したりのパフォーマンス。見ているこちらの方が恥ずかしくなるくらいである。彼女のこういう行為は,サッカーで言えばシミュレーションに当たり,イエローカードか場合によってはレッドカード(一発退場)ものである。

 

 民主党衆議院議員の辻恵という人は,平成22年5月26日,同党の小沢幹事長の政治資金規正法違反事件について審査している検察審査会事務局に自分及びその秘書が電話をし,議員会館の事務所に来て説明するように呼びつけた。2つの検察審査会事務局がこれに応じなかったのは当然であるが,彼のこのような言動が公正を期すべき検察審査事務に対する事実上の圧力になるという認識すらない。この人間は,このような電話をしたことを当初は否定していたが,数日経ってしぶしぶその事実を認めた。卑怯である。またこの人間は,かつてはいわゆる日歯連闇献金事件に関し,検察が故橋本龍太郎氏ら自民党議員を不起訴としたことに対して検察審査会に審査を申し立て,「不起訴不当」の議決をしたことを大いに評価したことがあった。ところが今度は,自己が属する民主党の小沢幹事長の件について検察審査会が「起訴相当」の議決をするやいなや,今度は「司法のあり方を検証・提言する議員連盟」事務局長に就任して検察審査会制度の在り方を見直す方向で動き出している。まことに節操がないし,ご都合主義の極みである。

 

 その他のいわゆる小沢チルドレンや小沢ガールズなどと称される手合いの資質,能力面に対する疑問は底なしである。今度の参議院議員選挙においても,スポーツ選手や芸能人などの有名人候補者が目白押しである。これらの人たちの全てに問題があるというつもりはないが,「さくらパパ」じゃないけど(笑),少なくともその先輩方の中に議員として期待される十分な勉強をし,汗をかき,立派な業績を残した人がいるかというと,残念ながらすぐには思い至らないのである。「選良」という言葉がだんだんと死語になりつつある。

2010/05/27

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 いつも見ていた訳ではないけれど,僕がまだ少年だったころに,「ロンパールーム」という幼児向け番組がやっていた。「鏡よ鏡よ鏡さん・・・」というやつである。その番組では,良い子のにこちゃんと,悪い子のこまったちゃんが登場していた。社民党の福島みずほという党首は,本当にこまったちゃんである。この人や社民党こそ,つける薬がないと思う(もっとも民主党もだけど)。「ロンパールーム」のこまったちゃんは割と可愛いけれど,この党首の場合はそのビジュアル面にその思想,行動をダブらせるとすごく醜悪に見えてしまう。思わずチャンネルを変えてしまいたい衝動に駆られるのである。実際には「また何をバカなことを言っているのだろう。」と思いながらその発言を聞いたあとに変えるのであるが・・・。

 

 この人は,米軍海兵隊普天間基地移設問題に関し,重みをもつ日米共同声明が基本的に現行案(辺野古沖)を前提にし,またその移転先を明記することなどに強烈に反対し,最近では仮に政府方針の中には移転先が明記されなくても,日米共同声明に移転先が明記されることとの関係ではダブルスタンダードだとして,閣議決定に反対,署名拒否をする旨を明確に表明した。あげくに,本来所管すべき仕事もそっちのけで単独で沖縄を訪問したり,テニアンの関係者と会談したりしている。完全に閣内不一致なのではないのか。鳩山首相はなぜこの閣僚を罷免しないのか。昨年末に連立維持を重視して政府案決定を先送りし,同盟の相手国の信頼を喪失してしまった愚を繰り返そうとしている。

 

 社民党というのは,衆議院議員定数480名のうちの僅か7名,参議院議員定数242名のうちの僅か5名という政党である。議席の占有率からすれば僅か1.66パーセントに過ぎない。この政党の党首が「国民,国民」と言ってあたかも国民の意思を代弁しているかのように述べているが,いったいどれほどの支持を得ていると認識しているのであろうか。この党首は,社会主義インターナショナル副議長であるし,少子化対策の担当大臣であるにもかかわらず,家族制度そのものに反対し,「産まない選択 子供を持たない楽しさ」なる本まで出している(笑)。こんな人がこともあろうに少子化対策の担当大臣に任命されているとは,笑えないブラック・ジョークであり,やはり鳩山首相というのは尋常ではない。結局はこの人のことに行き着くのだから,ぐるぐる回っており,ルーピーの状態である。

