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弁護士ブログ

2023/02/17

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私は新聞の書評欄を読んで衝動的に通販で書籍を購入することが多いのですが,時には失敗する時もあります。あれ?思っていた内容と違うなという場合には,処分に困っている私のために,うちのカミさんが「もったいないなぁ。」と苦言を呈しつつも,メルカリで売ってくれます(笑)。

 

そんなことが続いたので,肩身の狭い私は先日,家にある蔵書の中から「何か良い本はないかな。」と探してみました。家にある蔵書というのは,要するにまた読んでみたい本の集まりですから,いろいろな本があって次に何を読むか迷いましたが,ありました,ありました。「10歳の放浪記」(上條さなえ著,講談社)という本です。これは名著です。間違いなく名著です。

 

読みながら思わず泣けてくる箇所があるのですよ。とても共感できる部分が多く,読者である私が著者の幼少期(10歳前後)の生々しくも辛い日々をあたかも追体験しているかのような感動的な箇所が・・・。

 

昭和35年,当時10歳だった著者(上條さなえさん)は,借金取りから逃れるために家族全員(父と母,異父姉と著者)が夜逃げ同然の悲惨な状態になります。最初は母方の九十九里浜の親戚に一人ぼっちで預けられます。すぐに迎えに来るからとの母の言葉を信じて,毎日毎日1日3便のバスが到着する時刻になるごとに,バス停に行ってはがっかりして帰宅する。その数か月後,今度は父親に引き取られ,池袋界隈のどや街で1泊100円の簡易宿泊所に父親と寝泊りします。クラスメートとは別れたままで,小学校にも通うことができません。とても切ない。

 

どや街で暮らしていた時期,日雇いの仕事をしている父親の帰りを待つ昼間は,空腹の中で時間をつぶさなければなりません。電車に乗ってぐるぐる回ったり,切符売り場の人に「中にいるお父さんを探しに行っていいですか?」と嘘をついて,映画館で映画を観て時間をつぶす毎日・・・。生きるのに疲れ果てた父親から,寝転んで天井を見上げながら「なこちゃん、死のうか。」とポツリと言われたり,「もう金がないんだ。明日の朝十時にここを出たら、行く所がないんだよ。」と告げられたり,子ども心にショックな出来事の連続なのです。ヤクザだけれど気の優しいパチンコ店のお兄さんからパチンコ玉を出してもらって,お父さんのために弁当を買って帰ったり・・・。10歳ながら気丈に,逞しく生きていく幼少の著者の生き様に勇気を与えられることも多い内容です。

 

結局,お父さんとの約1年間の放浪生活の末,著者は児童養護施設に入り,そこから1年遅れで小学校に通うことができるようになったのです。その後は高等教育も受け,小学校教員を経て文筆家になり,教育委員会の委員長にも任命されるまでになりました。

 

人生,気の持ちようで何とかなるもんだなと思います。読んでいてとても切ないけれど,そして時には涙が出てくるけれど,読者を鼓舞し,勇気づける名著だと思いますよ。「10歳の放浪記」(上條さなえ著,講談社)・・・是非読んでみてください。

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