 

 再び社民党であるが,この政党と党首は政権内や同盟の相手方をさんざん引っかき回して,さんざん困惑させることによって「存在感」を示そうとしているのだろう。極めてネガティブな存在感しか示すことができていない。こんなことを続けている社民党という政党の党勢がこれからどうなるのか,今度の参議院議員選挙がとても楽しみである。

2010/05/13

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 5月10日の読売新聞の発表によると,最新の世論調査で鳩山内閣の支持率が24パーセントだという。え゛ぇ゛ーっ!思わず「え」に濁点である。まだ約4人に1人は支持してるの?とうとうわが日本も凄いことになっていますね。こんな政治状況を目の当たりにしても4人に1人が支持しているとは。この鳩山由紀夫という人のことはもうとやかく言うまい。思えば,この人は,初代の伊藤博文から数えて60人目の内閣総理大臣だが,総理大臣としての資質,能力についてこれほどまでに取り沙汰された人はいなかったのではないか。まだこの内閣を支持しているという人というのは,旧社会党系や連合,日教組などのコアな人たちなのだろう。

 

 上海万博が今も続いているようだが,報道によると日本館には日の丸の国旗が掲揚されていないらしい。え゛ぇ゛ーっ!これも思わず「え」に濁点である。他の国のパビリオンの多くは自国の国旗を誇らしげに掲げているのに,なぜ日本館は掲げていないのか。新聞報道によると,反日感情に配慮したということらしい。何と卑屈な,何と情けない態度だろう。こういう態度を続けることこそがかえって将来にとって悪い影響を与えるのである。堂々と日の丸を掲揚し,それで何か反日的なトラブルが生じたならば,それこそが中国のこれまでの反日教育の結果だということを天下に示すことができる。国の誇りをなくしてはいけない。

 

 かつてオリンピックで柔道金メダルを獲得した谷亮子さんが,この夏の参議院議員選挙で,民主党から比例代表で立候補することが伝えられた。しかも,母親としての育児,議員としての活動,ロンドンオリンピックでの金メダル(現役続行)を目指しているという。え゛ぇ゛ーっ!これまた思わず「え」に濁点である。確かにその心意気はいいとしても,少なくとも有権者の一人である僕自身は,そんな政治家を期待してはいない。僕が本当に待望しているのは,本当の意味での政治家(ステイツマン)である。この日本では選良という言葉は死語になってしまったのか。オリンピックで金メダルを獲得することは並大抵の努力ではできないはず。母親としての育児も極めて重要な役割である。それらと議員活動が両立するとはとても思えない。各政党も選挙で有名人に依存するにもほどがある。かつて民主党から議員になった女子プロゴルファーの父親は,議員になって以降,どんな仕事をしたというのか。「物議を醸した」ことが唯一の「仕事」だったのではないか。議員歳費は僕らの税金から賄われている。納税者としてはとても辛い。本当の意味での政治家(ステイツマン)を心から待望している。

2010/05/10

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大久保「・・・・・・。」
西 郷「おめぇ,元気ないな。・・・・・どうしたんだ。オレと会った時くらい,楽しく飲んでなんぼだろ。」
大久保「・・あぁ。・・・・・実はな,NHKのやつ,オレに何の断りもなく,突然『ぜんまいざむらい』の放送を止めやがって。」
西 郷「・・・あっ,そうだったのか。お前,ある意味じゃ,『ぜんまいざむらい』が生きがいだったのになぁ。」
大久保「・・・あぁ,このダメージは大きい。かくなる上は,まだ持ってない『ぜんまいざむらい』のDVDを買って,かみちよねーさんに会うしかない。」
西 郷「ハッ,ハッ,ハッ。まぁ,せいぜいがんばれよ。・・・それにしてもお前,髪の毛サッパリしたな。」
大久保「うん,土曜日に散髪に行ってきた。・・・あぁ,そうそう,お前も床屋さんに行くだろう?」
西 郷「そりゃ,行くわ。」
大久保「途中で,耳掃除してもらう?」
西 郷「うん,あれって,結構気持ちいいな。」
大久保「耳掃除してもらった後,・・・耳の穴をふさがれて,指でポンポンってされない?」
西 郷「あぁ,される,される。」
大久保「あれって,どういう意味があるの?」
西 郷「・・・・・・意味について深く考察したことはないけど・・・。これまた形而上学的に深い意味があるのかもしれないぞ。」
大久保「(お待ちどおさまっ)・・・あっ,来た,来た。お待ちかねの『うずらの玉子の串カツ』。これって,本当に美味いよな。」
西 郷「・・あぁ,オレにもちゃんと2本よこせよ。・・・あっ,そうそう,来た,来たと言えば,やっぱりとうとう来たよな。」
大久保「何が?」
西 郷「お前,知らないの?『子供手当』だよっ。」
大久保「・・・ん?」
西 郷「お前,そうやって鈍いから課長補佐にもなれないんだ。」
大久保「余計なお世話だ。お前が言うな!でも,何が来たんだ?」
西 郷「尼崎市に住んでいる韓国人男性が,タイで養子縁組したという554人分の養子の子供手当の申請をするために,尼崎市役所の窓口に来たというんだ。本気で受給するためにいろんな資料をそろえて。」
大久保「えーっ!・・・認められたら年間いくらになるんだ?」
西 郷「約8600万円だと。」
大久保「それって,受理されて,給付されることになったのか?」
西 郷「なわけねぇだろっ。却下されたということだ。『社会通念』を理由に。でもね,この子供手当の法案の審議の際に問題になっていたことが,現実に起こったね。」
大久保「・・・でもね,こういう申請をするというのは,日本人のメンタリティーには絶対ないよね。日本には『恥を知る』って言葉があるように。」
西 郷「うん。でも,『社会通念』という基準も曖昧だし,これが9人だったら通ったのかという気もする。この例に限らず,市町村の現場では,連日外国人が押しかけて大変だってよ。」
大久保「民主党という政党は,とにかくこの子供手当法案の審議も早々に打ち切って,採決を強行してしまった。今年の参議院議員選挙前に最初の給付を間に合わせようとしたんだ。給付要件の認定などは現場に丸投げ。選挙のことしか頭にない。」
西 郷「・・・でもね。さすがに,さすがにだよ,もう有権者もだまされないんじゃないの?政治とカネの問題や,普天間問題などの迷走ぶりからすれば・・・。」
大久保「・・・そう願いたいんだけどね。」

2010/05/07

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 鳩山由紀夫という人の今の政治家としての有り様は悲惨の一語に尽きる。しかも一国の首相なのである。この人は,先の遅すぎた沖縄訪問の際に,ようやく「抑止力」という言葉を用いた。この米軍海兵隊普天間基地移設問題は,「抑止力」に対する考察抜きには考えられない問題だというのに・・・。防衛や抑止力について「学ばせていただいた」末にようやく思い至っただと(笑)。

 

 ある雑誌で久保紘之というジャーナリストが,今の鳩山由紀夫という人の政治家としての有り様について,政治学者マックス・ウェーバーの「心情倫理」という言葉で説明していた。僕はこの説明に思わず納得し,腹に落ちた。日本大百科全書(小学館)ではこの「心情倫理」のことを次のように説明している。

 

 「M・ウェーバーの用語で,責任倫理と対をなす。彼は,あらゆる倫理的行為を律する二つの対立した原則として,この二つを理念型的に区別する。行為の類型からすれば,心情倫理は価値合理的行為に,責任倫理は目的合理的行為に対応する。心情倫理においては,ある行為がどのような結果をもらたそうとも,それを意に介することなく,ひたすら自分が正しいと信じる究極的価値ないし倫理的命令に従って行為することが求められる。事の成否は問わない。『人事を尽くして天命を待つ』という態度である。・・・・・ここでは純粋な心情の炎に燃えて無条件かつ一義的に献身することだけが求められるから,もしその目的に成功の望みがなく実現不可能な場合には,破滅的な結果ともなりかねない。」

 

 この鳩山由紀夫という人は,「日本列島は日本人だけのものではない」,「駐留なき安保」などと言ったり,「東アジア共同体」をぶち上げたりしており,最終的には国という形をなくしてしまう「地球市民」的な友愛発想に凝り固まっているのであろう。自分の信念に従って自分なりに頑張って努力したんだから,仮に普天間問題で上手くいかなくても信念と努力とを認めて欲しいという態度なのではないかと思う。そうすると,正にさきほどの「心情倫理」という言葉,定義で説明がつく。

 

 し,しかしだ。政治は結果責任だと思うよ。少年野球だったら一生懸命やればそれなりに褒められるけど・・・。いやいや,本人は一生懸命のつもりだろうけど,例えばこの普天間問題だって,果たして一生懸命と言えるのだろうか。極めて疑問である。実効性ある外交がなされているとは到底言えない。「他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス」(若泉敬著,文藝春秋)という本を読むと,当時の沖縄返還交渉問題について,佐藤首相,保利官房長官,愛知外相,岸(信介)特使,若泉特使らの組織的,一体的,意欲的,実効的な外交が展開されていたことが手に取るように分かる。今の政権と比較するのも失礼なくらいである。次元と格が違いすぎるのである。

2010/04/27

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大久保「・・・それにしてもお前,よく飲むねぇ。」
西 郷「いいじゃん。意識は清明だし,弁舌さわやかだし。・・・・・それに,週2日はちゃんと休肝日は確保してるし。・・・いいじゃん。」
大久保「ほんじゃぁ,バターで炒めた子持ちししゃもを食べながら,今度は政治の話でもしようか。」
西 郷「うん。最近じゃ,新党ばやりだな。『新党改革』というのができて,その代表が舛添要一なんだってね。アンケートでは次の首相にしたい人気ナンバーワンの。どうだろね,この政党は。」
大久保「うーん,この流れができるまでの経過はよく分からんが,何か確たる国家ビジョン,確たる政策,それに構成員の確たる共通認識があるとも思えんな。第一,舛添という人がな・・・。」
西 郷「何なんだ。」
大久保「実はな,・・・言いにくいんだけど,俺,舛添さんの顔見てると,どうしてもゲゲゲの鬼太郎に出てくるねずみ男を連想しちゃうんだ。・・・言いにくいけど。」
西 郷「・・・はっ,はっ,は。お前,いつからそうなっちゃったんだ。」
大久保「この人は国際政治学者だったそうだが,議員に転身してテレビで顔を見るようになってからは,なぜかは知らないけど,ねずみ男を連想するようになってしまったんだ。ずっとね。容貌のことを言っては本来いけなんだろうけど。」
西 郷「ふーん,自然に連想しちゃうんだからしょうがないね。お前を責める訳にはいかないね(笑)。それにしても,今回は新党といっても,いったんは『改革クラブ』に彼が入って,その後に党名を変える手法をとるそうだ。そういう手法をとったのは,結局は1月1日を基準日として『改革クラブ』は年額約1億2000万円を政党交付金としてもらえるから,このお金が目当てなんじゃないかと俺は思うね。それにその他の構成員はこの夏の参議院選挙で改選期を迎える議員だし,いわゆる舛添人気にあやかりたいという利害が一致したんだと思う。」
大久保「お前,飲んだくれの割りには鋭いね。ごくたまにはいいこと言うじゃん。そういう不純ともいえる動機に嫌気が差したのかどうかしらないが,中村喜四郎衆議院議員や大江康弘参議院議員は『改革クラブ』に離党届を出したそうだ。」
西 郷「それにな,舛添という人が本当に国民の人気が高いのかどうか,どんなアンケートを実施したのか,すごく疑問なんだよ。この人は,政党人でありながら党のために汗をかかないし,口先だけという傾向があるし,何しろマスコミ目線で目立ちたがり屋だから,自民党内でもあまり人望はなかったらしい。」
大久保「俺が何より怒ったのは,この舛添という人は,『新党改革』の立ち上げの記者会見の際に,テーブルの上にあった小さな国旗(日の丸)を「じゃまだよね。」と言って撤去したんだ。小さいとはいえ,わが日本国の国旗だよ。この行為は俺にとっては許せないし,彼が永住外国人の地方参政権賛成論者であるところも気にくわない。」
西 郷「舛添さんがテレビに出て新党のことについて質問された時,『発射台があればいい。発射台になってくださるというありがたい人が党派を超えていた。』と発言したことが新聞に書いてあった。他の5人を発射台呼ばわりしているんだ。将来は再編によって自分の党を作りたいんだろうけど,スタンドプレーヤーなんだよ,きっと。」
大久保「この夏の参議院選挙で使用する略称を,いったんは『ますぞえ新党』に決めたそうだ。結局は公職選挙法上の問題でダメになったみたいだけど,こういうことからしても俗っぽい人物だと思う。訳の分からないアンケートでなまじ首相にしたい候補ナンバーワンになってしまったものだから,すっかり本人がその気になってしまっている。自分の値踏みが出来ないというのは,だめだね。」
西 郷「値踏みといえばね,この店の子持ちししゃものバター炒めは一皿150円だよ。本当に美味いのに安すぎる。いい意味で値踏みができてないね。」

2010/04/16

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 とうとう「つける薬がない」シリーズも13までいってしまった。新聞報道によれば,アメリカのワシントン・ポスト紙の人気コラムの中で,先の核安全サミットに出席した鳩山由紀夫首相について「このショーの最大の敗北者は断然、哀れでますますいかれた日本の鳩山由紀夫首相だった」と表現されていることが明らかになった。確かにこのような表現は,一般論としては一国の首相に対して非礼であろう。でも,非礼ではあるが,その内容は正しいのである。この首相がその任に就いてからのこれまでの言動を総合的に評価すれば,やはり国の内外からこのように蔑まれても仕方がない。そのように評されても無理ないのである。

 

 普天間飛行場移設問題に関する現行案というのは,日米の政治家,実務者が10数年にわたって協議し,これが政治的にも軍事的にも持続可能で最善だとして成り立ち,一旦は名護市も苦渋の選択として受け入れたものである。鳩山政権はそれが何故だめなのかについて説得的に説明をしてきただろうか。思い起こせば鳩山首相は,昨年秋のオバマ大統領との会談の際に「プリーズ,トラスト・ミー」と言って一応安心させた直後に,今度は現行案を前提とするなら協議する意味がないなどと180度違うことを言ってアメリカ側の不信を買った。折しも,訳の分からない「東アジア共同体」構想を打ち上げた頃だったから,その不信感は増幅した。その後この人は,現状では軍事的にも政治的にも極めて重要な日米同盟よりも,社民党のような政党との連立維持を重視して「国外,最低でも県外」などと成算もなく軽々しく述べた。結局その年には,移転先を「決めない」ことを決めた(笑)。

 

 挙げ句には,年明けの名護市長選挙では少差だったが移設受入れ反対を表明した候補が当選し,ますます混迷の度を深めた。そして3月末までには政府案を確定すると言いながら,その期限直前には「3月末までにやらなきゃならないなんて,法律で決まっている訳ではない。」と言い出して,少なくとも僕は呆れかえった。それまでの間,「脱官僚」だか何だか知らないが,防衛省の実務者を交えながら防衛戦略上有効で実現可能な案を練ってきたフシもないし,かつてのように首相自らが沖縄を何度も訪れたということもないし,しかもアメリカ側と密に協議してきたフシも全くない。さらには,この人が「腹案」と称しているものについても,アメリカ側としては協議以前の案だと評価している。というのも,陸上部隊とヘリ部隊とを分断するような案が軍事的・防衛戦略的に有効なものとは到底言えないからだ。アメリカ側としては,政権交代がなされたことは事実として踏まえつつも,「鳩山らはもっとちゃんと仕事をしてくれ!」と言いたいのであろう。当たり前である。

 

 実は先の核安全サミットにおけるオバマ大統領との僅か10分間の非公式会談の際,新聞報道によれば,この鳩山という人は,同大統領から「きちんと責任取れるのか」などと厳しい言葉を投げかけられたようだ。この鳩山という人のあまりにも軽く,あまりにも信頼するに足りない言動からすれば,アメリカ側がこのように抜きがたい不信感をもつのも当然なのである。

 

 有権者は,昨年の衆議院議員総選挙で民主党に308もの議席を与えてしまった(僕はこれには絶対寄与していない)。でも,「民主党 やらせてみれば この始末」。バッハのマタイ受難曲第一部の最後に「人よ,汝の大いなる罪を悲しめ」という大コラールがある。今の政治状況は,正にこの曲名のとおりである。

2010/04/12

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 ネットでいろいろな記事を目にするが,民主党政権がどうしてもやるという「子ども手当て」については,受給を求める外国人が連日地方公共団体の窓口を訪れ,現場は大変なことになっているようである。何しろ,日本に居住している外国人の母国にその子どもがいれば,やはり手当てが支給されるというのである。このような受給申請については,実子でも養子でもよく,不正受給の危険性もあるため,厚生労働省はあわてて「年2回以上はその子どもと面会していることをパスポートなどで確認すること」などといった要件チェックをするよう通達した。でもねぇ,そもそも民主党は,このように外国にいる子どもの実数やそれらに対する支給総額を把握しないまま法案,予算を通してしまったんじゃないだろうか。場当たり的である。

 

 しかも,この子ども手当ては,参議院議員選挙前の6月に2か月分,10月に4か月分,翌2月に4か月分という変則的な支給方法となっており,いかにも参議院議員選挙前に何とか支給したいという意図が見え透いている。

 

 今年度は一人あたり月額1万3000円であるが,来年度は月額2万6000円になるという。もし2万6000円となると,約5兆4000億円もの財源が必要になると言われており,しかもこれには外国に居住している子ども(日本に居住している外国人の)に対する分が十分に組み込まれているかどうかも疑わしい。今年度は税収が約37兆円であったにもかかわらず約44兆円もの国債を発行している始末である。来年度子ども手当ての恒久財源も確保されていない。これはバラマキであって,結局はこの子どもたちが大人になった時の国の借金として背負う羽目になる。

 

 朝三暮四という中国の故事があるが,ウィキペディアによると次のような内容である。
「非常に猿と戯れるのが好きな男がいた。この男は家族のことも放っておいて,猿を可愛がるものだから,餌の時間になるといつも猿が寄ってくる。ところが,それが原因である日,奥さんに『猿の餌を減らしてくれないと、子どもたちの食べる物までなくなってしまう』と窘められてしまう。困った男は何とか猿たちを籠絡しようとし,一斉に呼びかけた。これからは『朝には木の実を三つ,暮(ばん)には四つしかやれない』と告げるも,猿たちは皆不満顔。それならば『朝は四つ,暮は三つならどうだ』と言うと,合計七つは変わらないにも係わらず猿は皆,納得してしまったのである。そこから『朝三暮四』は,人を巧みに言いくるめて騙すこと,また猿の立場から,物事の根本的な違いに気付かない愚かな人を指す言葉となった。」

 

 確かに必ずしも好況とは言えず,生活は楽ではない。したがって,15歳未満の子どもを持つ家庭では子ども手当ての支給はありがたい面はあろう。その意味では,朝三暮四の故事を引き合いに出すのは不謹慎かもしれない。でも,将来のことをよく考えると,超赤字国債を発行してまでやることだろうか。むしろ安心して働けるセーフティーネットの整備,待機児童解消のための人的・物的整備,有効な景気浮揚対策を行うべきであり,そして何よりも将来の日本を担ってくれる大切な子どもたちの教育の中身こそが重要なのではないだろうか。

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